201系電車(試作車) 最終確認時期:2005年9月

フィルム切れとなって、この画像だけ携帯カメラにて代用。電機子チョッパ+回生ブレーキ採用で「省エネ電車」の先陣を切った201系試作車。未だに省エネ電車と言われたらこの形式が頭に浮かびます。バカ走りの中央快速線の顔がすっかり板に付いていますが、チョッパの本領ってのはストップ&ゴーが激しい方が効果が出るような気がします。

試作車については、中央快速線から総武緩行線に移り、さらに信号装置搭載スペースの関係で編成内封じ込め(ミツ9・10編成に分割)の時代が長かったように思えます。

先般、京葉線に転属したと思ったら腐食が思うより進んでいた様子。2005年10月に運用離脱、哀れ廃車回送のドナドナとなってしまいました。撮影は2005年9月、奇しくも引退直前の一コマとなってしまった次第。

貫通扉から車内全景を1枚。青いリノリウム、後述ながら独特の荷物棚への袖仕切板、量産車よりヘッドクリアランスが低い天井等々…過渡期の車両らしい設えがポイントです。

運転台から貫通扉方面へ。この車両、空調のラインフローが途中のポール跡等を除くとず〜っと続いた造形になっています。故に、天井のクリアランスが少々低め…。

ロングシートは長手7人掛となっており、現在は水色ベースの細いストライプ模様のモケットになっています。1人当たりの着座位置を顕す染め抜きもポイント。

201系が登場する以前、長らく通勤電車のロングシートは特に着席人数を明示しない状態にありました。良く言えばその時々に応じたフレキシビリティあふれる意匠と言えます(笑)。

今でも若干残っていますがその定員着席への工夫として、茶色モケットをベースに真ん中(両端から4人目)をライトベージュとしたモケットで登場していました。

車端3人掛席、いまは優先席となっているケースが多いですね。座り心地ですが、低め座面でかなり沈み込む設えになっています。ともすればフニフニ過ぎて、205系の方が少々腰が強め故、姿勢を保っていられるように思えます。

ちなみに、優先席はモケットの表地そのものが変更されており、タッチが少々ゴワ付きます。

横アングルで。こうしてみると戸袋窓とドア窓の形状の違いも一目瞭然。

7人掛席で改めて。ドア脇の袖仕切形状がポイントですね。天井まで上がりきっているようで切っていない意匠、そして東京メトロ6000系(1次車)のように荷物棚に一体化しているかと思えばそうでない中途半端ぶりが座席屋のツボを刺激します。

さて、試作車は空調の関係もあって量産車よりヘッドクリアランスが低めになっています。その特徴がこのドア上のハメ板に表れています。量産車はこの部分がスキッと直線で作られた板になっており、屋根カーブはその上から曲がってきます。

このように途中から曲がってくるのは試作車の特徴でもあります。

袖仕切内側、このように化粧板が当てはめされています。そのままの地色(茶色)でも良かったんですけどねぇ。お陰で貧乏くさく見えてしまうのは勿体ない。

さて、最近は廃線蹟や遺構を探訪するのが地味に流行っておりますが、車内に残る「遺構」を探すのもまた楽しみであります。それも営業車両で堂々と残っているのは面白くもあり悲しくもあり、「もののあはれ」を感じます。

そんなのがコレ。車内3カ所・床面にこのような穴がありました。試作車登場時、スタンションポール(掴まり棒)が立っていた跡です。今は山手線や京浜東北線などの6扉車両ですっかりおなじみとなりましたが、かつてこの形式で実験されていたことがありました。結局、あまりの混雑では逆に危険であり、車内通行の阻害となることから取っ払われたようです。

で、対応する天井を見ると…ありました。これが天井側のポール固定土台跡。まだ、設置当時の擦り傷が残っているのが萌えポイントです。

試作車が最も試作車らしい角度とワンカットを。高めのドア窓、運転台後ろにある長めの戸袋窓、運転台後ろの窓が小さく、さらに壁直後にレバー開閉の通風口と間違い探し大会が行えます。

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