485系電車(ジパング) 最終確認時期:2014年6月

マルコポーロが記した東方見聞録に掲げられた黄金の国といえば、ジパング。そのイメージモチーフそのままの金色堂を筆頭に、寺社遺跡群が今は世界遺産として登録され、観光地としても国際的に売り出している次第。なお、東方見聞録のジパング説については文字通りの諸説アリという奴ですがいいじゃないですか、ロマンの欠片くらいはあってもさ…。

JRによるアクセスとしては、新幹線なら基幹駅は一ノ関駅となりますが、社寺へのアクセスでは在来線の平泉駅が玄関駅となります。土休日を中心として、アクセス用の臨時快速向けに造られたのが485系「ジパング」ですが…ええ、まぁ大人の事情でいろんなトコロからの寄せ集めを1本に仕立てちゃったタイプですね。

なんかこう、うっかりぶつかったら怖い人が出てきそうなカラーリングなのはこの際少しだけ右上に置いておきましょう。

この列車のポイントは1・4号車でして、元々は高崎エリアで和風ジョイトレに使われていた車両です。そのうちアップしますが「リゾートやまどり」への組成で余った先頭車をよっこいせと持ってきて改造した次第。だから、ああも凸凹してるんですよね…編成美的に。

ドアから入り、展望客室へのアプローチその1。壁面上下に大型ディスプレイによるイメージビデオが上映されるコーナーとなっていますが、いや〜このビジュアルに銀河鉄道999の機関室っぽさを感じるのは世代ですかねぇ(笑)。

もう片方は、下面のディスプレイがありません。壁面の手摺りもそれぞれで分けて作り付けられており、決して機器の不調で撤去云々というワケでは無いことが判ります。

展望車区画です。天井の照明は、タネ車の頃のまんまであるなど、必要最小限というか必要充分な改造箇所に留めている様子が伝わってきます。基本的な配置として、通路を中心としてそれぞれ窓側にベンチ様にシートが向けられています。

改造元の時代から荷物棚が存在しないことから、見付が開放的になっている反面、旅行カバン等を置く場所が非常に限られている(各席の足下か席の横くらいしかない)ので、新幹線などでアクセスする遠路客であるほど、結構厳しいことになるかも知れません。

窓は2席で1枚分がキレイに割り当てられており、この手の改造車にありがちな「しかし、目の前は、枠…窓枠っ!!」みたいなガックリ無念はありません。

仙台から盛岡に向けて後ろから1番〜となっており、C・D側が左側、A・B側が右側になります。余席がある範囲においては、日射と窓からの眺めのお好みでどうぞ。

さて、座席自体は臨時快速等では指定席で運用されるのですが、座席と言うよりベンチに近い設えです。

座面のクッションはワリとしっかりしてますが、背面のカーブがイマイチなのでしっかり着座できない感が拭えません。乗車時間に比しても、あまり良い座席とは思えません。アームレストも左右からの出入りをかなり意識しすぎて、肘掛けと言うより肘しか置けない勢い。

窓枠のテーブルは結構大形でしっかりしたモノになっているので、飲み物のボトルを置いたり、カメラをスタンバイしておくには取り立てて不足はないでしょう。

それでも、小ネタ小細工はあるんですね、座席脚台が1本足で通路側にタヌキさんの尻尾のごとくペダルがチラッと見えたので、踏んづけてみたら…そう、左右ナナメ固定ができるタイプになっています。

この機能は特に座席に解説のシートがある訳でもなし、JR東日本のウェブサイトでも紹介してないんですね、言えば良いのに。

運転席の後ろには、前面展望が楽しめるフリースペースがあります。2&2で2列の8名定員、勿論交代でお楽しみ頂くというコーナーであることは言を俟ちません。

シート自体は、お情け程度にモケット表地を張ったクッション性皆無の文字通りベンチ。つまり、長居無用ですよ、と言外のメッセージをなしている訳ですね。

それでもここを企画した人のファインさが垣間見えるのは、前列と後列で座面の高さが違っており、後列の視線干渉が緩和されている点にアリマス。

さて、中間の2・3号車は青森地区の3000番台から選抜した(?)電動車1ユニットを充てています。シート表地をリニューアルしていますが、外見以外は必要最小限の手入れのみとなっています。

いわば輸送力担当といった役割ですね。1人掛席は車椅子対応席となっています。

この辺の設えは、青森地区時代に確立したものなので、取り立ててと言ったところでしょうか。

2人掛席もしっかり残っています。座面スライド機構を併設した回転リクライニングシートであり、シートピッチは今となってはやや狭めの910mm。

快速列車とすれば、必要充分な設備と言えるのではないでしょうか。

改造タネ車の影響で、ドアがまるで違うこの編成。1・4号車はこーんな遊びゴコロのあるドアになっています。木目調のカラーリングが周囲との対比で視覚的に良いコントラストではないでしょうか。

2・3号車はこれまた青森時代のまんま。多分、ドアのカラーシートも変わってないですぜ、これ。

車両選択に戻る>>
座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通(中間車)2不明910mm