100系電車(普通車) 最終確認時期:2002年6月

1985年、次世代新幹線のスタンダードとして登場した100系新幹線は「ニュー新幹線」とも呼ばれ、毎時00分発車の博多直通「ひかり」(いわゆるエース列車)に充当されていました。シャークノーズの美しいフロントデザインと充実したアコモデーションは新幹線のみならず、その後の鉄道全体のデザインとアコモデーションの方向性に革命的な影響を及ぼしました。

普通車は輸送力の関係で2&3配列が守られたままですが、1040mmに拡大されたシートピッチとR53シリーズの快適な座り心地、大きな背面テーブル、深い油圧リクライニング…とD23でお茶を濁してきた長距離運用時の居住性レヴェルを格段に引き上げました。

活用されたか否かは別として、100系では奇数号車と偶数号車で座席の色が変わっています。写真は偶数号車に使われたブラウン系統のモケットです。よく見ると美しいドットパターンが形作られています。写真はフットレストの無いG編成初期のものです。今はその多くがJR西日本に移ってしまったため、フットレストの無いR70でこのカラーを見ることは難しくなりました。

これが奇数号車の2人掛席のR53A。D・E席が該当し、東京から大阪・博多へ向かって進行方向右側(富士山側)となります。午前中の下りでは日射が入らないことから、使い慣れたビジネスマンを中心に真っ先に席が埋まってゆきます。

そして偶数号車の方です。

フットレストを装備した後期G編成のR53B/Cです。BとCに明確な違いは殆どありませんが、Cについては、フットレストが戻る際、フレームカバーに直接当たらないようになっているようです。R53Bを装備している編成はフレームカバーと接する部分に例外なく傷が入っているのに比べ、R53Cの方はあまり傷が見られないのが判ります。

そして、3人掛席のR70Cです。それまでのR70Aとの差異はフットレストくらいなものですが、ヘッドレストの張り方がやや強めの雰囲気が感じ取れます。この辺は経年変化とも言い切れず、微妙な設計変更があったのかも知れません。

極めて偶然ですが、100系試作車(X0編成、のちにX1編成)の普通席を撮っていました。撮影当日、乗車変更した岡山発食堂車付きの「ひかり」を待っていると、やや吊り目がちのライトに独特のエアダムを備えたフロントマスク…驚きましたね。

R53はそのままなのですが、ややシルエットが華奢な感じがするほか、センターアームレストの跳ね上げ部にストッパーが設えられています。

定員外設備ですが、そのX1編成の食堂車です。どん詰まりには歴代の国鉄車両が彫り込まれたエッチング板が美しいです。

G編成では食堂車の代わりにテイクアウトを念頭にしたカフェテリアが備えられました。しかし、今現在、そのカフェテリアが真価を発揮する運用はほとんど無くなってしまいました。

車両選択に戻る>>
座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通車(試作車)2R531040mm
普通車(試作車)3R701040mm
普通車(量産初期車)2R53A1040mm
普通車(量産初期車)3R70A1040mm
普通車(量産後期車)2R53B/C1040mm
普通車(量産後期車)3R70B/C1040mm