200系電車(グリーン席) 最終確認時期:2002年11月

東北新幹線登場以来の200系グリーン席は、重厚さでは今なお無敵説のあるR31です。大形のサイドアームレスト、ハッキリ隣とを分けるセンターアームレスト、航空機を思わせるシートバックテーブル…0系のR25以来低調だったグリーン席に格式と重厚感と言う言葉を持ち込んだ座席です。

取り立ててブレイクスルーという物ではなく、従来のノウハウの集大成的なものであると考えられます。今現在、このワインレッドの座席は存在していません。

私は撮れていませんが、平成元〜2年頃にR35に近いデザインの油圧リクライニングシートを装備したちょっとグレードの高いグリーン車も投入されていました。一時期、仙台駅にはそのモックアップがあったそうですが、当時まだ義務教育期間中だった私はとてもそこまで出歩けませんでした。

新車投入でデザイン的に陳腐化が目立ってきた、と言うことでモケットの張替が推進された時期がありました。そのころのバージョンです。よく見ると、窓側にあった小テーブルが撤去されています。

JR東日本がパターン柄のモケットを積極的に導入した頃、やはりモケット張替の波が訪れています。その時に張り替えられたのはこんな感じ。今現在も見ることができますが、主として廃車前提となった編成に居ることが殆どです。

2枚目のものとさほどの違いはありません。ええ。

座席のモケットは変わっても、車端の木目調の内装板はそのまま、隅用・フットレストも登場当時の姿をよく残しています。

リニューアル後、E2に近い全景が展開しています。照明こそカバー付きの直接照明ですが、電球色となって温かい雰囲気になりました。

ここ最近のいわゆる「リニューアル編成」のグリーン席はR31が撤去され、天龍工業YR140形が取り付けられています。E2量産車両に準じた回転油圧リクライニングシートで、相違点と言えばモケットの色が違うくらいしか感じられません。

200系にも少ないながらダブルデッカー車両が存在します。H編成と呼ばれる16両編成に2両組み込まれた車両がそれで、1階は普通個室・てもみん・カフェテリアなどがあり、2階にグリーン席があります。

100系のパクリと言ってしまうとミもフタもありませんが、100系の雰囲気が全体的にシックで落ち着いていたのに比べると200系のそれはよく言えば軽やか、ややもするとバブリー・ミーハー的な色彩とデザイン性を感じます。天井部分には内装パネルで知られるカイダックを使った意匠が施されています。

写真は禁煙フロアのものです。

こちらは喫煙フロアの全景。こんな小さめの画像をしても何だか座席の雰囲気が違うと思いませんか?

禁煙フロア、小糸工業製のR39です。グリーン向け国鉄形座席付番では、堂々の(?)ラストナンバーを飾りました。付属設備としてフットレスト・インアームテーブル・オーディオユニットがあり、登場当初の車両ではセンターアームレストに小物入れがありました。

そのほか、車内販売呼び出し(と言うか呼び止め)ボタン、読書灯などの付帯設備がありました。座席自体は全体的に丸みを帯び、ホールド性にシフトした味付けになっています。

通路を挟んで反対側のR39です。色違いなだけで取り立てて差はありません。

喫煙フロア、天龍工業製のR39です。スペック上は小糸製のR39と同じですが、細部に渡って相当の違いがあります。

まず、座席全体のシルエットが小糸製に比べて張り上がっています。ヘッドレストの形状の違いはパッと見にも明らかでしょう。次に、オーディオユニットが小糸製のそれよりセンターアームレストの先端に寄っています。

そして、シートバックの後部カバーとの境目ですが、小糸製は詰物のボリュームのせいか出っ張り気味なのに比べ、天龍製はシャキッとしています。掛心地にも差は出ており、小糸のそれがホールディング重視とすると天龍のそれはフィッティング重視と取れるくらいです。

通路反対側のR39です。

階段スペースの関係から、1人掛席もあります。R101と呼ばれています。経年も進んでおり、1人掛は回転機構にかなりグラツキが感じられます。

全国的に1人掛席は回転機構のロックピンが2人掛より安定しないのでどうしてもグラツク傾向があります。

隣のオットマンは後ろの2人掛席の通路側の人の為に用意されたモノです。

車端部はフットレストのみ、と言うシンプルなモノになっています。

100系G編成の1A・13-14Aや、V編成の1A・14Dのような半個室感覚のポジションはこの車両にもあります。

禁煙フロア(9号車)の1・14A、喫煙フロア(10号車)の1〜3・14Aがこれに当てはまります。使い慣れている人は、ここを指名買いするそうです。

階下部分の個室を隔てる通路です。100系のそれは車両の山側になっていましたが、200系では通路を中央にすることでバランスやアコモデーション配置について練り込みを見せています。

1人用個室のドアを開けると、ソファーシートの奥にインターホン・時計・照明・オーディオユニット・小物入れのポケットが機能的にセットされています。縦向きの空間をムダにしない合理的な面が垣間見えます。

車両の設計自体はバブリーなのですが、この辺は100系と対照的ですね。

座席自体はリクライニングなどは特にしないソファーシートです。使い捨てのスリッパが備えられています。この辺は「銀河」のA寝台に通じるモノがあるかと…。

前を見遣るとテレビデオ・ハンガー・オットマン・テーブル・空気清浄機がそれぞれセットされ、荷物スペースらしき段差が床面に見えます。この辺の機能的な面では100系のそれを大きく凌駕しています。

H編成ダブルデッカー車には階下(9号車)に個室があります。写真は2人掛個室の盛岡側。電動リクライニングシートのR102が奢られています。

10号車には車椅子対応リフトが備え付けられています。通常はこのようにカバーを掛られて、壁際に畳まれています。

10号車階下部分にはカフェテリアとフリースペースがあります。カード式公衆電話もここです。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
グリーン(初期形)2R311160mm
グリーン(張替1)2R311160mm
グリーン(張替2)2R311160mm
グリーン(リニューアル)2YR1401160mm
グリーン(H編成2階)1R1011160mm
グリーン(H編成2階)2R391160mm
グリーン(H編成1階個室)1R102----mm