485系電車(彩・いろどり) 最終確認時期:2009年6月

「フリーザ様」誰が呼んだかこの渾名…見た目のインパクトに限れば、長野支社が放つ最終兵器にふさわしい出で立ちかもしれません(ビジュアル的に)。完成予想イラストから話題をかっ攫い、現物が出てきてさらにビックリ。試運転で大きくも小さくもお子様大泣きという話がチラホラ。

交直両用電車からの改造なので、架線下であれば(信号装置さえ合えば)どこへでも。首都圏でも、たびたび目にすることが多いと思います。

長野側先頭車、ヘッドマーク表示装置は大型ディスプレイになりました。う〜ん、これ、文字表示されてるんですが、少し影に入っているのでかろうじて判読できる感じ。逆光だと表示が丸潰れです…。

貸切やイベント動員が多いことから、表示が自由にできるという点については良いアプローチだとは思うのですが、モウ一声。

反対側の先頭車、これが「フリーザ様」のいわれとなったパープルの先頭車ですね。ライトは運転室上のものがトンネル対策で取り外されており、一方では明かりの視認性の観点からこの高さになったと言われています。

で、デザインの妥協(?)の完成形がこれ…偶然とすればまさに神のイタズラ(笑)。

車内に入っていきましょう。編成は全車グリーン車扱い、1号車と6号車は座席タイプ車両になっています。それぞれの車両カラーによるコーディネートがなされており、画像は6号車。1号車は座席カラーがパープルになります。

1&2配列による横3列、見た目については最近の東日本では主流となっているデフレグリーン席との対極ぶりにちょっとだけ安心しています(笑)。

天井部分は183系電車デラックス改造で見られたようなルーバー造形となっています。

後ろ側から見るとこんな感じ。座席ヘッドレストの脇の手摺りは2人掛席のみの設置です。

そう言えば、この車両は空調がイマイチ弱い気がします。たまたま乗った日は壊れていた?と思えるくらい蒸し暑い車内でした…他の号車は爽やかに効いていたのですが…。

1人掛席です。1200mmの大きめピッチで住江工業製の座席がセットされています。普通車両の窓枠を弄らずに座席を配置しているので、所々、視界に窓枠が「こんにちは」している列もあります。

座面はそこそこ厚めのクッションを感じられますが、背ズリの形状はかなり酷い仕上がりです。背ズリは、元々低めの設計になっている(故に室内が広く見える)のですが、その背ズリ寸法範囲に通常のグリーン席背ズリで用いられるカーブやランバーサポート配置をねじ込んだような形になっており、おおよそ一般的な座高長の人間にはフィッティングしません。

全般で見てみても、左右のソデ体形状は、一見100系新幹線のR35をイメージした風合いに思えるのですが、その実は単に箱をスパスパッと面取りした形状であり、何というか微妙なカーブや、掌をアームレストに対して微妙にしっくり置くための「エロさ」の要素が全くない味気ない造形です。

JR西日本の683系「しらさぎ」用WRK123に似通っているのですが、寸法が一回りミニ、というか前端が切り欠かれた感じで少々寸足らずの上、アームレスト位置が一般的なモノより上付けになっており、全般的に違和感を感じます。

全展開の図。テーブルは、つくばエクスプレスTX2000系のボックスシートで装備された収納テーブルと同じモノです。安っぽいのが難の上、思わずつくばエクスプレスのトラウマで、組み付け角度を見ちゃったくらい(笑)。

レッグレストは板面角度が固定された単純引き出し式。収納時のロックが緩い上に、完全に引き出すか収納するか…いずれかしか選べないタイプ、板面の大きさも小さいのでユーティリティとしては褒められません。

2人掛席、ヘッドレストの手摺り以外は1人掛席と基本的に同じですが、センターアームレスト先端にクッションを切り欠いてドリンクホルダーが備え付けられています。

普通なら、センターアームレストのカバー部分は両脇に合わせ、ドリンクホルダー部分の分を前にせり出させるのですが、この辺は651系グリーン席のR38リフレッシュに通じる悪設計に思えます。

1人掛もそうですが、アームレスト自体が完全水平になっており、リクライニング時に脇が空いてしまう悪い設えの座席です。正直、急行・特急グリーン料金以上の扱いでは、お相手したくない座席です。

2・3・5号車はセミコンパートメント区画によるボックスシートになっています。「リゾートしらかみ」三兄弟で知られた可変モードを持っているのですが、差違点とすれば、「リゾート〜」の方は通路から客席部分には1段の「小上がり」が挟まっているのですが、この車両は通路との出入りがフラットになっています。電車と気動車の床面の違いでしょうか?

3人掛(6人個室)はちょっと画角がアレなので、脇の4人用ボックスを拝借して…。まずは標準状態。ランバー部分の座りが悪いんですよね…しっかり奥まで入れても角度がスッキリ出てこないのは、クッションの角度設計か展開時の傾斜を計算に入れてないチョンボ?

「リゾート〜」では見られない粗相に思えます。なぁんか、造り「込み」がいい加減。

ベッドモードにするとこんな感じ。

ジョイフルトレインとしても使われるためか、非客席スペースも割と多めになっています。両先頭車の運転台後ろにはソファーや大型テレビが備え付けられたミニサロンコーナーがあります。

テレビでは、運転台からの光景が中継されるようになっています。

4号車はサロンカーとされ、イベントができるようなスペースが備え付けられています。中央本線・大糸線で見ると、サロンソファーは南アルプス向きになっており、長野に向けて走る場合、姨捨からの善光寺平は背後となります。

座席カラーは4号車のイメージから通りなんですね、床面はカーペット敷となっています。

サロンカー内では、貸切運用であれば(たぶん別料金)で第一興商の通信カラオケが使えるようになっています。ちょっと昔ならレーザーディスクシステムだったのですが、隔世の感。

天井からぶら下がるスピーカーはBOSEのモノが奢られています。あら、お金掛てますネ。

3号車の長野側には、どーんとマッサージチェアが備え付けられています。民生用市販品では、割と高級チャネル(推定30万円台クラス)のモノが奢られています。

ただ、お試しは「5分以内」にして貰うよう貼り紙がなされているところがご愛敬。因みに、製品が想定するフルリクライニングは、前後のスペース的に難しいようです。

3号車反対側にはパウダールームが設置されています。

4号車長野側には喫煙ボックスが設置されており、車内はこの場所以外全面禁煙となっています。

車内4カ所(1・2・3・6号車)には、冷蔵ケースと電気ポットが使えるコーナーがあります。

乗車時は臨時快速だったのですが、冷蔵ケースは普通に使っている人がチラホラ…ポットは…お湯が入ってるようですが、ちょっと怖くて使えません…大丈夫だとは思うのですが。

車内各所には大型の荷物置場が設置されています。冬のスキーシーズンなどは重宝しそうですが…スキー板って立てて置くからナァ…。別用途が念頭かも知れませんね。

車両脇の「余白」には、「彩・いろどり」のシンボルロゴが入れられている場所もあります。

ちょっと号車を変えて。

この編成は1号車から6号車まで、長野・信州のシンボルをカラーイメージと共に配置しています。

まずは1号車、長野県花・リンドウによる「ふじいろ」。

2号車、長野県の動物としてカモシカによる「深支子(コキクチナシ)」。

3号車は名産品のリンゴで、色はリンゴ色かと思えば「鴇色(トキイロ)」。

4号車は信州の自然をイメージした「白群(ビャクグン)」。

5号車が特産品のブドウをイメージした「ふじいろ」。

6号車が出荷数で日本一となカーネーションによる「鴇色(トキイロ)」。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
グリーン1不明1200mm
グリーン2不明1200mm