400系電車 最終確認時期:2004年8月

新在直通運転車両として鳴り物入りデビューした山形新幹線。初めて乗ったときはどうしようもない混雑("正月フリー切符"にて)だったので「苦しい列車」というトラウマがあったのですが、その後に乗車率が落ち着いてきた頃、乗ってみてなかなかイイ列車だと言うことに気づいたりします。

でも、今でも土休日や連休などでは自由席が最混雑する系統の1つですね。

自由席、R53フレームをベースにした座席です。シートピッチ910mm、立席客を想定して山形・新庄方面に見た右列、ヘッドレスト横に手摺りがあります(量産車のみ…)。JR東日本はこの頃、指定席と自由席でシートピッチや座席の格を分ける傾向がありました。自由席と指定席を柔軟に分けづらい短編成列車、それも固定編成の典型例とも言える新幹線では自由席の両数を必要最小限かつ最大限の収容力を念頭に設計しており、その結果がこの座席に集約されています。とりあえず狭いです。ハイ。

どうでも良いことかも知れませんが、先行投入車(登場時、LED方向幕・スライドドアステップがあった)の自由席2両分ですが、980mmで座席を配置する準備工事がなされており、車両の窓を見ると1列(4人)分窓割りが異なっています。

ちなみに、量産先行車の登場当初の座席は651系のR60に類似したオリジナル品でしたが、後にこの座席に改座されています。

指定席。手摺りが無くなり、シートピッチも自由席より心持ち広く(980mm)なっているのが判ります。それ以外の差異は取り立ててありません。強いて挙げればリクライニング角度が自由席よりも深くなっていることが特徴でしょうかね…。

座席の座り心地については、100系車両のR53と流れを同じにするだけあって、前後幅以外は(笑)その差異をあまり感じません。1つ違うとすればシートバックテーブルの固定金具がスライドラッチになっていることでしょうか?普通のシートバックテーブルの場合は、固定バーが回転するようになっています。これの利点は清掃時にテーブルを元に戻しやすいことです。いちいちノブを回して固定しなくても済みますからね。

開業後しばらく慢性的な混雑が続いたため、後に増結を行っています。その増結車に装備されたのがこの座席です。座席メーカー数社を以て要求仕様を提示した上でコストコンペを実施、最終的に池田物産(現:ジョンソン・コントロールズ・オートモーティブ・システムズ株式会社。以下、JCAS)が勝ち取ったということだそうです(ん?決して誉めてないことになるか…笑)。

そして、これがJR東日本として初めて採用した座面スライド機構を持ったリクライニングシートです。よく見るとJCASらしく、テーブルフレームやアームレストのトップ部分、センターアームレストのカーブといった各部にJR九州の787系普通席の影がチラチラと残っています。

しかし、このころの座面スライド機構はまだ不安定要素が多く残っており、私が座った限りでも相当数の座席のスライド機構が上手く動いていませんでした。スライド機構の為かどうか判りませんが、座面がどうにも薄くて座り心地はお世辞にも良いとは言えないものです。

秋田新幹線開業後、山形新幹線にも距離延長による運用対応としてE3が増備導入されました。その頃から、新在直通車両のカラーコードを合わせるためか、外部の塗色変更が進むと同時に車内もリフレッシュが始まりました。

写真は先行投入車の自由席部分となっています。先述の通りで、片側に見られるはずの手摺りがありません…。

そして量産車の自由席全景。見ての通りで、片側座席にのみ手摺りがセットされています。

量産先行車の指定席全景です。モケットの色が取り替えられ、壁際の木目調化粧板もイイ感じです。

下の量産車と見比べると、まず床面の色が決定的に異なっていることが判ります。

量産車の指定席全景です。一見、上の量産先行車と見分けが付きませんが、よく見るとデッキ仕切扉が妙にカクカクしていることと、LED表示装置の取り付け位置が微妙に異なっていることが判ります。

仕切扉の窓ガラス形状についても量産車は純然たる長方形ですが、量産先行車は下部がやや丸く象られているなどの差異を見ることができます。

量産先行車の指定席部分、横から見ると窓枠形状に量産車との差異をさらに見いだすことができますね。

量産車の指定席部分、座席自体は量産先行車と同じですが、床面の色違いや窓枠形状の違いなど、ささやかな差に目が行くのも座席趣味的楽しみでもあります。

増結車のリフレッシュ後でございます。やっぱり、こう、回転ペダルやセンターアームレストにJR九州787系の影を感じずにいられませんね、やっぱり

普通車12号車には、車椅子対応区画があります。最もデッキ寄りの座席が1人掛、ということでその次の2人掛通路側の席はテーブルが…となってしまいます。

そこで、どのように処理をしているかというと…E351系普通席のソデ体を持ってくる衝撃の光景がそこにあります。いや、これは絶句でしたね…あきれてモノがイロイロ言えます(違)。

車椅子対応の1人掛席です。

その全展開状態。

400系には勿論グリーン車があります。1&2配列の3アブレストとなっており、ゆったりとした空間が提供されています。座席については、183系DX編成のグリーン車後期改造グループに採用された座席とほぼ同等の座席が採用されています。差異があるとすれば、シートバックテーブルが無いことくらいでしょう。写真はリニューアル前のモノです。

この系統のグリーン席、座席自体のフレーム重心も極めて低く造ってあるのですが、それ故に回転ペダルを踏むのが一苦労です(笑)。フットレストは、ラチェット機構で3段階に上下するタイプ。慣れないとちょっと操作にまごつきます。

こちらは1人掛の側、東北新幹線系統は午前下りは進行方向左側ですと日射が直接掛からないことと、普通車でも総じて2人掛側になっていることから人気ポジションになっています。この1人掛もその下り進行方向の左側にあります。ちなみに、奥羽本線部分に入るとこのサイドの眺望はイマイチになってしまいます(泣)。

山形新幹線に乗る時、行きがD席側・帰りがA席側というのが私のパターンです(笑)。

グリーン席もご多分に漏れずリフレッシュ対象になっています。まずは量産先行車の方、デッキ仕切扉の形状に注目。

量産車グリーン席の全景です。さて、注目するはデッキ仕切扉、ね。

リニューアル後の座席では、モケットがランダムパターンな横縞ベースに変わりました。そのほか、カーテンが普通車指定席と同じものにサクッと変えられています。通常のカーテンは、普通席とグリーン席で生地の質・模様・色が変えられているのが通常ですし、リニューアル前はそのパターンに沿っていました。

今回のリニューアルでは、普通席については自由席と指定席でモケットに見られるイメージカラーの違いによって、模様パターンは同じながらベースの色が変えられています。しかし、その普通席用をグリーン席でためらいなく使っているのは体の良い合理化と解釈できます。

全展開状態。ちなみに400系のグリーンは7番までありますが、E3系は6番まで。どちらの編成が差し変わっても良いように、マルスのシートマップ上では7番席およびC列がブロック(不可視設定≠調整席…この形式ではココが実質調整席か?)されています。

新幹線車両にも在来線車輌の様な運用ローテーションパターンが一応あるらしいですが、実際の張り付けは前日or前々日位にならないとハッキリしないということもあり、どちら(400orE3)が当たるかは当日の出たとこ勝負になります。

私は400系好みなので、此方が来るとホッとしますが、逆に1/7の確率でE3が来るとガクッとしてしまいます(笑)。

2人掛席です。このゆとりがグリーンの姿の一形態ですね。先行量産車のグリーンは当初、座席背面にTVが設置されるなど、かなり実験的な要素も持ち合わせていましたが、暫くして量産車と同じ座席に改座されています。

それでも、登場時から見ると経年が祟り、フットレストの上下ラチェット機構がかなりヤバ目になっている座席が多いようです。折り返し時の清掃の丁寧さは素晴らしいので、この辺のメンテも是非。

珍しくタテ撮り、元々このグリーン席にはスポット空調があったのですが、今は読書灯を残して塞がれてしまいました。E3のレベルに合わせるダウングレード、と行ったところでしょうか。

2人掛の方、取りあえず撮っておきました、と言うわけで…。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
グリーン2不明1160mm
グリーン1不明1160mm
普通(在来・自由)2不明(R53類似)910mm
普通(在来・指定)1不明(R53類似)980mm
普通(在来・指定)2不明(R53類似)980mm
普通(増備)2不明980mm