58系気動車(あそ1962) 最終確認時期:2009年10月

非電化の主役の感もあった58系気動車のグループ、全国至る所で目にすることができたと思っていたのですが、最近になってあれよあれよと世代交代による退役が進み、九州でも65系気動車と共にこの形式としては絶滅寸前まで来てしまいました。

そんな車両も「そのもの」が売り物になってしまうのか、単に「らしい」車両が払底しちゃってるからヤケクソで起用したのかは定かではありませんが、熊本から阿蘇の中央部、宮地まで週末を中心に「あそ1962」の名で地域ジョイトレ的な使われ方をしています。

塗り分けは見ての通り、いわゆる水戸岡テイストですね。見慣れたというか、食傷というか、セオリー通りですね。

真ん中の金帯、車両中央で…あらら、リボンっすか。

車内は(当たり前ながら)オールクロスシート、ボックス席が整然と並びます。床面は木目張りと、微妙に退化というか先祖返りというか…。

ノスタルジーを感じる車内を意図したとのことですが、照明はちょっとさっぱりな蛍光灯です。いや、1962年製造ならもう一般的なんですけどね、別に無理矢理白熱球にする必要もありませんから。

ちなみに、こちらは2号車。1号車はもう少し明るい赤をベースにしています。

座席は、急行用ボックスシートでも前期型のフレームによるボックスシートです。肘掛が少し華奢に上反っているのが特徴です。

さて、座席は表地を水戸岡チェックなカラーリングでまとめているだけですが、改造にチョンボ。窓枠の下の部分に木製の台を意識したパーツが組み付けられているのですが、これが窓側席の着席時に出っ張りすぎて肩から上腕部に食い込むように飛び出してきます。窓側席で肘掛に腕を乗せ、景色を眺めるのにどうも邪魔になるんですね。

デザインされた方は、自著でボックス席に延々揺られた原体験を披露されて居られますが、そのワリにボックス席で座る時の視点が抜けた「あれ?」な改造デザインであります。勿論、原形の58系気動車の窓側はボックス中央部に大型のテーブルこそありますが、斯様な邪魔にはならないように造られています。国鉄設計とは、実は、座る側の目線や動線が盛り込まれてつつ、ギリギリまで無駄なく簡素化されていることを示す例でしょう。

さて、この車両には人間様以外にも別の荷物をオフィシャルで持ち込むことができます。自転車の図柄が描かれている通りですが…。

この設備は2両編成にしてどちらにもあります。

自転車をセットできる金具が見えます。ここは、半分がフリースペース、半分が自転車固定用のスペースになっています。

自転車持ち込みについては、事前に「みどりの窓口」で持込用の整理券を発行して貰い、指定の場所にセットすることとなります。このため、熊本駅はじめ指定停車駅では自転車をホームまで持ち込むという(全国各地で試行されつつありますが)ちょっと奇異な光景を目にすることがあります。

乗車日、1号車はこんな感じ。サイクリング用の自転車が何台かセットされていました。

仕切り部分は木版、通路部分は暖簾になっています。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通4(ボックス)----1490mm