0系電車 最終確認時期:1999年3月

「夢の超特急」が東海道を去って久しく感じる今日この頃です。0系といえば、シルバーとブルーの転換クロスシートW12が有名なアイテムと言えるでしょう。シートピッチ940mmのそれは、今や大阪の交通科学博物館で拝むしか(と言っても特別公開以外はムリ…だと思う)ありません。

この写真こそ引退直前期のものですので、座面が1人毎に区切られていますが、登場当初の座面は単にウレタンフォームの座面が横にズデン…と置いてあるスタイルのものだったようです。

3人掛のW70です。この転換クロスシート、テーブルが面白く、窓側の小テーブル(これ自体は全国各地でまだまだ現役色濃厚)の他に通路側ソデ体に収納されている引き出し&回転固定式があります。これ、どっちに回すと固定されるか良く判らず、始発駅などではあちこちでテーブルをクルクル回す光景が繰り広げられていました。

あと0系と言えば、非常脱出扉でしょうか?後期の2000番台などでは無くなっていますが…。

新幹線が岡山・博多と延伸して行くと、所要時間の関係でW12・70では不満が出るようになりました。そこで、開発されたのが無段階メカニカルロックリクライニングシート(長いぞ)です。人間工学に則り、わずかなリクライニング量でも充分な居住性を生み出すことを目指した座席と言われています。

写真は2人掛のD23です。リクライニングレバーを引き、腰に体重を移すと座面がせり出してリクライニング形状になります。R51がヒントになっていますが、動作機構部やリクライニングメカニズムについては全く別物です。非常に細かいリクライニングロック用のバネを持っており、事実上の無段階リクライニングです。

んで、こちらが3人掛のD32。シートピッチが940/980mmの0系ではこの厚ぼったいフレームをして回転が不可能になってしまったので、真ん中から前後向きに集団離反配置で固定されました。勿論、進行方向と逆向きは指定席であてがわれると気まずいことこの上ないので、連動する時期の座席予約システムには「進行方向向き」を優先発行するコマンドがあったとか無かったとか…。

JR西日本0系の稿で書いてありますが、座面のフィッティング自体はかなりのものであると評価しています。R51の親戚みたいに思われてしまうところが不遇かも知れません。

昭和62年、低迷していた「こだま」利用者に何らかのアドバンテージを、と言うことで今のJR東海からは想像も付かないサービスが飛び出しました。その名も「こだま2&2シート」。指定席部分に新規設計のR56/57/58回転リクライニングシートを配置し、グリーン席ほどではないにせよ、ゆったりとした移動を楽しんで貰うため、ひいては列車としての「こだま」訴求力回復の最終兵器とも言えるものでした。

結果は、こだまが12両編成から16両編成に、指定席枠が2両から4両に回復したところからも確かなようです。

写真はR56、このほかにリクライニング機構部を改良した(らしい)R58が登場しています。サイドアームレスト先端にジュースの缶が置けるスペースがあり、センターアームレストも手触りを統一させるために先端はプラスチック成形してあるという芸の細かい座席でありました。しかし、重心が高めの座席でして、人が座っていない座席はブレーキショックでガクンガクンと良く揺れていました。

2人掛側のデッキ仕切扉前は、ワゴンの通行などを考慮してアームレストと座面幅がわずかに狭いR57が備え付けられました。アームレストはR55Eのセンターアームレストに準じるものです。

グリーン席はR32です。元々、R25でしたが、撮影時点ではすべて引退していました(いや、昔々に偶然撮ったモケット張替済みのR25の写真も無いことはないですが…)。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2W12940/980mm
普通3W70940/980mm
普通2D23940/980mm
普通3D32940/980mm
普通2R56/57/58940/980mm
グリーン2R321160mm