E6系電車 最終確認時期:2014年6月

いつまでも、新顔できぬ、新幹線。

ミニ新幹線界隈にも新世代の波。山形新幹線よりスピード面の下縛りがキツい秋田新幹線に、E5系と対の関係となるデザインの新車・E6系、と言ってもこの記事のアップ時点で登場から3年以上経ってるという(苦笑)。

前面はこれでもか、と赤をドーンと大盛りに。誰ですか、なまはげそのものとか言う人は。

この前頭部形状のあおりで先頭車定員が減少することから、シレッと1両追加して7両編成になってるんですね。

普通席は、実りの稲穂をイメージし、通路があぜ道をモチーフとしている由。先頭車は列も少なめです。

ヘッドレスト上の握り手が左右それぞれに円弧状で配置され、ラインの統一感とアクセントになっています。

向こう側にデッキが控える仕切扉を前にすると、背ズリが横方向にかなり張り出しているのが判ります。

座席は回転油圧リクライニングシートそのもの。座面はオーソドックスですが、背ズリ中心線が直線的なラインの上、厚ぼったくなっており、両サイドの張り出しがE3系2000番台のそれより強く湾曲していることから、肩幅が広めな人は背ズリとの適合がイマイチです。ここまでエッジを立たさなくても良かったと思うのですが。

アームレストは腕を置くに自然なカーブが象られており、先端も握り込む掌形に合わせられた好形状です。しかし、数値上の座席幅を取るためか、全般的に壁面側へ相当詰められており、窓側席のアームレストはその恩恵に浴するため(というより、窓框が食い込み不可避なため)、リクライニングが前提となります(それでも正直どうかと思う)。

普通席全列でシートピッチが980mmに統一されましたが、フル規格側車両が世代交代によって普通席シートピッチ1040mm化進行中なのに引き替え、ミニ新幹線側は定員確保の背景もあるようで、この値が上限的に堅持されています。盛岡〜東京間でE5系との併結列車の場合、コチラへ指定されると、3列席特有の気まずさはないにせよ、数値面の居住性として劣ることは否めません。

東京から秋田まで乗れば、所要時間的には北海道新幹線区間(強いて言えば青函トンネル突入頃)と大差なく、田沢湖線内への直通客であればあるほど次第に理不尽感が出てくるのではないかと思います。

車椅子対応席の後列通路側席は、背面テーブルが使えない代償措置として、アームレスト先端に小テーブルがあります。

普通席のACコンセントは各列窓側に1つと、前後壁面テーブル下(窓側・通路側とも)に設置されています。また、上下可動の枕があり、この辺はお好みで上下させて使ってね、と。

例によって例の如く、車椅子利用を想定した1人掛席があり、画像のように量産車では通路反対側席(A席)も車内での取り回しを想定してか、1人掛席になっています。

あけすけに言うと、この1人掛席、回転の都合上やや通路側にズレて設置されており、両側のアームレストがナチュラルにイイ感じで使えるんですね。

車椅子対応席(D席)とその前列は介助者を想定し、一定時期までは指定ブロックが掛けられているのが通常です。

設計上の都合か、コチラの席も通路側にクルッと向くことができます。

デッキから通路部分は、ブラウンをベースに床・壁をコントラスト良く象っています。

所々、デッキ通路に面してこのような空間が見当たりますが、これ、使ってイイんですかね? 大きな荷物の時は活用したいところですが、荷物置場マークがあるわけでもなし…。

そして、仕切扉の中央窓下端に稲穂のレリーフが見えますね。

ドア部分。框のところに監視カメラがコンニチハ。

ドア脇にLEDランプが仕込まれており、ドア開閉時、注意を促すために点滅するようになっています。

いよいよグリーン車です。コチラはカラーテーマが海鼠釉のブルー、漆茶、ブナの色合い等をモチーフにしている由。

2&2配列で、普通席とどれだけ異なっているかと言えば、アームレスト分、2席で30〜40mm程度広いだけ。さて、座面横幅としてはどれだけ貢献してるんでしょうネ…。

座席自体は回転油圧リクライニングシートですが、フットレストの代わりに最近のJR東日本新幹線車両ではトレンドの電動昇降レッグレストが設置されています。

リクライニングのガス圧がかなり強めでレスポンスは良好。ただ、アームレスト形状がイマイチ直線志向過ぎるのはどうなのかな、と。また、センターアームレストがサイドより長めという辺りに、微妙にセパレータを意図しているデザイン感が伝わってきます。

ヘッドレストから背面は、ボリューム感あるムッチリ革張りとなっており、コートフックやシートバックテーブルの固定ラッチ周りの巻き込み処理、肩周りにエロさを感じるライン取りとなっており、E257系のそれに通じるデザインセンスというか、この辺、実に小糸っぽい空気感が漂います。

2人掛席の場合、センターアームレスト前面にACコンセントが1席1つで割り当てられています。

シートバックテーブルは、N700系車両でお目見えしていた盤面スライド機構が盛りつけられており、この辺のユーティリティはいかにも、な感じです。

少々残念なのは座面で、しっかり腰を後ろまで付けても、お尻から太もも部分へのクッション性がショボく、JR四国8000系グリーン席の如き平板とまでは言いませんが、ややペタンとした雑な感じを受けるかも知れません。電動レッグレストを設置した車両、どうもこうなるきらいがあり、メーカーさんには、もう一寸設計を見直しては頂けませんかネ?と思うこと多々。

そのほか、普通席と同様に窓側席はアームレストまでの余寸がかなり絞られており、グリーン席らしからぬ窮屈感を味わうことになるでしょう。カタログ上の座面数値を確保したかったのか、なにせアームレストが細い(笑)。これはいただけません。

先に述べた普通席との座席幅差違は、実質的にセンターアームレストが広い分の幅であり、背ズリ腰元部分の数値だけ見ると、普通席とグリーン席ってあまり差がないんだろうね、と言う感を1つ。加えて、座ブトン幅も、相当部分がセンターアームレストに喰われている計算になるので、実質幅は思ったよりないんだね、という点。JR西日本の381系「ゆったりやくも」普通席と同様、センターアームレストを軸にして両脇に着座ポイントが来るようデザインされており、これを以てプライバシー性を確保しようという、エクストラチャージを要求する座席としては姑息の域を超えない小手先ワザだなぁという感想以上は持てません。

グリーン席にも車椅子対応座席は設定されており、これもまた、他席より窓側から少し離れて設置されています。あと、量産先行編成だと太平洋側席はA・Bの2アブレストなので、やはり取り回しの検討がなされた模様。

東京向きで座る場合、前席の背面テーブルを使う際に、左右いずれかへズレているので少々違和感があるかも知れませんが、両アームレストが十分な余寸でシッカリ使える唯一のポジションと言っても良いかも知れません。

秋田行きの場合、テーブルは壁面の大形テーブルを使うことになります。

コチラも通路側に向けて固定することができまして、こうして見ると、この列の座席だけがアームレスト・背ズリ・座ブトンでデザイン的にシンメトリを保っている、ということが確認できます。

しかし、この色遣いをまじまじと見るにつけ、どこかで見たなぁ…と思っていたのですが、在来線特急時代の「たざわ」半室改造グリーン席で、最初に登場した世代の貼り替えモケットがこんな色調というか配置でしたネ。

グリーン席のデッキは、床面の色が普通席のそれと違う、ということで差違が確認できます。

車両選択に戻る>>
座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通1不明980mm
普通2不明980mm
グリーン1不明1160mm
グリーン2不明1160mm