E4系電車(初期投入車) 最終確認時期:2001年9月

いろいろな意味で衝撃と波紋を呼んだE1の後継車両(?)がこのE4です。先代に負けず劣らず、独特のフロントデザインは物議を醸しました。しかし、未だオフィシャルキャンペーンポスター等で新幹線フェイスの筆頭に上がらないのはひょっとして…?

自由席2階部分です。こちらも良くも悪くも先代に学び、3&3と言う限界に挑んでいます。座席幅が広がらないところで、真ん中席(B・E席)が少しでも広く(感じる)なるためか、よく見ると座面の仕切幅が…激しく狭いです…両端(怒)。

コストダウンかデザインセンスか、それとも空調風洞などの為か、その直線的な空間デザインは座席と相まって狭さを感じてしまいます。

自由席の3人掛席です。リクライニングは望むべくもなく、典型的な回転クロスシート(この響き、昨今の特急用新製車で言うことになるとは…)になります。

座席傾斜角は先代とあまり変わらないのですが、ヘッドレスト部分の張り出しが何の捻りもなくそのまんまなので、余計強くなったように見えます。その一方では真ん中席にあった高野豆腐の如き収納式肘掛は無くなりました。無駄な考え休むに似たり(<ちょっと違う、それを言うなら…)ですね。

こちら、指定席部分の2階席です。座席色はE1の反省からか、お手抜き発想からか自由席と同じ(=2階席の統一カラーコード)になりました。個人的には合理的でスッキリなので、この方が割り切りやすいとは思います。

座席自体は座面スライド機構を併設した回転油圧リクライニングシートです。背ズリと座面の間に、従来はしっかりした渡し布が張ってあったのですが、この座席ではそのマジックテープ部分すら薄く、座席によっては剥がれているケースも見られました。そういう意味で構造の簡素化にはかなりの注力が見られます。しかし、客に見えるようじゃアウトなのは言わずもがな…。

その簡素化の象徴はセンターアームレストに集約しています。センターアームレスト後端がカッターでスッパリと切り落とされた様に成形されています。それだけならまだしも、上カバー部分だけがわずかに後ろに張り出しています。後期増備車では、ここに当て布をしていますが、その布もすぐによじれてしまって何ら機能を果たしていません。おそらく不測のケガなどを防ぐつもりなのでしょうが…実際にリクライニングさせて座ってみると、それはそれは十二分に引っ掛かってケガの危険箇所であることは間違いないと思います。これはこのままではヤバいんでない?

3人掛席です。例によって例の如く、シートピッチは980mmなので真ん中の席は回転時にフレームが干渉しないように背ズリはマイナス角度に、座面も両端より更に後ろに下がるようにできています。しかし、見れば見るほどに貧乏くさく見えるのが何ともはや…。

座り心地自体は硬め安定、形状的には身体にフィットすると思います。ただ、惜しむらくは横幅が妙に狭々しく、また肉薄なのでややもすると板にそのまま掛ているとも感じます。簡素化のあおりか、2階席と言うこともあるのか、前後方向での座席支持に難が出ているように感じます。ブレーキ動作毎に座席がグラグラに前後する様と音は不安まで行かずとも精神衛生的にマイナスです。

指定階下席部分です、重量バランスを取るために2人掛と3人掛のポジションが2階席と逆になっています。自由席も基本的に同じ造りで、この辺は設計の合理化と共にE1でのオーディオユニット取り付けと言った無駄な手を省いています。

Maxでは、眺望と指定席についてはある程度コンピュータで配分を行っており、東京・上野から乗車する場合、白石蔵王(仙台だったか?)以遠と手前で2階席割り当ての優先度が変わるようになっているそうです。勿論、遠距離乗る方が2階席に優先指定されます。

1階席部分です。窓が各席毎に個割になっていますが、窓キセの関係か、窓の大きさがあまりに小さくなっています。

こちら、車椅子対応席です。座席の脇に固定用ベルトが見えます。

席の前に何もない場合、1階席についてはこのような目隠し兼テーブル収納用の衝立が設えられています。尤も、目隠しと言うよりテーブル収納の方がメイン機能であり、その高さは隣の席を見れば一目瞭然です。

自由席部分には席からあぶれた人のために、デッキにこのような折り畳みのジャンプシートが設えられています。しかし、ここまでカタログ上の着席数に拘るのね…。

尤も、この席のは降りるときには非常に便利ですし、朝晩は利便を享受している人が居ると思うと複雑です。その場合でも、問題の所在は利用者ではなくサービスを提供する事業者に帰する視点は忘れてはならないわけであります。

いよいよグリーン席です。半間接照明の電球色トーン、2&2のハイバックシートはかなりの圧迫感というか重厚感を提供してくれます。

2人掛回転油圧リクライニングシートJT70-0-A01〜05です。鉄道座席メーカーとしては異色(?)の東洋シート製です。

東洋シートは本社が広島にあり、主に自動車シートと関連部品を造っています。さすがお膝元だけあって、マツダ車に多くの納入実績があります。このE4のほか、JR681系G席の一部、西日本113系のN40・転換クロスシートなどの実績があります。

ハイバックな背もたれは、角度可動式枕(初期は単なるピロー)があります。座布団はリクライニングと連動し、後方が数部に渡って段階的に沈み込むようにできています。リクライニング時の人体姿勢に迫った労作といえます。

座布団下からは最近の列車では珍しくレッグレストが3段調節式で設えられています。その代わりフットレストはなく、変わりにバーレストが置かれています。この辺は割り切りとも取れますが、比較的鈍足便に使われるコトを鑑みると、やはり日本のグリーン車としては靴を脱いで居られる方が有り難いように思えます。

喫煙グリーン席(8号車)には、車椅子対応座席がありそこへ上がるためのエレベータがデッキ入口に備えられています。一頃のダブルデッカー新幹線では階段部分に収納式のリフトがありましたが、それからするればデザインと設計の中に組み入れられている分スマートに見えます。

車両選択に戻る>>
座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通(自由・2F)2YM-076980mm
普通(自由・2F)3YM-077980mm
普通(自由・指定・1階・階下)2不明980mm
普通(自由・指定・1階・階下)3不明980mm
普通(指定・2F)2不明980mm
普通(指定・2F)3不明980mm
グリーン1不明1160mm
グリーン2JT70-0-A03/041160mm
グリーン(後期投入・第2世代)2JT90-0-A051160mm