九州新幹線開業と時を同じくして、長らく走っていた急行は廃止。「くまがわ」は風合いと味わいそのまま(笑)、引き替えに(?)はるか別府から豊肥本線・肥薩線と文字通り「九州横断」をして人吉まで結ぶ特急が生まれました。日中の列車は人吉で「いさぶろう・しんぺい」と接続。観光特急としての性格が色濃く出ています…その割に結構地元の人が多く乗っていたりします。

このタイプのリニューアルは「あそ」「ゆふ」にも飛び火(殴)。現在、九州の185系は補助灯の有無など、若干の差異を引きずりながらも概ねこのタイプになりました。

車内全景です。木の風合いを活かしたカラーリングと、白メインの天井化粧板が目を引きます。写真の車両はヘッドマーク脇のライト付加工事されていないように、この室内改造は文字通り「流れ作業」らしいのです。

どうやら工場に入り次第ズルズル施行しているようで、しばらくは外観と内装のミスマッチが楽しめます…。

全景を後ろから見るとこんな感じ。座席のモケットカラーとテーブル天板の木がコントラストを演出しています。ややもすると天板のカラーが安っぽく見えてしまうのが残念。

リフレッシュされたR55B、アームレストにも木でございますよ…。モケットも詰物もしっかりしてますが、次出会う事があったらきっとボロボロになってるんだろうな…と。

テーブルはアーム固定部を残して全体的に天板が薄くなりました。このタイプは耐荷重性が全く考慮されていない(というか設計仕様上想定されていない)ので、ご注意を。

カーテン柄は九州にしては余り見かけない模様です。全体のトーンから浮いていると言えば何か浮いています。

「ゆふ」などで3連になると中間車(キハ186)が連結されます。

この形式の中間車、JR九州に移った後、普通席として運用されているのです…が、元々が半室グリーン・半室普通席という出自の関係で結構クセがあり、指定席になったり自由席にされたり禁煙・喫煙が数年スパンで入れ替わったりと都合良く翻弄されてる感があります。

今は両室とも基本的に禁煙指定席オンリーで運用されており、後述の元グリーン席区画は知る人ぞ知るお買い得空間になっています。

元から普通席区画の方は、1020mmというレアなピッチがベースとなっており、RS390に換装されています。

元グリーン区画に比べればピッチや座席の見劣りは否めませんが、先頭車のキハ185に比べれば80mm広め、座席自体もややがっちり目に造られており、座席環境だけで見ると穏やかに3クラスの中間というこれまたビミョーな立ち位置になります。

ご多分に漏れずミトーカリニューアルがなされており、両サイドのアームレストは木質カバーが追加施工されています。センターアームレストには、後述のR36Bも含めて未施工という辺り、通路からの見かけ上の配慮しか考えてないね、という評価。また、R55BあるいはR36Bのそれと同時期一括で導入したのか判りませんが、アームレストカーブと木質の加工が合ってないため、後端部が明後日の方向にジャンプ台のように飛び出た状態にあります。この辺、JR九州の荒っぽさというか後先見てないというか、大雑把な毛色が見え隠れ。

また、どうでもいい細かい点を挙げれば、壁面の折りたたみテーブルについては、ここが一番大きいという逆転現象が起きています。元グリーン区画の同じ部分と取り付け指定を入れ違えた、という観測も否定できません(苦笑)。

乗降口に近い側は側面方向幕装置の関係か、荷物棚がありません。そのため、壁面枕木方向に荷物棚が増設されています。

枕木方向の荷物棚がこのタイプの座席と同居するのは、割とレアケースですね。

リニューアルは中間車にもおよびました。元、グリーン席区画もこの通り、一般席区画と違和感のない設えに化けています。

R36Bも思いっきりリニューアルされています。定期ベースでは「ゆふ」のみに連結されている状態ですね。肘掛の上、さらに木板を貼り重ねてしまう辺りのセンスはタダ者ではありません。

それなのに、センターアームレストには何で両サイドと同じような加工を施さず、さらにスペーサー調節も怠ってダラリとした見付をやらかしてしまうのか、と思うと夜も眠れません(殴)。ああ、頭隠して尻隠さず。せっかくのしっかりとしたクッション感と詰物感の座席なのに勿体ない話です。

もっと言えば、一連の改装途中で、指定が変わったのか、床板の木版の貼り具合がこれまた変わってますねぇ。

「九州横断特急」では、洗面台片側を喫煙コーナーのボックスにしてしまいました(今は禁煙になったようです)。

ここ、空調が何処かで繋がっているのか、タバコ臭さが室内に流入してきたものです。