71系気動車 最終確認時期:2003年9月

1989年、九州で凄いデザインの気動車がデビューしました。その名も「ゆふいんの森」。この頃、知名度が急激に全国区になった温泉地、湯布院へのアクセスを念頭に置いた特急車両です。

運転形態こそ臨時になったり定期になったりと何だか妙に不安定ですが、その運転ポリシーはJR東日本「リゾートしらかみ」のような路線・地域単位の価値を体現する一種の会員制列車の趣を先取りしたものと言えます。

座席はオリジナルで重厚感に溢れた回転油圧リクライニングシートとなっています。シートピッチは960mm、登場当初は板状のフットレストでしたが、1回リフレッシュを受けており、その際に787系と同様のTバーフットレストに改められました。

グループ利用を想定した設計になっており、向かい合わせにしてこのように壁面に収納してある大形テーブルを出すことも可能です。このほかに、インアームテーブルもセットされており、様々な利用形態に対応できるようになっています。

この気動車、足まわりを65系・58系気動車から持ってきている関係で、1・4号車がエアサス台車、2・3号車がコイルバネの台車です。一般的には1・4号車の方が良さそうに見えますが、軌道が脆弱な場合、一定なトーンの振動を程良く伝えるコイルバネも捨てたモノじゃありませんよ。

さて、座席ソデ体と後部カバーの接続面に、このようなゴムブロックが取り付けられているのはお気づきでしたでしょうか?一見、何の役にも立たないように見えますが…答えは最初の写真に隠れています。

正解は座席が進行方向に向いている時点で、壁面の大形テーブルを出すとスペース的に前席の人がリクライニングを全くできなくなってしまいます。そこで、テーブルが飛び出ないようにゴムブロックを取り付けて未然に「悲劇」を防止しているというわけです。

3号車の別府側、編成の真ん中にはこのようなミニギャラリーがあります。ただ、人を運ぶだけにありません。このような遊び心も大切ですよね。

71系については、リニューアルのために一旦工場に入っていた時期がありました。その後、出てきてみると外見はあまり変わりませんが、内装はイメージをかなり787系BK編成に近い感じで手を入れられた+九州新幹線のプロトタイプが見え隠れする装いとなりました。

とりあえず、進行方向最前列の座席です。人気列車にして人気席ですが、特段団体枠などでブロックされることもなさそうなので、早めに席番指定でマルスを叩いて貰うことが肝心ですね。

じゃぁ、眺めが良いかと言われれば…ちょうど目の高さに前面補強用の桟が入っており、微妙に悪かったりします。その代わり、運転席の一挙一動はよく見えます(笑)。

室内は787系「つばめ」BK編成に近いイメージのリフレッシュがなされています。座席のモケットカラーも統一されました。

座席自体に変化はありません。座席表地の交換と、各部のリフレッシュがなされています。勿論、壁際を見ると判りますが、前席後端にテーブル引き出し阻止用のゴムブロックが健在です。

カフェテリア・売店部分です。ここを見ると787系BK編成のグリーン席デッキ部分とイメージが全く同じと判りますね。

かつて、ギャラリーだった部分は改造されて展望用のオープンスペースとなりました。大型の窓が2段に取られ、乗車記念のペナントが掛られたちょっとした記念撮影スペースです。

反対側は隣の売店で購入した軽食などを広げられるテーブル席になっています。

同じ場所のカットですが、このブロックの窓ガラスには引き下ろし式のカーテンが仕込まれています。その造りは、800系新幹線車両の座席モックアップで話題になったすだれと同じものがセットされ、あたかも800系のイメージを実車で試したような感じになっています。一度おためしあれ。

喫煙コーナーです。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2不詳960mm