303系電車 最終確認時期:2011年6月

JR九州は交流オンリーかと思えばさにあらず、福岡市交通局との相互乗り入れの絡みで直流電車もちゃんとおります。103系1500番台以来の投入となる303系電車です。

外観は独特のフェイス・強烈な塗り分けを除くとJR東日本のいわゆる「走ルンです」シリーズの様な軽薄な車両かと思いますが…。

車内全景です。オールロングシートは当然のこととして、ドアの赤と座席の黒、内装板のグレーが独特の世界を映し出します。かなりシンプルに見える車両ですが、ちょっと細かく見てみましょう。

ロングシートは815系のそれに端を発する壁面支持による完全個別座席になっています。ランバー〜背もたれに掛ての寸法は窓のサイズにとらわれず、必要な上寸を確保したハイバック仕様。

座面と背面の詰め物感というか底突き感、硬さとも言いますが、これが同じ程度で、芯はあれどコシが無く良い意味の弾力がありません。背面形状がほぼド垂直で、腰に上体重量がドンと乗っかる感じ。その上で、座ブトン部分は体圧分布など計算されていない感のあるもので、それなりに乗っていると鬱血感があるでしょう。

座ブトンとランバー部分が分離しており、ランバー形状が良ければ、この空間を生かしてお尻まで含めた良い着座姿勢が狙えるのですが、ムリのようです。

ドア脇の袖仕切部分には肘掛を明示するアームレストが設えられています。よく見ると、木なんですよね…地下鉄なのに…^^;。どうせならパイプ全体をカバーする程度にワタリを取れば、それはそれでアリですが、ちょっと短くない?

また、経年でけっこうささくれ立ってるような剥げ落ち方をしているのもありまして、メンテ下手の九州あるあるなダメ光景が見当たります。

車端部です。座席壁側がスッパリとしてしまっているのは残念です。余裕を持って座らせるためには、ここに窪みあるいは段差を設けるなどの必要余寸が必要です。

トイレは、103系の後ですが増設改造されています。

ユニットの設置向きが103系のそれと反対側になっておりまして、抜き取り設備の関係なのか床下配線や配管の関係なのか判りませんが、その後の305系でまた反対側に設置されるようになっており、経緯的に謎が見え隠れしています。

ユニットの形状は、車いすにも対応した九州スタンダードな台形で、ドア色は青になっています。出入りするところが見えづらくなるという解釈もできますので、まぁ、アリっちゃありなのかな。

また、車端部の壁面部分は木目調のシートが貼られています。乗り入れ先の福岡市交1000形のイメージに影響を受けた感がなきにしもあらず?

運転台後ろの壁はどーんと赤一色。

305系だとこれが白一色と、その振り幅の極端さがミトーカデザインっちゃぁ、そうなりますね。

ドア、とにかく真っ赤。停車駅案内図とLEDによる情報表示装置の2段構えは良い設備です。

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