209系電車(3000番台) 最終確認時期:2004年3月

八高線の高麗川以南が電化されて9年が経過します。写真はその直前、試運転中の209系で失礼しております。よく見ると、お尻の方でものすごい繋がりが実現していてシュール極まりないのですが…。

関東に住んでいれば今更209系の座席なんざ…と言ったところですが、つい先日からハエ63編成の4号車(川越側)の一角にACトレインの招待試乗でその姿を見せたモード可変シートが試験設置されています。左右で見るとその違いは一目瞭然です。

ある時はロングシートで、ある時はクロスシートで…と座席スタイルを変えられるのが特徴です。

画像はロングシートモード、定員7名です。これをクロスシートにするためには…

1・中央3人掛席が跳ね上がる。
次いで、壁際に収納される。

2・両脇2人掛席が枕木方向に回転する。
向き合いで固定・ロックされる。

3・両脇2人掛席後ろに隠れていたシートが出る。
ロングシート状態で固定・ロックされる。

これで、座席定員8名のセミクロスシートモードに切り替わると言うわけです。京急のツイングル・仙石線205系や近鉄のデュアルシートも真っ青の機構と言えます。

何故にこのような設備が川越・八高線で…?とも思えますが、川越電車区にはACトレインも所属している上、沿線の日進近くにはJR東日本の先端鉄道システム開発センターもあります。現車実験をするにも、万が一のメンテナンスをするにもここが都合が良かった、と言うことしか…考えられませんよね?何故ハエ63編成か?それは解りません(笑)。

ここまで来ると座席を制作したメーカーも謎ですが、座席自体の造作や電動シートの得意さなどを考えるとシロキ工業が有力と考えられます。

そのクロスシートになる2人掛席。よく見ると座席左ソデの後ろにロングシートになる部分が見え隠れしています。この部分については背面上部はE217〜E231のクロスシートで見られるパーツを流用しています。

肝心の座り心地ですが、あくまでも「フレームがきちんと動くかどうか」を検証する割り切りでしか無いためか、板そのものの硬さと酷さです。初代6ドアのサハ204を超えた、と言っても過言ではありません(事実、超えている)。

おまけにロクな傾斜角も取られておらず、姿勢が大層悪くなること請け合いです。あ〜せめてクロスシート部分くらい多少の角度を付けても動作に支障無いのに…。車体幅が幅広タイプであれば、中央3人掛席もサハ208くらいにはできたでしょうに…。

見た目には「アタリ」ですが、座る分には「大ハズレ」というジレンマを抱えつつ、今日も川越・八高線を往復していることでしょう(期間限定らしいです)。

車両選択に戻る>>