(特別記事)鉄道車両シート国際シンポジウム講演会(1)
副 題:
執筆者:徳武篤
掲載誌:車両と機械 Vol.7 No.3
掲載年:1993年
平成4(1992)年12月、日本国内で鉄道車両シート国際シンポジウムが開催された(そうです)。その委員会メンバーによる実施記録である。当時、まだ私は高校生…こんなイベント知る由もなく…知ってたら間違いなく行ってたでしょうね。今なら間違いなく仕事休んでも行ってる(笑)。ってか、このシンポの資料お持ちの方、ご連絡下さい(真面目)。

(特別記事)航空機シートと鉄道車両シート
副 題:
執筆者:渡利正彦
掲載誌:車両と機械 Vol.7 No.3
掲載年:1993年
シンポジウム中の講演記録。天龍工業の方のお話。バス用座席・航空機用座席と鉄道座席との性格の違いや、最近の技術動向を踏まえたレビューがポイント。稿の最後の方に最近のチェックポイントとして3つ(FAR-16G規程/偏心回転機構/カンチレバーシート)がある。16G実験装置って天龍は持ってたっけ?小糸工業にはあるけど…。カンチレバーの普及ッぷりは言わずもがな。偏心回転機構については、そのアプローチが昔と今で180°変わった事を教えてくれている。

(特別記事)自動車シートと鉄道シート
副 題:
執筆者:徳満修一
掲載誌:車両と機械 Vol.7 No.3
掲載年:1993年
池田物産(株)(現:JCAS)がJR九州787系で鉄道座席に殴り込みを掛てきた(殴)頃だけに、注目が高かったのでは無かろうかと思われる。同社の鉄道向け一番納入はJR東日本651系運転台席。以降、215/253系のカンチレバー座席(コンパン社パテントの提携品)を経た経緯をふまえた諸条件的なまとめがポイント。自動車シートの経験が長いので、そことの対比が興味深い。ちなみに、この稿に出てくるグラフは一見の価値有り。尚、この稿に出てくる座席の諸条件のイラストはある英論文の図…出典書こうよ…。その他、787系普通席の設計線画は萌えポイント高し。

(特別記事)車両用シートの乗り心地評価
副 題:
執筆者:安田滋
掲載誌:車両と機械 Vol.7 No.3
掲載年:1993年
今度はかの日本発条の方の記事。主に座面とランバー部分の体圧分布やクッション性など、かなり専門的な内容になっている。岡山大学・資生堂との共同研究とあり、表皮一体成形シートによる測定データも示されている。写真も出ているが…実物見てみてぇ〜(笑)。

(特別記事)車両用シートの現状と課題
副 題:
執筆者:橋本淳
掲載誌:車両と機械 Vol.7 No.3
掲載年:1993年
371系電車・85系気動車と意欲作を放った頃のJR東海イズムが見える稿。シート自体の経年疲れを除くと、この頃のJR東海の座席は秀作が多いと思っていたが、その根元はそこにあったか…みたいな、頷かされる記事。中でもリクライニング体勢に対する座席追従のポイントについて、ハッキリと理想点が描かれている。現在、試運転中のN700系グリーン席における「背座シンクロリクライニング」がその理想にどこまで迫っているか、見物と言えば見物。このころ理想とされた体勢について、座席中心点部分を重心に座面を迫り出しにするではなく、着座重心を後ろに引き倒す形で身体形状への追従を補償しているが、コレによって実現される固定された膝からつま先までの快適性への還元は未だ不明、その先に待つは絶賛か大罵倒か…。

(特別記事)鉄道車両のシート・デザインの視点
副 題:
執筆者:菅泰孝
掲載誌:車両と機械 Vol.7 No.3
掲載年:1993年
かのJR東日本253系「NEX」の普通車デザインを行った、と言えばピンと来る方も多いだろう。話題(と物議)を提供したあの配置がなぜ実現したか?そのデザイン理論の種あかしがされている。しかし、現時点のNEXの配置変更を見るにつけ「ああ、昭和枯れススキ(笑)」と思わずには居られない。255系の普通席についてもデザイン哲学を論じているが、ネイティブ千葉の特急車両に何を求めるんだ、みたいなツッコミ所は如何ともしがたく、その後のE257系500番台に見られる方針転換が全てを物語ろう、というもの。

(特別記事)鉄道車両シート国際シンポジウム講演会(3)
副 題:-接客設備としてのシート-
執筆者:南井健治
掲載誌:車両と機械 Vol.7 No.3
掲載年:1993年
「座席はピッチだけにあらず」そんな言葉が出てきそうな記事。イラスト自体はちょっと古めの「鉄道ファン」にも載っており、焼き直しの感が拭えないわけではない。座席としての比較対象で多くの欧州鉄道座席が紹介されており、そことの対比は面白い。しかし、日本が戦後進めてきたアコモデーションポリシーとヨーロッパのそれは相容れないのは既に明白であり、「武士は食わねど高楊枝」ステイタス文化と「満艦飾万歳・モノトリ上等」モノクラス文化の狭間では身動きのしようもない。著者も「シートだけでは旅客車にはならない」としてフォローをしている通りであるが…スペックメインで育ってきた日本のアコモデーションとは当面クロスはしてこないだろうな、と。

(特別記事)フランスの鉄道シートの歴史と二階建TGVのシート
副 題:
執筆者:PIERRE DENU
掲載誌:車両と機械 Vol.7 No.3
掲載年:1993年
欧州鉄道の座席シーンでは泣く子も黙る大メーカー、コンパン社技師長(当時)の講演記事。見方を変えれば、鉄道座席の最先端理論(の1つ)が目の前に…みたいな。等級別設備標準化・人間工学&三次元マネキン導入…さらにコーラルトレインの普及と、イメージされる欧州鉄道座席事情も実は結構変化してるんだ、みたいな。そしてTGV・TGVデュプレクスへの流れ。しかし、TGV座席の基本パーツが5点構成というのは凄い事だと思いますよ、ハイ。

(特別記事)鉄道車両シート国際シンポジウム講演会(4)
副 題:-最近の鉄道車両シート-
執筆者:橋爪進
掲載誌:車両と機械 Vol.7 No.3
掲載年:1993年
JR東日本651系から最近までの特急車両を中心とした新型車両のデザインコンセプトと内容について触れているモノの…ああ、スーパーひたちの凋落ぶりと各車におけるその後を見るにつけちょっと哀れにすら感じる今日この頃。何せ、登場当初のエリアやサービスを堅持してるのってSVOの一部サービスくらいでね?サービスが練り込まれた結果というか、揉まれた茶殻を漉して残った部分というか…良く言えば無駄なサービスを切り落としたと言えるのだが、結局コンセプトと現実が乖離しすぎてるのはどうかと小一時間(略)。

(特別記事)鉄道車両シート国際シンポジウム講演会(4)
副 題:-快適通勤を求めた車両設備としてのロングシート-
執筆者:宮田道一
掲載誌:車両と機械 Vol.7 No.3
掲載年:1993年
今でこそ個別着席・定員着席のためのロングシートに設えられた工夫の数々、通勤電車を使っているなら誰もが知るところ。7人掛への工夫は201系で知られた中央色分けシートなどがあったし、足の投げ出し対策には東京メトロ(旧:営団)01系で明確になった通路部分の色分けなどがあった。1980年後半から1990年中盤に掛ては様々な試みがなされてきた実験期と言える。その中で車両的には没個性(実際はそんな事無いのだが)の東急は人間の空間認識力と言うアプローチから定員着席への試みを打ち出してきた。それが「座席仕切り板」。パッと見て横4人分くらいまでは空間認識ができる、と言う点から4+3として、間に肘掛をセット。端っこが好まれる着座心理と相まって定着したと言うわけでして…。その後のスタンションポールを兼ねたあの仕切棒よりは「もののあはれ」を感じます。

100系新幹線列車の乗り心地に関する生理学的研究
副 題:
執筆者:大島昌明・池田守利・佐藤清・多田三男・谷沢平八郎
掲載誌:鉄道労働科学 No.40
掲載年:1986年
名車、新幹線100系には言わずと知れたダブルデッカーが連結されていますが、新幹線の2階席の乗り心地は良いのかどうか…という部分について生理学的に研究しています。しかし、その計測方法を見るとなかなかにタイトでストイックな計測を行っていることが判りました。結論からすれば「問題ありません」ということなのですが…。

長距離旅行における生理的影響とアコモデーション
副 題:
執筆者:室屋英幸・池田守利・佐藤清・多田三男
掲載誌:鉄道労働科学 No.37
掲載年:1983年
山陽新幹線の博多開業が実現、福岡出張は鉄道…という流れが大きかった中、W12による6時間40分は難行苦行だったようです。この研究は、新開発のせりだし式(超多段メカニカルロック)リクライニングシート「D21」との比較を通し、座席を主体として長時間移動が旅客に対し及ぼす生理的影響を知るための測定を中心とした論文。いやぁ、幾ら座席が好きでも測定前提では被験者になり(たくな)いかも(笑)。

動力車運転席用椅子に関する研究
副 題:
執筆者:池田守利・杉山一郎・猪俣理・深野重次郎・室屋英幸・大島昌明・谷沢平八郎
掲載誌:鉄道労働科学 No.35
掲載年:1981年
旅客車両の座席の場合、座り心地や長時間の安楽性がかなり問われるが、運転席用座席はそれに加えて機器操作の取り回しや運転中の覚醒条件が加わる。そこで、人間工学的見地からデータを取り、試作座席の製作と検定用ゲージの製作を行っている。最近の鉄道運転席ではレカロ社のシートを採用するケースも少なくない、やはり座席文化はあっちの方が進んでいると言うことか…。

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