58系気動車(こがね) 最終確認時期:2010年6月

私は元グリーン車「グラシア」…そんなつぶやきが聞こえてきそうな地域ジョイトレ向け車両「こがね」です。ゴールドにホワイト、ライトオレンジとどこかのビール缶の如き塗り分けで土日を中心に仙台地区で活躍中です。

すでに数系統で車両が登場したハイブリッド気動車への置き換えが予定されているのか、どうも2010年中に運転を終了する模様。体験はお早めに。

車体は客室外設備が多くなったため、白壁部分が多く見られます。そのため、でっかいロゴがデーンと。脇のドアを見ると「ああ、国鉄車両だね」という根拠無き安心感が醸し出されるのは昭和世代のサガですね(笑)。

車内は床面のカーペットや、座席のカラーこそ変えられていますが、基本的なセッティングは登場当時のまま。変則1&2列配置で座席が並びます。

これのおかげで、座席指定時には席番表などでチェックしないとどの席なのか全く判らないカオスに陥るという罠があったりします。尤も、駅の「こがねふかひれ号」チラシには席番が掲載されているので、指名買いも割と安心。

窓側1人掛。台座はカバーがされていますが、円筒状の部分に大きな変更はありません。座席部分は全取り替えになっているようですね。

製造メーカーなどは不明ですが、ソデ体の割り切り形状や背ズリの寸足らずっぽさからして「いろどり」と同様に住江工業製でしょうか?

全展開した状態。以前見られたバックシェルや、特徴ある穴開きテーブル、オーディオユニットなどは無くなっています。リクライニングボタンも白い大型のものから新幹線などでよく見かける小さめの黒いボタンタイプになりました。

レッグレストは座面下部に収納されており、引き出すようになっている点は変わっていません。ただ、板面を収納する部分にあったスプリングクッションが見えなくなっていますね。

ナナメから撮ってみるとこんな感じ。座席座面下に回転用のレバーが見えます。この形状、引き上げてロックを解除するタイプですね。

元々、グループ・団体需要を当て込んだ車両なので、座席自体は45°刻みで6人分のボックス(1人掛×2・2人掛×2)を構成するように作られています。

全展開をさせてみるとこんな感じ。なんだかんだでグリーン席級のサイズの座席となっているので、座れば寸法的には満足納得だと思います。

肝心の座り心地ですが、背ズリはまぁまぁカーブが取れており、ヘッドレストの寸足らずが惜しいと思わされます。座面の扁平はレッグレストを前提とした感じであり、普通に使用するとしたら角度の頼りなさが気になります。

レッグレストの迫り出し量が1段ポッキリとなっており、このサイズで適合しない人はちょっとつまらない思いをするかも。

2人掛席です。テーブルはインアームテーブルとなっており、盤面は少々固めのものになっています。

両先頭車のさらに先頭部分は展望スペースのラウンジとなっており、列車の指定券を持っていれば誰でも使えるコーナーになっています。

しかし、土日の先頭部分は押し合いへし合いの奪い合い…進行方向後ろ側のこのコーナーに居るのがお気楽で良いのではないかと思います。

お天気に恵まれれば、こんな感じ。

客室内デッキ仕切り扉近く。以前の「グラシア」でクローズアップしたトイレ使用知らせ灯は変わらず、さらに非常ボタンや消火器案内のピクトグラムが豪華絢爛もかくや、といった密度で貼られています。

乗車した日、デッキ仕切扉は故障中となっており、手で開け閉めとなりました。

2号車には喫煙ルームが設置されています。

その反対側にはカード式の公衆電話コーナーもありますが…比較的山間部を走るケースが多い同列車では通話有効区間が…。

これから秋の紅葉シーズン、同系列車両としても「最後のご奉公」に属するカテゴリの車両となりました。

豊かな実りと海の幸を楽しみに乗るのも悪くありません。

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