183系気動車(グリーン席・ハイデッカー改座) 最終確認時期:2015年9月

JR北海道の特急グリーン席は、割と長いこと形式ごとの設計と言っても良いほど個々別々の展開をしており、良くも悪くもバラエティ豊かなのが特徴でもありました。

それでも281系気動車のグリーン席を標準かつ最低限のサービスモデルとして改座が進み、キロ9やリゾートシリーズのような例外を除いて大別すると、183・281系、283系、261・789系の3層に収斂しました。

その後、設備面の陳腐化、電源サービス提供、設備共通化による管理コスト低減が目的にあったらしく、183・281・283系で共通座席を導入する流れとなり、再び改座が進められたところです。

まずは1人掛から。改座されたグリーン席はオリジナルフレームですが、各所にJR・私鉄各社の血色を継いだデザインが見え隠れする、よく言えばいいとこ取り、悪く言えばキメラなものとなりました。

ベースカラーは茶系を地色とし、樹脂や金属の露出をできるだけ減らしたものとなっています。ヘッドレストは、283系グリーン席に近い大形のヨーロピアンタイプとなり、通路側の手摺りはJR北海道オリジナルの形状ですね。

電源は各席ソデ体のフロント部分に設置されています。また、布地で見えづらいのですが、ソデ体は穏やかに段の付けられたカバーとなってますね。

全展開の光景。リクライニングは油圧、読書灯がヘッドレスト内側に組み付けられてます。ヘッドレスト部のピローがかなり幅広でしっかりしているので、よほど意地悪に横を向かないと当たらない感じですが、寝込んで頭が左右にブレたらゴチッと行きます。この読書灯、もうちょっと付け位置何とかならなかったのかな、という思いは残ります。

テーブルは、JR東海のN700系グリーン席で用いられたタイプ、アームレスト先端にはJR西日本の車両で多用される折り畳み式のボトルホルダーがあり、JR東日本でよく見る前席背面ホルダーと異にしています。しかし、反対側のアームレスト先端カバー、ホルダー部の部材共通化のあおりで変なへこみや段差が残されており、この辺の詰めの甘さがマイナスでしょうか。

フットレストもペダル上下で無段階固定ができるもの、基本的に付帯設備を含め、自席で全ての制御ができる、手堅くまとまった設えと言うことができます。

ポイントとしては、テーブルやフットレストのアーム部分、「ふにょり」としたカーブ造形が見当たります。フットレスト盤面も後部カバーギリギリに設えられている点は他系列では見られないもので、コスト的にもわざわざこのような形状を取る必然性は薄いのに…と思ったのですが、281/283系のシートピッチが1145mmとやや狭いことから、その中での取り回しを考慮したものと考えています。

2人掛席は、横幅もたっぷりのなかなか迫力ある座席になってますね。目に付くところと言えば、センターアームレストのカバーが2つに分割されており、一応、個別の利用範囲を示した造形になっています。電源は、センターアームレスト先端やや下に取り付けられてます。

座り心地については全く心配をしていないコイト電工製(丘山産業扱いかも)ですが、しっかりした座面と良好なホールディングの背ズリ、長時間乗車でも座り直しをあまりしなくて済む程度で、さほど苦にはならないと思います。

シートバックテーブルについては、例のスライド機構もキチンと設置されています。

従前、183系気動車のグリーン席は車端のフットレストも、幅がやや詰められ気味ですがシッカリしたものが設置されているところ、今回のモデルでも通路幅との兼ね合いでややコンパクトかつ角度が切り立ち気味ですが、しっかり設置されています。

テーブルも、大形の折り畳み式のものが設置されていますね。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
グリーン1付番無し(コイト電工製)1160mm
グリーン2付番無し(コイト電工製)1160mm