415系電車(1900番台) 最終確認時期:2005年6月

青い空に白い顔(?)、長距離通勤の混雑低減と居住性向上の期待を、何だか寸詰まった211系フェイスに背負って1991年に登場した415系1900番台です。

外見上は2階建てグリーン車のそれに両開き扉を付けたようなものですが、後に215系に繋がるデザインがちらちらと見え隠れしています。運用自体は時刻表にも明記されているので、1両こっきりの割に比較的容易に楽しむことができます。

(注:2005年7月改正から定期運用を外れ、2006年6月に解体となったようです。)

登場当初の2階席全景です。在来線の車両限界に迫った断面形状は2階建てグリーンで見慣れていますが、なまじ読書灯などのギミックが無いだけにその形がよく判ります。

こうしてみると判りますが、2階席は2&3の横5人配置となっています。

3人掛ボックス席です。ボックス間ピッチは1490mmと、それまでの近郊形車両のボックス席(シートピッチ改善車)のそれと変わりません。座席横幅は435mmを確保しており、この頃としては標準的なピッチといえます。

勿論、真ん中の席は肘掛もヘッタクレも無いのでキツキツに座ればそれなりの居住性です。勿論、日本有数の超混雑路線たる常磐線で座れた上にソレを言ったら贅沢とも言えますが…。

2人掛ボックス席です。普通列車・普通車にも関わらずカーテン、というところに設計当初の気合いというか意気込みを感じます(その実はこの窓に適合する引き下ろしカーテンがまだ無かった説、濃厚)。

階下席です。ライトベージュのモケットがイメージを変えています。階下は車体構造と横幅の関係から、端部の一部を除いて2&2配置です。

階下の座席も基本的に2階席と同じモノになっています。座り心地ですが、座面クッションは少々スカスカのように思えます。座面が外れやすい(ズレやすい)のはあまり誉められたモノではないと思います。メンテナンスの都合もあるのでしょうが…。

車端部はこんな感じです。ドア戸袋部分にロングシート3人掛、あとはボックスです。昨今の常磐線らしからぬ、徹底して着座にこだわった一品です。

さて、時は移り、最近乗ってみると車内はガラッと様変わりしています。2階席全景ですが、モケット色が変わっています。

3人掛ボックス席です。ヘッドレスト部分にあったビニールが取り払われています。

んで、2人掛席側。

階段近くの2人掛ボックスです。こうしてみると、肘掛は文字通り肘部分を置くだけのサイズしかないことが判りますね。

通勤用途が主眼なので、出入りを重視したらこんなモノなのでしょうけど…うがった見方をすればここを枕にされないようにしていると言う可能性も…。

階下席はグレーのモケットになりました。

ボックスはこんな感じ。手摺りは通路に干渉しないよう、通路側席のヘッドレストを切り欠いて、その形状をカバーするようにしています。

端部のボックスです。上の2階席端部のボックス席もそうですが、壁側の席はランバー部分の傾斜角度がかなり厳しくなっています。スペースと詰物の関係でしょうね。

運転席後ろはこのようにロングシートとボックスシートが混在しています。この辺に試作車の意味合いを持った車両の所以を感じます。

窓は戸袋窓なので、停車中は少々気まずい運転席後ろのボックスです。先程の端部席同様、少々背ズリが立っているのが判ります。

エンド側のノーマルデッキ部分です。

運転席後ろのボックスと同様の座席となっています。

土浦・水戸方向左側のロングシートは優先席設定です。この座席の為にわざわざモケットを設え、表地を縫製している手間には感心させられます。

なお、211系のような端部処理がなされていないので、ボックス席背面と接する部分が一番肩身が狭いように思われます。

関東らしい(?)車両に乗ってみたい、と言うことであればこれもそのサンプルと言えるかも知れません。一度はお試しアレ、2度は勧めません(殴)。

普通車照明、これはデッキ部分から見える所ですが、環状蛍光灯にFRPのフレームを被せています。何とも独特の形状をしています。

…で、ふと左上を見ると…。

(あの)常磐線に、あえて着席通勤を意識した意欲作として投入された名残がこの満席ランプ。座面感圧センサーと連動し、座席が埋まるとランプが点灯します。

見通しが悪くなる事も手伝って機能するはずが…その後、これが上手く運用された話は寡聞です。そういえば、近郊形2階建サロにもこれがありましたっけねぇ。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2ボックス1490mm