185系気動車(アンパンマントロッコ) 最終確認時期:2016年11月

四国のアンパンマントロッコ、瀬戸大橋などのビューポイント以外や荒天時は、動力源であり、控車としてのキハ185車内で待機していました。普通指定席だったのですが、お財布事情もあったのか、リニューアルの際にグリーン車格上げの上で登場しました。

種別上は快速でして、岡山〜児島間はカツカツダイヤから逃げるようなカッ飛ばし方を見せますが、四国線内に入ると特に急がないノリ。その日、最後の運用では途中ポツリポツリと降車客の扱いを行い、のんびり高松まで行きます。

185系のグリーン席自体はキロハ車が存在している(た?)ところですが、格上げでかつ1両まるまるとなると、これが初めてになるでしょうか。

グリーンマークも、連続窓風のブラックライン上、ドアの脇に掲出されていますが、なにぶん派手派手なキャラクターラッピングの前にあえなく埋没している感は否めません。

車内は、アンパンマンとバイキンマンが並んだシートがズラッと並ぶ独特の車内に改められました。

主たる「お客様」は子供さんでして、背ズリが低め故、見通しが良いものになっています。ただ、荷物棚などはそのまんまなので、大荷物を持ち込むのは少々はばかられます。

売店越しにナナメから全景を。

座席は、従来のR55Bを撤去し、専用のボックス席を配置しています。ボックス間は1700mmピッチと、この手の改造車としてはやや狭めですが、やはりこれも子供がテーブルなどを使いやすくすることが念頭にあるのだろうと感じています。

また、表地もよくあるモケットや織物ではなく、絵柄がプリントされたレザー調のものとなっており、飲み物がこぼれてもメンテナンスが素早くできるようになっています。

残念なのは、座席形状がほぼ直角になっており、あまり長時間腰掛けるという形状ではありません。これは、アンパンマンの図柄の問題も絡むのかな?

カーテンにも、さりげなくキャラクターがプリントされているあたり、抜かりはありません。

運転台側のデッキ仕切扉は、アンパンマンキャラクターがこれでもか、と描かれています。

このボックスシート、縁の部分まで柔らかめのクッションが張られており、揺れる走行中でも子供がぶつかった時に怪我をしづらいような配慮が所々に見え隠れ。

この辺は、ゆうゆうアンパンマンカーなどで積み上げたノウハウが生きてるのではないでしょうか。

座席背面とデッキ仕切壁の間、ビミョーに空いている空間ですが折りたたんだベビーカーや、キャリーバッグなどを置けるような空間になっています。

特に、マークで置くモノを定義しておらず、その時その場で柔軟にやってくれ、という感じでしょうか。

ファインだなと思ったのは、通路側に滑り出ないよう、小さめの柵を作り付けてあるトコロ。

ベビーカーについては、売店の通路反対側に3〜4台分、たたまずに固定できるスペースがあります。

その反対側には売店スペースがあり、オリジナルのお弁当やグッズ等が購入できるようになっています。

デッキに出てみると、これまた壁面はアンパンマンワールド一色ですね。

通常のキハ185で洗面台に相当する区画は、多目的ルームとして、オムツ交換などができるように改造されています。

室内にも、キャラクターのカッティングシールが貼られており、キャラクターを見てれば落ち着く子への配慮も見え隠れ。

反対側はトイレになっています。

洋式化改造されており、子供用の座面アダプタも用意されているところは、主たる客層をふまえた検討と配慮がなされているな、と率直に思います。

改造がもう少し後だったら、温水洗浄便座になってたでしょうね(え?予算的に無理?)。

トロッコ車両の方は以前、ご紹介の通り。その後のメンテナンスや小改造はなされていますが、基本的なスタイルは変わっていません。

瀬戸大橋区間(児島〜坂出)のみ、この車両に出られるようになっています。

それ以外の区間では締切となりますが…この誰も居ない状態、運行時期・時間帯によっては、タダのミステリースポットや廃墟写真一歩手前のような、なんともトワイライトな雰囲気が醸し出されます。

大きく変わったと言えば、以前はアンパンマンワールドのジオラマがあった部分、記念撮影用のベンチを兼ねたアンパンマンのオブジェになっていました。

なお乗車当日の利用客は、自分を除けばたった5家族…それも軒並み途中駅で降りて行ってしまい、高松到着時は乗務員の方が多かったんじゃないかと…。

冬並みの寒さと小雨、おまけに高松行の当年度最終運行でしたから、そんなもんか…と。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
グリーン4人掛ボックス不詳1700mm