40系400番台気動車 最終確認時期:2015年12月

私が鉄道図鑑を読んでた頃、1日1往復の列車と言えば清水港線と相場が決まっていたのですが、今日日の1日1往復はこちら。

札幌から早起き限定で行けるお手軽近郊超ローカル線、札沼線末端区間。学生時代に完乗していたのですが、「キロ9来ない日」の余波暇つぶしで行ってみたら待っていたのが、これまた地味に珍車400番台。

っていっても、検査以外だとこの区間の決め打ち運用なので、出会うのはそんなに難しくないと思います。

車内はナチュラルな40系気動車のそれ。ドア際のロングシートと車体中央部のクロスシートという一般型ディーゼルカーのアイコン的なまんまです。

強いて言えば、ロングシートの優先席部分の吊革が派手になってる位。

クロスシートは、国鉄設計そのまんま。モケット表地もいわゆる普通列車ブルーで、寒冷地向けの窓枠ですね。

今となっては膝頭が当たる向きもありますが、座席設計的にはシッカリ背面〜ランバー部分と、バウンス座面の黄金構成。奥深くまでガッツリ座ることを前提として、非常に手堅くできています。

当時、運用時間・距離で日本一だった2429Dも40系気動車で乗り通しましたが、うん、これなら何時間でも戦える、そう思える程度のなんですね。設計だけじゃなくて、周辺空間の冗長性というかその点も作用していますが。

排気ダクトの部分には片面クロスの区画もアリマス。

ほどよいヒキコモリ感で割と人気があるようですが、壁面がやや狭いことと、車体設計上の帳尻合わせ区画な感は拭えません。

デッキ脇は収容力を高めるためにロングシート区画となっています。

新十津川側には優先席区画も。

色は少々くすんだラベンダーパープル、床面に優先席であると知らせるシートが貼られています。

デッキに出入口があるトイレ区画。ここまで、国鉄設計の様式美。

出入口は1段ステップのもの。

ワンマン対応なので、車内に入ってすぐの整理券発行機が目に付きますね。

そして、ドアの緑色が400番台の印。

札沼線は札幌近郊ではかなりの積雪エリアに位置しており、こと冬季は駆動軸を増やしたこの番台が専任となります。つまり、ラッセル役兼務ということ。

札沼線は下半分こそ学園都市線という愛称を付けられ、旺盛な旅客需要があるものの、上半分は1日の輸送人数が500人を割り込む超ローカル線を体現した閑散線区。

JR北海道の最近の情勢からして、鉄道維持困難路線として早晩廃止あるいは運営主体の変更などの方針が不可避と言われています。

比較的頑丈で長持ちとされる同系列ではありますが、車齢で見ても35年を超えており、路線処遇ともども、今後どうなるかは目を離せません。

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