新幹線からの接続は特急に限る、と言わんばかりの勢いで増殖する南九州の特急群。

指宿枕崎線には、かねてから「なのはなDX」と呼ばれる(誤用的)キワモノ指定席併結列車があったものの、これを格上げする形で特急「指宿のたまて箱」がデビュー。

だがしかし、キハ200をキハ47で置き換えちゃう、というのだから車両性能的には下克上もイイトコロ。勿論、誰かがナニかをやらかして登場した車両なので…。

上から見ると、これ以上ないくらい見事なあ○ゅら男爵ぶり。指宿に向かって右半分が黒、左半分が白…。

でも、日射と冷房の効きを考えると、このカラーって逆の方が良かったんじゃない?

鹿児島中央から乗って、指宿側が1号車。濃いめの材を用いた車内となっています。天井は白色をベースにLED灯を用いたものとなっています。

座席の配置と種類がバラエティ多いのですが、リクライニングシート部分、両列とも向き合いのペアシートじみて見えるのは錯覚ではなく事実。

類例はJR東日本251系普通席(既に撤去済)や、秋田地区の「リゾートしらかみ(旧青池編成)」などでも見られた造作ですが、後発が続かなかったり早々に撤去されたところから、その目論見は不特定多数が座る一般開放席部分では難しいことを物語ります。

2号車は、地元の材を活用した淡い木目調の車内。カラーリングとしては、こちらの方が軽やかでイイですね。海側に向けた回転シートも多めに設置されています。

両号車とも、運転席直後には次停車駅を示す電光装置(≠LED)があるのですが、途中停車が喜入のみなので効果の程は「?」。

席数が少ない上に全席指定ということもあって、(土休日は)指定が取りにくい列車でもあるのですが…いかんせん、この車両で自由席を認めると、立客が可哀想…シャレ抜きでよく揺れます。逆に全席指定制にした理由がこっちじゃないかと思うくらい。

2号車運転席直後には、ボックスシートが設置されています。シートピッチこそ広いものの、かなり立ち気味の背ズリや、扁平度の強い座面、張りの強い表地など、あまり着座条件としてはオススメできません。

通路側ソデ体、さりげなく800系新幹線車両のそれを流用していますね。

海に面する区間の多い指宿枕崎線にして、1号車・2号車共に設置された、ある意味目玉設備が海側に向けた1人掛シート。

元々のスケッチパースからすれば、もっと背ズリがニョッと伸び上がるハズだったのですが、後背部のソファー席から眺望が効かなくなると判断されたかバッサリ切られた格好になっています。

リクライニング機能はないものの、1人分の横幅であるとか、ナナメ固定などが(まだ新しいこともあるのか)しっかりしているのですが、やはり車両自体がなかなかグラグラ揺れるので、首の座りがエライ悪い状態になります。

そして、一応メイン(?)の2人掛回転リクライニングシート。885系のフレームを基本にしており、座面などの基本的な着座感は同じ。シートピッチが絞られていることもあるのか、リクライニング角度は浅めです。

1号車のソファー区画。和歌山電鐵で見掛けたパーツの組み合わせ…なんだか正直食傷…。

車端の車販準備やトイレエリア。この辺は「はやとの風」の頃とあまりデザインコードの変化は見られません。

目隠し暖簾の色柄が変わった、ってくらいでしょうかね。

入ってドア前にず〜んとそびえる手摺り(らしき何か)…舟の操舵輪のようにも見えますが、既に台座からグラグラ気味で、用をなしていないというのが実情。

ドア上の吊革を取っ払った代償だと思うんですけどネ。

2号車運転席直後、山側にはこんなソファーシート。

反対側には、チャイルドシートがセットされています。ドア近くにはベビーカーゴ…。

海側に面するとこんな眺めになります。このベンチ、サイズがもの凄く小さい上に、テーブル板面との間隔が狭いので、大きなお友達の着座は…ムリです。

2号車の海側に向いている1人掛席。表地のカラーは、数種類ありますので、どの色が当たるかは乗ってのお楽しみ。

2号車にあるソファーシート部分。和歌山電鐵モジュールの再利用みたいな空気を感じるのは触れてはいけない部分か。

手前のテーブルを見ると、脚が偏寄1本立ちになって、それぞれ右と左から入りやすいようになってます。…が、肝心の盤面が入る側にせり出すとか矛盾してるんだよナァ。

さて、2号車の陳列棚のどこかには玉手箱が隠されてるわけですが…地味に似た寄ったのギミックが多い中、探してみるのも悪くありません。

…先述の通り、ベラボーに揺れる車内ですけどネ。

ってなわけで、ストロボをオフって見るとこんな感じ。

でもさ、浦島太郎伝説って別に鹿児島に限った訳じゃないんですよねぇ…作品ベースとなった伝承では、住吉沖(大阪)なんて記述もあるし。ものの本に拠っちゃ、沖縄のニライカナイも混ざってるとする説だってあるくらい…。