373系電車 最終確認時期:2002年9月

以前は、特急「東海」として東京駅でもお昼にお目にかかれたのですが、殆どの人にとっては「ムーンライトながら」やその送り込みの普通列車でお世話になったケースの方が圧倒的に多いかと…。

営業運転開始1週間後に撮った全景です。この時はまだ新車の装いで、漂う臭いもいわゆる「新車の香り」がしたものです。

しかし、この列車はかなり揺れます。空気バネの設定が柔らかいのかどうかは判りませんが、同区間を走る211・185系のそれより揺れを激しく拾う(保線のアラ、と言うわけでもあるまいに…)傾向があります。

すでにあちこちで語り尽くされていますが、何を目的にしたか判らない究極の失敗ポジションがこのデッキとの仕切部分でしょう。半自動ボタンなど精一杯の工夫も見えますが、所詮ドアが開けば意味無し物件。仕切扉の方式には勝てません。ホームの騒音、外気の遠慮無い侵入と車端部分の人は決して環境的に恵まれませんね。

快速運用時はまだ許しましょう、でもこれで今時特急と何の臆面もなく言い出せる辺り、相当に(自主規制)なんだな〜と思う今日この頃です。

仕切の上には電光情報表示装置があり、停車駅案内や乗り換え案内なども表示されます。

新車投入時のC-R68です。970mmピッチで並べられており、一応東海道本線サロと同水準の空間を持っていると言えます。

座席自体は偏心回転機構を持った回転油圧リクライニングシートです。テーブルはシートバックがなく、インアームのみの装備と割り切ったモノになっています。そのほか、ラチェット固定式のフットレスト(バーレスト)があります。しかし、使用頻度の高い同車にあって部品疲労が激しいようです。一部座席では固定機構を取り外したという話もチラホラ…。

現在のC-R68です。インアームテーブルのカバー、センターアームレストの素材はあまり誉められたモノではなく、局所で変形・反り・欠落・素材劣化が見られます。センターアームレストも当初は柔らかめだったモノが、硬めのモノに変更されています。

この座席、長い間座っていると何だか身体にしっくりしない、と言う指摘があります。それもそのはず、座面角度が殆ど確保されておらず、モケット素材も見た目こそ豪華ですが滑りやすい素材のため、どうしても着座ポイントが一定しません。必然的にズルズルと滑ってしまって当然なのです。

そこへ来て時折客席を襲う強烈な横方向への揺動が、偏心回転機構のヘタりで揺れが倍加されて身体に直撃します。そのことを覚悟して乗る分には良いんじゃないでしょうか。

各編成とも静岡・名古屋寄りの東京側に車椅子対応の1人掛席があります。座席のソデ体部分に固定用のバックルが見えます。デッキ寄りにも関わらず、1人で座れることから人気席になっています。

その全展開状態です。この373系を夜行で乗る場合の苦肉の策ですが、どうしても身体が揺れたり寝てしまうと足が開いたりしてしまいます。

そのような場合、フットレストに足をしっかり突っ込んで、リクライニングしている(であろう)前席の網袋部分の凹みに両膝をしっかり入れます。そして、腰を座ブトン前方にズラして頭が背ズリの凹む辺りに来るようにします。

こうすると、振動をかなり和らげて休むことができます。但し、お尻が冷えますのでご利用は計画的に。

車端部にはボックスシート状のセミコンパート座席が並んでいます。しかし、単に車端の穴埋めみたいなもので、その実はボックスシートそのもの(笑)、モノは言いようといたく感動した次第。

真ん中に大形のテーブルがあるので、グループで使う分には面白いでしょう。勿論、車端ですのでそれなりに揺れます。お覚悟を。

この区画の座席、通路側は肘掛を跳ね上げることが可能です。それがどうした、と言われるとかなり困りますが…。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通1形式不詳970mm
普通2C-R68970mm