N700系電車 最終確認時期:2010年5月 | |
新幹線にもNの時代。ナンバーインフレを懸念したか、単に話題性で入れたかったかはさておくとしてN700系でございます。ダイヤ改正ごとに投入が進み、かなりの本数が登場していますね。 先頭部の形状、肩袖から降りてくるカーブにエロさを感じますが、この色とナリで下膨れのパーツはやはり…生理的に受け付けません。和服振袖のコがきゃいのきゃいのしてくるなら、多少下膨れでもサムズアップでOKなんですが(蛸殴)。 |
|
博多南で1枚。取りあえず撮りましたよ、以上の価値観が感じられないってのは、日常感覚として正解としても、非日常としたらガッカリ感しか残りません。 この形式、JR東海と西日本で細部まで同仕様となっており、型式番号などに違いが見られる程度ですが…チャイムとか地味に違ってましたね。 |
|
さて普通車。明るめの室内灯に白色系化粧板、荷物棚も低コントラストなカラーリングなので、座席だけが際立って見えるようになってます。 JR東海「らしい」造り方だなぁ、と思わされる次第。 |
|
先頭車2人掛席。窓側席(A・E席)壁面下部と、車端壁面席ではAC100Vコンセントが利用できます。テーブルもパソコンを想定した耐荷重タイプになっていますね。 コンセントの設置位置が、内装パネルを仕切中間として博多側に寄せられているため、上り方向での乗車時は足元のジャム感が感じられるかも知れません。 座面横幅は従来より10mm広がった440mm。窓側への詰め具合と、アームレストなどの張り出し系パーツが前にも増してソリッドになったため、横幅感は差し引きおあいこに見えます。内装パネルの形状改良なども垣間見えますが、数値上のスペックと実際のフィーリングの乖離感が残念です。 |
|
3人掛席。座面は新開発の複合バネによって、300〜700系の着座感とは趣を異にしています。経時と共に、何となくお尻の形状と合わさってくる(逆もまた真)ように感じられますが、デフォルトが硬め基調であることから、事務机のパソコンチェアに近い感覚に思えてきます。100系普通席の、あの感激を飛び越えるような新鮮さは見当たりません。 背もたれは、700系のそれより更に薄くなりましたね、形状はフィットするように工夫されていると感じられますが、質感というか硬さがダイレクトに伝わってくるほか、両側のバケットが見た目より誇張された感じ(上から見ると台形状の背ズリですから)に思えました。 先頭車座席は、その先頭形状故、客室・シートピッチにシワ寄せが来ています。所謂「300系配置」に基づく座席定員縛りの自縄自縛。1023mmと他車両より若干狭めになってしまっています。500系並みだ、と言われればその通りですし、JR東日本の新幹線車両に比べれば…とも思えますが、下を見た比較はあまりポジティブではありませんネ。 |
|
中間車全景。フツーに見れば先頭車のそれと変わりませんが、座席屋さんであればピッチの違いから来る視覚上の差を感じられるのではないかな、と思います。 |
|
2人掛席。車両構成上、こちらの1040mmピッチの座席に当たるケースが一般的ではないかと思っています。 車両軽量化のあおりを喰って、窓は小さくなってしまいました。閉塞感を持たれないように、ヘッドレストの位置と窓位置は工夫しているように感じられますが、やはり300系辺りの空間感覚からすると、壁面による眺めの途切れが気になります。 普通席は700系以来、先祖返りの感もありますが、リクライニングのレバー式が定着しましたね。一時期は猫も杓子もボタンタイプ全盛だったのですが、ボタンだと機構上アームレスト幅が詰められない為ではないかと。 |
|
3人掛席。ヘッドレストの張り出しは、R56以降の東海的デザインセンスに流れを見ることができる形状ですね。 何も無いよりはやや張り出した枕形状を、これ以上となると所謂可動式のピローになりますが、この辺は割と東海って保守的な会社ですよね、カラーと言われればその通り。 さりげなく、空調は700系の荷棚下吹出口のみから、荷物棚下に2口、左右の微細な調節ですがスポットじみた空調口が備え付けられました。これで多い日も安心(何がだよ…)。 |
|
11号車には車椅子対応座席もあります。通路側座席も跳ね上げができるようになっています。 |
|
通路部分はモノトーンな配色で貫かれています。ダメですよ、病院の待合室なんて言っちゃ。 全周ホロの効能か、走行中でも騒音は以前より目に見えて小さくなっているのは率直に感激です。 |
|
ドア部分。ドア上には監視カメラが設置されています。運用基準などが公にされていない辺りは、企業体質として少々どんなもんかと思わないでもありません。 |
|
11号車の車椅子対応トイレなどが集中するブロック。曲線大回転てんこ盛りって感じで、新幹線らしからぬ空間取りではないかと思います。 |
|
洗面台。洗面器下の形状がカクカクです。何かパーツが浮き上がってる感じがしますね。もう少しスマートに包み込むような形状でも良かったんじゃないかと思います。 |
|
そして、全席禁煙の為に設けられた喫煙コーナー。通路部分より負圧側になることで、煙が外側に出ないようになっています。 |
|
携帯電話全盛のご時世ですが、ちゃんと公衆電話も備え付けられています。但し、発信専用となったためか、列車名や号数を表示するインジケータが無くなっています。 |
|
さて、ようやくグリーン席に入っていきます。普通車より電球色が強調され、荷棚や床面にもブラウンのアクセントカラーが入るなど、直線志向のカラーリングが見えます。 ホテルを意識したデッキから入ると、グリーン車=上質空間を意識した色遣いが迎えてきます。荷物棚下のLED補助照明が窓ごとにホンワカとパネルを照らし出します。 700系と異なると言えば、座席も系統色の中に含められた点と言えます。700系と変わらないと言えば、壁面の電照広告です。ここまで来るともはや意地の世界(苦笑)。 |
|
ご自慢のシンクロナイズド・コンフォートシートと呼ばれるTR41/WRK247座席を験してみましょう。サイドアームレストのレバーを手元に引く時、ススッと座面後部がチルトして背ズリがリクライニングします。一見、R20系列シートや、JALクラスJシートのような挙動に見えますが、動線的には全く別物。フットレストから膝裏までの脚角度を変えずに、上半身だけを潜り込ませる挙動は久しぶりです。 そう、この挙動は決してまるっきりの新物ではなく、鉄道座席では久々と言った方が正しいかも知れません。JR東日本の183系DX編成グリーン席(R7/R37)がこの挙動を実現しているためです。なので、験した瞬間に得も言われぬ懐かしさを感じたのが私のファーストインプレッションです。両者で違うと言えば、R7/R37は僅かに座面が引き込まれる挙動となること。コレはシリンダ1発の機構的に仕方ない…。20年ぶりに再び脚光、みたいな(笑)。新開発なのはエアシリンダ2発を奢った部分にその重きを置くべき表現だと思います。 勿論、経時なりに形状や寸法、素材や機構自体の進化はなされており、ことクッションについては重量制限をくぐり抜け、Sバネの効用が再び見直されたのはよい傾向だと思います。背ズリを含めた挙動が上着の「たたみシワ」をできるだけ防ぐように工夫されている辺りは素直に凄いと思うばかりです。イロイロありますが、やはりこの辺は小糸工業らしい設計、と言えば良いと思います。 しょうもない発見と言えば、リクライニングレバーを前方に倒せば元の姿勢に戻るアシスト力が出るのですが、レバーは逆の方向に切ってもリクライニングできますヨ、多少の抵抗感は残りますし、逆の使い方なのでオススメしませんが。 |
|
付帯設備をまとめて記します。まずは、耐荷重仕様のみならずパソコン使用を意識し、引出機能を備えたシートバックテーブル。両サイドアームレストには小振りなインアームテーブル、無段階上下調節のフットレストにレッグウォーマーと見えてきます。 センターアームレストには健在ぶりを示すオーディオユニットとヘッドレスト脇にセットされた読書灯のためのスイッチ、そして先端部にはAC100Vコンセントが1席に1口ずつ。昔TV、今PCってことで、車内LANも使えるようになり、移動オフィスとしての機能性はかなり向上しましたが…正直、グリーン車内でせっせとPCを突くのはあまり似合わない光景ですネ。 造形的に見ると、先述のR7/R37との哲学的相似点が多いんですね、色遣いからフットレスト機構の新規性や、シートバックテーブルのちょっと凝った象りとかその辺。 |
|
車端部はどよ〜んと大きいテーブルが収納されています。この辺は700系と似た寄った、だと思います。 |
|
さて、外から中まで突き詰めるわ煮詰めるわで作った形式故、仕様変更なんて…と思ったら早計。実はグリーン席は早くもマイナーチェンジが登場しています。Z30番代の後半くらいからと思われますが、グリーン席がTR41から画像に出したTR42と型番変更されています。 神経衰弱的な間違い探しですが、ドコが違うか判りますか? |
|
答えはフットレスト。こちらがTR41のもの。フットレストを支持するフレームの間隔が少し狭めにされており、上から見るとチリトリじみた格好に見えます。上下ペダルとの切れ込みが独立しており、後部カバーには1席あたり都合3カ所のカットが入っています。 |
|
こちらがTR42。700系のそれとほぼ同じ形状に先祖返りしました。上下ペダルと、右側のフットレスト支持フレームが同じ穴からにょ〜んと出ているのが解ります。コストダウンと思われる仕様変更に見られますが、如何に。 |
|
グリーン車の洗面台などは、カーペット敷きで木目などを随所に貼り付け、雰囲気を醸し出しています。 |
|
走行中のデッキ部分などは、こんな感じ。アンバーの使い方の回答の一つだと思います。 |
|
車両選択に戻る>> |
座席データ | 座席クラス | 掛人数 | 座席形式 | シートピッチ |
普通車(先頭車) | 2 | TR64/WRK245 | 1023mm | |
普通車(先頭車) | 3 | TR77/WRK309 | 1023mm | |
普通車(中間車) | 2 | TR64/WRK245 | 1040mm | |
普通車(中間車) | 3 | TR77/WRK309 | 1040mm | |
グリーン(初期車・増備車) | 2 | TR41/WRK247 | 1160mm | |
グリーン(現増備車) | 2 | TR42 | 1160mm |