E2系電車 最終確認時期:2003年9月

長野新幹線「あさま」にデビューし、その後順当に活躍範囲を拡大してきました。1000番台も登場、暫くは北の新幹線の主力が約束された同車です。

普通席はシートピッチ980mmで回転油圧リクライニングシート(形式調査中)が並んでいます。この座席もR70と同様にスペースとの闘いを繰り広げた結果、3人掛の席についてはデフォルトで背面が垂直よりマイナス方向に向く「逆リクライニング」になっています。

写真で言うところのデフォルトが一番奥、着座体圧で真ん中の席のように角度が補正されます。この写真はE2の初期編成の物であり、今はブルーベース・レッドベースのランダムなスラッシュ模様が入ったモケットが主流です。

2人掛席(形式調査中)です。先述の如く初期バージョン座席のため、背ズリ角度が逆リクライニング方向に立っています。後の増備編成については、2人掛席は標準的なデフォルト角度で回転するようになっています。

肝心の座り心地ですが、曰く言われるカンパニーカラーとは打って変わって(爆)、よく言えば硬め安定・中庸な感じに収まっています。窓側の肘掛周りの処理もマル。そういう意味では死角の少ない座席です。これで東海道並みにシートピッチが1040mmもあるとかなりの物になったでしょう。

E2系の普通席は一見似ているものの、よく見ると微妙に違う3パターンを確認しています。上記2写真はその初期のものですが、テーブルの付け位置こそ同じものの、背面形状とアームレスト形状、座布団の張り出し量が異なっています。もっと言えば、リクライニング量も…ちょっと控えめに(笑)。

とどめで座席回転ペダルや脚台のカバー形状も違う…もうまさに「突っ込みどころ満点」です。

こちらその3人用。上のものと比べると、やはり違いますねぇ…。この座席の特徴としては、アームレストの通路側(ソデ体とはまた違う部分…)にビニルレザーを貼っているのですが、これがまたこらえ性の無いシロモノで、あちこち破れていました。この写真でもアームレスト下部にその補修跡が見えますが、これでもこの車両では損傷の少ないものを選びました(笑)。

E2系の普通車全景です。間接照明に特徴ある天井成形ですが、これと言って特段の不満というか妙なところを感じないのは新幹線的にまずまずの仕上がりではないかと思えます。

そして、YR112と呼ばれる天龍工業製の別パターン座席です。サイドアームレストの形状もさることながら、センターアームレストの形状も異なっています。それでいて、背面形状は一番上の初期車に近くありながら、テーブルの付け位置も形状も全く違う…と見る者を次々と幻惑させる微妙な違いのオンパレード。

YR111と呼ばれる3人掛席です。私の確認分だけで3種類、実際はもう1つくらい隠れていそうな勢いなのですが、メンテナンスって大丈夫なんでしょうかね?あまりに部品が微細化しすぎ、それでいて互換性が全く見られない部分ばかりなのですが…。

基本部分だけ仕様を定め、細かい部分はメーカー差異を許容するスタイルが209系で取り入れられましたが…要メンテの座席を多く見るに付け、その反動は存外大きいのではないかと勝手に心配しています。

YR113と呼ばれる車椅子に対応した2人掛席です。肘掛が上がるようになっており、E2で言えば最も盛岡・新潟・長野寄りの車両に設置されています。

その後席部分にはYR114と呼ばれる3人掛席があります。前席がYR113の為、C席部分が東京向きになるとテーブルが使えません。そこで、B席との間のアームレストにちょっと細工がされており、インアームテーブルが使えるようになっています。

…と言うことは、下り方面で乗った場合、A席の人はシートバックとインアームの両方が使える大当たり(?)席になるわけです。

この座席ですと露骨に出ますが、3人掛席は回転動作の関係で背ずりがマイナス方向に立ち上がります。そのため、実際に人が着座する場合は体圧でB席部分のように補正されます。

しかし、高齢者や小柄な方ですとここまで戻せないで使っている方が居ます。車掌は検札処理が要らなくなったのですから、この手のヒューマンサービスに力を入れるべきではないでしょうか?少なくとも私が乗った限りでそのような光景はありませんでしたね。

グリーン席です。こちらも形式による独特の主張が無いのが最大の特徴といえるかも知れません。室内灯は間接照明で、最近流行の電球色です。そのため、外から窓を見るとグリーン車だけ明らかに違うところが判ります。

写真は第1編成の為、室内所々のデザインに角張った雰囲気が見られます。

第1編成のグリーン席(形式付番無)です。ちょっと変わり種はリクライニングボタンがセンターアームレストに設置されていると言うことでしょうか。フットレストは新幹線300系(西日本)のWRK219と同様の台座固定パターンとなっています。しかし、フットレスト面が両面とも床面と同色なので土足禁止サイドが良く判らないのが失敗といえば失敗ですね。

座席自体は少々ブロックナイズされた仕上がりで、背もたれの両サイドと真ん中は別ブロックで構成されているような生地貼りがなされています。背面には上着かけがセットされています。そのほか、リクライニング時に座面がわずかにスライドします。

後期量産編成のグリーン席(YR115)です。リクライニングボタンはサイドアームレストに移り、ソデ体にもモケットが貼られるようになりました。最大の違いはフットレストが新幹線700系のような大型跳ね上げ式に変更されたことです。メーカーは天龍工業、この辺は良い意味で共通化と言ったところでしょうか。

そのほか、背面処理が一体化されて全体的な形状がややスマートになり、リクライニング連動座面スライドが無くなりました。座り心地ですが、必要充分のホールディングでいかにも新幹線のグリーン席ですが、これといった自己主張が見られないのはマニア的に物足りないと言った感じがします。

盛岡側には車椅子対応の1人掛席(YR116)がセットされています。

その全展開時の状態です。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通(初期)2YR094980mm
普通(初期)3YR095980mm
普通(後期量産・一般的なブロック)2YR112980mm
普通(後期量産・車椅子対応ブロック)2YR113980mm
普通(後期量産・一般的なブロック)3YR111980mm
普通(後期量産・車椅子対応ブロック)3YR114980mm
グリーン(量産先行)1形式付番無1160mm
グリーン(量産先行)2形式付番無1160mm
グリーン(量産)1YR1161160mm
グリーン(量産)2YR1151160mm