183系電車 最終確認時期:2007年7月

183系電車と言えば東日本エリアを思い浮かべてしまうのですが、関西にも183系電車が居るのは地元なら知られたところ。485/489系電車を改造し、「北近畿ビッグXネットワーク」方面の各列車に充てています。

屋根上の交流機器を、七尾線のローカル車両に移し替えてしまう荒技を経ての登場、遠目には485系そのまんまです。事実、直流区間限定であれば485系との併結もできるんだとか。

4連・6連を中心として、編成も来歴もゴッタ煮のような改造の果ての車両、改造時期も長期にわたるので、グリーン車も1両まるまるだったり半室だったり…時刻表でよくチェックしないと訳判らない事態になること請け合い。

アーバンネットワークカラーの車両も居ます。福知山駅なら、さらに多くの編成を眺めることができますネ。

早速車内へ入ります。普通席については、国鉄時代から改造を受けている車両もあり、いまさら大きな手も…ということで、485系時代に受けた改座・改造のまま、座席表地だけ交換した…というのが一般的のようです。

このカットは撮影が少々昔のものなので、リネンカバーが今は使われていないものになっています。

背面テーブルを増設改造したR51Cですね、ちょっと肉厚な背ズリがポイントです。座り心地は、例によって例のごとく。

R55Cに改座されたグループもあります。というか、勢力的にはこちらの方が主力です。

「疑わしきはR55でやっとけ」と言うくらい、国鉄特急車両の改座でR55は大人気です。他の車両形式をご覧になっていれば、バリエーションや派生形式の多さもさることながら、全国各地で見ることが判ります。裏を返せば、無難で扱いやすいのでしょうか。

ここで見かけるR55は、センターアームレストが省略された比較的初期のタイプとなっています。シートピッチ910mm。足下はヒーターカバーで塞がれており、今となっては少々狭々しい空間と受け止められるものと思います。

これが最近の撮影分。リネンカバー右下にロゴマークが入ったものの、色が白に戻っています。

見た目は以前と変わってませんが、リネンの後背部分に乗車券を入れるポケットが付いています。近距離利用やライナー的な使われ方もあるのか、使い慣れた人向けの設えですね。

意味なく撮っていたので、ちょっと出してみます。デッキ部分への仕切り壁、この換気用ダクトっていかにも国鉄車両だな、と思わされるのですが、どうでしょうね?

半室グリーン席への仕切扉です。施工当時、センサーによる自動ドアは、先進的設備の扱いだったのですが、普通席側でちょこっとでも足や荷物をずらせばドアがバッタンバッタン開閉するので、困りもののようです。

最近であれば、プッシュボタンによる開閉か、薄型・小型のセンサーを壁面に埋め込んで指のタッチを感知してドアを開閉するタイプが主流ですね。

半室の改造グリーン席は、東北エリア「たざわ(現在は「かもしか」)」、九州「有明・にちりん」などの系統でも見られた設備ですが、それぞれで改造手法が微妙に異なっており、シートピッチもバラバラだったりします。詳しくは、各エリア該当の当サイト内コンテンツをご参照のこと。

北近畿登場当時からの半室グリーン席は、シートピッチ1200mmで鮮やかな緑色をベースにしたR27が設置されていたのですが、その後、381系「やくも」などで見られた4列グリーン席に改座され、今に至っています。

改座されたグリーン席。南紀方面で活躍した「きのくにシーサイド」にも設置されたので、見覚えのある人も居られるかと。座り心地はそう悪いものとは思えないのですが、やはり他線区の大型グリーン席を見るにつけ、ちょっとボリュームダウンの印象は拭えません。

壁面処理はこんな感じ。ちゃんとフットレストが備え付けられている辺り、抜かりはありません。

普通車との仕切りは、壁面一枚の東日本や、ドアそのものの概念がない九州と異なり、荷物置場を組み入れ、自動ドアを置くことで、スペース的に一息置くような印象を受けることができます。

半室グリーンなりの普通席との仕切りの考え方、という点では西日本の考え方が一番完成されているように感じています。

1両まるまるグリーンのタイプ。1&2配列の3列席、ぱっと見た目からして広々とした印象を受けます。先述の通り、北近畿系統の車両の普通席については、転入当時ほぼそのままですが、グリーン席は割と手入れがなされています。

1人掛席は、281系「はるか」でも見られたWRK108になっています。そのため、フットレストは横幅の広いバータイプ。勿論土足禁止なので、温泉地でまったり・ほっこりした後にくつろぐ向け、というわけではなさそうです。

リクライニングさせてみるとこんな感じ。リクライニング角度はそう大きいわけではありません。「はるか」で触れていますが、この座席の背ズリはヤワさんでして、座ブトンのできばえはともかく、あまり好きになれない座席であります。

残念ながら、評価のキモチとしては「デカいだけ」となってしまうのが悔しいところです。

2人掛席のWRK224。これ基本的な評価は281系「はるか」と同じです。少し変わって点と言えば、若干床面がかさ上げされていることと、窓枠が681/683系っぽくはめ直されている点でしょうか。

それ故、座席に座ると、視覚的に国鉄車両独特のシャキシャキした感じではなく、見た目がちょっとゆったりするのはグリーンらしいと感じられるでしょう。この点、あまり趣味誌でも触れられていませんね…気づいてないことは無いんでしょうけど。

壁面席のフットレスト。デッキ仕切扉へのアプローチの関係で、ちょっと狭めですが、きちんと備え付けられています。

この座席のシートピッチは基本的には1160mmであるものの、列によって若干配置がズレています。京都・大阪方面向きでデッキから入ると、何となく手前側のヘッドレスト間隔に視覚的違和感を感じたので細かく見てみたら、11番→12番にかかる部分だけ1200mmとなっています。端部のスペースの歪みをここで解消しているようであります。

裏を返せば、舞鶴・城崎方面では12番、京都・大阪方面向きでは11番を取ると、やや広めのピッチになるということです。40mmですけどネ。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2R51改910mm
普通2R55C910mm
グリーン(4列)2形式不詳1200mm
グリーン(3列)1WRK1081160〜1200mm
グリーン(3列)2WRK2241160〜1200mm