185系気動車 最終確認時期:2001年3月

この気動車は元々四国に投入されたものですが、JR化後にその一部が九州へと渡りました。安造りなのか豪華なのかよく判らないところが最大の特徴かも知れません。

しかし、座席的に見るとこれほどややこしいシロモノはありません。九州に渡った当初はグリーン車もあったようなのですが程なく普通車にされて、今は全車両モノクラスとなっています。

昔、この車両に初めて乗ったとき(豊肥本線「あそ」)、先行普通列車がエンジントラブルで立ち往生、自分たちの乗っていた編成が併結の上で最寄駅までプッシュ運転した思い出のある車両ではありますが…久大本線「ゆふ」では、女性客・団体客にウハウハ人気の「ゆふいんの森」との対比を比べるとなかなか微妙な心境になってしまいます。

まずは運転台のある普通車からです。座席はR55Bがズラリと並んでおり、JR当初であれば平均的なアコモデーションであったといえます。しかし、気動車の悲しい性で、開放的な脚台下に様々なパイプや機器が露出しており、その場所にはカバーが掛られて脚が伸ばせない状態になります。

次に、運転台のない車両1〜8番席です。先ほどのR55Bではなく、RS390と呼ばれる九州では比較的メジャーなリクライニングシートです。一見R55系列と似ていますが、座席各部の厚みやガッチリとした造り、センターアームレストが付属しているなど、やや上級仕様となっています。

航空機で言えばエコノミークラスに対するプレミアムエコノミーくらいの差と言ったところでしょうか?昔、四国にこの車両があった時代、新幹線発生品のW12と大型固定テーブルが備え付けられていたというのは余計な蛇足です。

そして、10〜15番の座席です。ここは元のグリーン席となっており、先の2つの座席と全く違う趣を見せています。シートピッチ1160mmでR36Bが据え付けられています。大型の座席としっかりしたフットレストは国鉄特急の名残を連想させます。この座席のフレーム横面に3つのビス穴を埋めた跡があります。登場当初、ここには引き出し式の小テーブルが設置されていました。

国鉄時代、長らくグリーン席ではシートバックテーブルを付けず(と言うか付けられず)横引き出し式の小テーブルが設置されていました。国鉄としては最終登場グループとなったこの車両、シートバックテーブルが付けられてもなおかつ存在したという点ではある意味のアイデンティティだったのかも知れません。

今でこそ、特急とはいえ普通車にしては出血サービスのオーバースペックですが、惜しむらくはメンテナンスの悪さに起因する座席各部の機能性低下が挙げられます。画像でも判るのですが、背面テーブルのテーブル面が水平になっていません。今でこそ落ち着いたようですが、一頃は車内に跋扈するゴキブリさん対策で座席の下には某社製CPUそっくりの「コン*ット」が置かれていた時期もありました。座席を回転させたとき、無造作に置かれたそれを見て一瞬何が起きたかと思ったほどです(笑)。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通(先頭車)2R55B940mm
普通(中間半室)2RS3901020mm
普通(中間半室・元G席)2R36B1160mm