781系電車 最終確認時期:2002年7月

幼い頃に持っていた電車図鑑には「特急ライラック・寒い北海道で走る電車」としてこの車両が登場していました。本格的な酷寒地用特急電車として収録されたということでしょう。本州では見受けられない重装備感と違和感(笑)に一度は乗ってみたく思っていました。

念願叶って乗るチャンスに恵まれたのは大学2年の夏のこと。この頃、北海道の特急事情は激動期を迎えており、781系は旭川〜札幌間のエース特急から、新性能特急車の後塵を拝すだけなら兎も角、ドアの増設工事を受けて快速エアポートにも遠慮無く充当される汎用車へと生まれ変わっていました。昔、無性にあこがれていた彼女に久しぶりに出会ってみると…ってな感じでしょうか(笑)。

写真の編成は試作車編成となっております。勿論、普通の量産編成にも乗ってるんですけどね。

勢い乗り込んだ眼前に展開されるはR51Cの列・列・列…ロックの効かない初代R51、折角ロックを付けたのに振子によって不当な(?)貶められ方をした、R52の志を継いだ簡易リクライニングシートの最終進化形です。写真は登場以降、リフレッシュを2回受けた後の姿です。背面・座面に入っている横線は最初のリフレッシュ時に追加されたもののはず、おそらく上下ズレを防ぐためのものでしょう。そのほか座席厚みなどの改良が施されています。

JR化前後、キハ183-500番台を中心に普及著しかったR55A・Cとレベルを合わせるべく(と言うか通路側の席の気まずさを解消するため)、灰皿を肘掛の下に仕込みました。これによって肘掛がもの凄く分厚くなっているのが特徴です。悲しいことに着座すると脇が開いた姿勢になってしまい、疲れてしまいます。かろうじて評価できる点と言えば、脚台カバーが切り欠きになって足を入れられるくらいでしょうか?

JR化直後に行われたリフレッシュでは、座席カラーが黄緑+茶の縦縞ストライプという囚人服もビックリのカラーリングでした。その上、座席通路側には補助席が設置されていました。

新千歳空港連絡快速「エアポート」への充当、特急通勤定期券の発行などで「ライラック」は必然的に混雑率の高い運用に巻き込まれてゆきました。ドア付近の人口密度を下げて乗降時間を短縮する為に、デッキ脇2ボックス分を1人掛席に改座することとなりました。座席はアームレスト部にRS390の血を引いたオリジナル品です。ヘッドレストに手摺が付いているあたり、立席による利用のあることを黙示しています。

この座席、R51Cに比べて1人分の幅が広く、リクライニング角度も深いことから、デッキ脇ではあるもののプライバシー性も結果的に高くなります。そのため、自由席設定時は非常に高い人気を持っていますね。ただし、向かい合わせにすると膝がぶつかり合って、気まずくもどうしようもなく居心地の悪い場所でもあります(笑)。彼女と2人きりならそれはそれで(以下略)。

2人掛もこの1人掛も同様なのですが、テーブルが窓框と小テーブルのみになっており、モノの置き場が少な目でしょう。もっとも、この列車は通しで乗ってもさほどの乗車時間でもありませんが…。

ダイヤ改正により、781系は快速「エアポート」運用から外れ、本来の(?)「ライラック」メインに戻りました。その際、721系快速「エアポート」に設置されている指定席「uシート」に準じた設備を、と言うことで札幌側4号車が半室指定席の「uシート」とされました。

写真はuシートと自由席区画との仕切部分です。指定席側は座席部分のデッキをわずかにかさ上げし、通路幅が狭めになっているのが判ります。指定席部分は通路上の框部分にニュース提供用の電光表示装置が取り付けられています。

ここで表示されるニュース、ローカル色満点で結構楽しめるのですが、私の記述の如くで誤植雨あられな時があります。ニュースが見られると同時に国語力も試されるという大変知的な設備と言えるでしょう(殴)。

こちら、自由席区画のR55Cです。押しも押されぬ改座の定石なので今更、という気がしないでもありません。足下のカバー部分が斜めに設えられているのが特徴と言えば特徴です。色はライトブルーが軽やかです。なお、この区画は禁煙席となっています。

「ライラック」は「スーパーホワイトアロー」と並んで札幌〜旭川間のシャトル列車の性格が強く、自由席主体の編成となっています。禁煙自由席は1・2号車ですが、この4号車のこの半室も禁煙となっています。テーブルも大きく、ドア際の1人席が取れなかったらこの席を狙うのもイイでしょう。

ただ悲しいかな、3号車が喫煙自由席で換気が悪いせいか時々タバコの臭いが4号車まで入ってきます。換気や通風について再考していただきたいと思う今日この頃。

さて、uシート区画には大型荷物を置くための荷物棚が設えられています。いや、それだけですが…。

これが781系の「uシート」です。785系のuシートや283系気動車の新規増備車の席と同系統のフレーム(つまりはC-R66)となっていますが、シートピッチこそ785系uシートと同じで1050mmなものの、電源コンセントの無いことやヘッドレスト形状が小さめになっているなどが挙げられ、ややバリュー感に欠けます。メーカーは北海道標準の感もある小糸工業製です。仕上げが細かいところまでしっかりしていること、各動作部がしっかり作られているのはさすがです。

この列車の取りドク席と言えば札幌行きならuシート7番。後ろが自由席との仕切壁なのでリクライニングも遠慮要りません。荷物も少々置けますね。旭川行きなら2番席。1番席はどういう訳か取れませんでした。なるほど(苦笑)。

そうそう、この席にもuシート名物の感があるチケットホルダーがヘッドレストセンター側の背面に付けられています。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通(在来車)2R51C改940mm
普通(在来車)1付番無し940mm
普通(4号車自由席区画)2R55C940mm
普通(4号車指定席区画)2付番無し(C-R66類似)1050mm