883系電車(リニューアル増備車) 最終確認時期:2008年9月

883系、長らく7両編成と5両編成の2タイプがあり、JRとしても需給状況で編成を使い分けていたようですが、2・4枚きっぷなどの割引券の影響もあるのか、やはり5両編成では…と思っていたら、先日増結車が登場したとの話を聞きました。

で、めでたく全編成7連化されて、運用の枷が無くなった…と思いきや、なにやら増備中間車がただならぬ様子。

なるほど「めんどくさいので885系と同じボディで色だけ変えてみました」と言わんばかりですね。平成の御世にあって、ここまで編成美をゴッチャゴッチャのカオスに陥らせる中間車を造ってしまうとは、JR九州とはやはり恐ろしい会社です。

在来車にあったコルゲートが無くてツルンとしている差異の異様さのみならず、クーラー形状も床面高さも、車体裾絞りも違う…とこれまた凄い。大分駅のとある駅員さん曰く「885と883で中取って884って呼ぶ」のだとか。在来883系車体はステンレスですが、この車体はアルミ…。正式には「883系1000番台」とのこと。

車内全景ですが、座席カラーリングを除けば、まるっきり885系です。白ソニックと違うとすれば、化粧板の色がどちらかと言えば「白カモメ」に近いことでしょうか。

乗ってみると判るのですが、振動のクセが在来883系とは全く異なることが感じられると思います。静閑性はかなり向上していると思います。床下からのジョイント音や、その他騒音とされる音がかなり控えめに伝わってきます。

座席単品を観てみると、座席自体は885系普通席と同じフレームを使っており、恵まれた横幅などは全く同じです。違う点と言えば、座席表地がモケットとなったこと、まだ新しいせいか詰物も厚めになっていることでしょうか(というか、クタビレてない)。

座面奥の引き込みラインが革張りのそれよりハッキリ入っている感じもします。背もたれランバー部(下部)のカーブが少し強めに出ているように見受けられています。全般的に、以前の滑ってどうしようもない状態よりは居住性が向上していると思います。尤も、私としては787系や485系の方がまだ安心できるのですが…。

これが「ソニック」用であるDNAを感じるとすれば、アームレストのレザー部分の色が、白ソニック普通席のシートカラーのそれと同じである、と言うことくらいかも知れません。

この2両の増備車、車両中央部を境目にして座席色とモケットパターンが異なり、見た目上、都合4種類の座席が存在することとなります。上の座席画像はドットパターンのオリジナルですが、こちらは787系BK編成で登場した元ビュッフェ部分の座席の色違いに当たります。

座席も織り、と言うか模様の違いで地味に滑り方が違ってくることはありまして、私は上のドットパターンの方がお気に入りです。勿論、ビミョーな違いですし決定的に座り心地が変わるとは思えない程度ですが…。

デッキ周りのコモンスペースは、885系のそれをまんま引き継いでいます。ゴミ箱が大きくなったかな?とは思います。

壁面下部、ちょうど人の膝頭辺りにラインの如く入っているのは、振子揺動による「ワゴンだんじり祭り」から壁面を守るためのバンパーなんでしょうね…これは「白ソニック」「白カモメ」車内にも見られる設えです。

もう一方のコモンスペース部分。こちらはパンタグラフと台車を繋ぐ装置用の機器室が無い分、広めになっています。

その反対側はトイレ、手前が男性用で裏側が女性用となっております。

入口。客室側のデッキ仕切壁・扉が見えます。手前ドア内側を見ると、滑り止めのシートが縞状に貼られているのが判ります。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2付番無し980mm