2000系気動車(量産車) 最終確認時期:2007年11月

四国に行って最初に乗ったのが、2000系気動車(量産車)です。制御機能付き振子とハイパワーエンジンで四国山地を縫うようにぐりゃんぐりゃんの連続高速体験、踏切を直前横断するトラクターに驚きの非常制動となかなかアグレッシブな走りを見せつけられました。

当時、まだ智頭急行を知らなかった私にとって、その走りと眺めは北海道以来の驚きの連続でした。

普通車は、2&2配列の4アブレスト、一般的な在来線特急車内によくある光景です。良くも悪くも平々凡々、デザイン的にエッジが立った部分はありませんが、その中庸さが安心感の裏返しと言えますね。

普通席です。JR四国は座席については型番指定などなく、図面番号はともかくとして「**系普通席・グリーン席」と言う形で呼び慣わしているようです。座席自体は回転油圧リクライニングシート、流行とも言える硬めバケットシートの黄金構成(笑)となっています。シートピッチは980mm。

背面側が白いFRPでカバーされており、この形をしてバックシェルと言われています。汚れ落とし以外のメンテナンスがあまり必要ないことから、JR化以降、オリジナル車両での採用例が多いです。

これも2000系気動車(N2000)の普通席。投入された年次によって、装備されている座席は微妙に異なっています。バックシェルではなく、どちらかと言えば8000系電車に近いと言えますね。バータイプながらフットレストも忘れずに装備されていますが、特に重しがないと跳ね上がるようになっています。

2〜3両で運行される列車では、自由席と指定席が1両に混在している場合があります。その場合、天井に仕切り用サインボードがあり、リネンカバーの色を変えるなどして区分けラインを明示しています。

アンパンマン区画となった普通席はN2000と同様のタイプに改座されています。累々リニューアルを繰り返しており、車両によって座席デザインに違いが見られます。

ドアを開けると、一面浮世離れ感全開の特別空間です。うっかり普通車から乗り込んだグリーン席の利用者は、ここを通過しないと自席に行けません。トイレにも行けない罠…。

ダメとは言いませんが、いやはや「ここまでやりますか!?」くらい徹底しています。偉いと言えば偉い。

しかし、右も左も前も後ろもアンパンマンづくめとなっており、これまた乗り手を(メンタリティ的に)選びそうな設備ではあります。

背面テーブルをパカッと開ければ、アンパンマンでおなじみのキャラがこんにちは。これは子供大喜びですね。

しかし、仕事での移動時、一般席に空きが無く「アンパンマンシートしかないですよ」なんて窓口で言われた日には…(苦笑)。

2003年4月、「南風」系統のグリーン合造部分の普通席に、突如独特な設備が登場。「スケッチシート」と呼ばれて区別されていました。

マルス上でも別口座に入っており、あえて「スケッチシート」と指定しなければ出てこない区画のせいか、普通指定席(ノーマル部分)が混み合っていても、写真のように貸切状態になっていることがあったものです。

現在は「アンパンマン列車」にすっかりお株を奪われてしまい、おおよそ5年ほどでその役目を終えました。現在は存在しない区画です。

一見すると、JR九州885系普通席を思い起こさせます。その実は、それまでの座席からモケット表地を取り払い、レザーで全体をカバーした形になっています。そのため、バックシェル部分がビミョーに浮き上がってるのはご愛敬です。

肝心の座り心地ですが、レザーが強めに張られ、その取っつきづらさ(摩擦の小ささ)はやや難が出るように思えます。せめてもの救いは、元々の座席がしっかりしていたモノな分、JR九州885系のような破綻した座り心地になっていない点です。

さて、スケッチシートはレザーの色によって2種類あります。そのもう一つがこの赤レザータイプです。座席色と後述する窓枠色は連動しており、黒レザー席は黄色いフレーム、この赤レザー席はウッド調フレームになっています。

いずれにしても室内の化粧板が白系統であった為、もの凄いコントラストになっていますが、個人的にはこっちの赤レザーの方が何となくしっくり来るように思えます。

赤レザー席です。座席自体は黒レザー席と同じなのですが、リクライニング角度が少々絞られています。別に設定上の格差ではなく、納入時期・メンテ上の関係など、様々な理由が考えられます。

気付いたこととして、一連のスケッチシート席はリクライニング動作が鈍いです。恐らくレザーが可動部分に張り出しているためと思われます。そのほか、壁面のマガジンラックの取り付け高さが黒レザー席とは異なっていますが、これは工場で施行した担当者の感性レベルの話でしょう。いわゆる、誤差の範囲と言う奴ですね(笑)。

スケッチシートの元々の設定は、大歩危・小歩危峡に代表される眺めをキャンバスに準えて楽しんで貰おうと言う意図で設定されました。

しかし、それも昼間の話。夜乗っても、その大画面テレビもビックリのフルフラットキャンバスに映るのは自分の顔、それも微妙に上下に引っ張られ、さながらムンクの叫びを常時鑑賞しているようなモノ。幸いにして、自らの顔を覗き込んで卒倒する悲惨な事故はないようで…(殴)。

画に描いた風光明媚からサルバドール・ダリも驚く前衛芸術まで、その幅広い芸術守備範囲を四国・高知で試すことができたキワモノ企画設備でありました…。

アンパンマン列車のグリーン・普通席合造車のデッキ部分には、乗車記念のアンパンマンスタンプ台が設置されています。ところがこれ、余裕個数がないようでして、車内据付ではなく「アンパンマン列車」運用時のみの取り付けとなっているようです。

松山で「(アンパンマン)宇和海」から「(アンパンマン)しおかぜ」にスタンプ台を引き継いだシーンを見たことがあるのですが、係員がデッキからスタンプ台を外して交換先の列車に移し替えている光景を見てビックリ…。

さて、半室グリーン区画です。1&2の3アブレスト、そのゆとりは相当なモノです。

かつては床面にブロックマットを敷き、多少の静閑性向上と靴音の軽減を図っていました。しかし、メンテナンスの手間に負けたか、最近は通路部分に模様こそ入っているものの、普通車と大差ない床面となりました。

1人掛席、日本発条の品です。頭までしっかり乗せられるハイバック、バックシェル、重厚な肘掛等々…全体的な影にJR東日本の651系(スーパーひたち)のG席を想起させます。

そして、これが全展開状態。「スーパーひたち」との違いを挙げるとすれば、フットレスト形状・アームレスト角度・ヘッドレストの張り出し量あたりでしょうか?座席脚台のグリル形状は非常に似ているので一瞬ギョッとさせられるところではあります。シートピッチは1170mmと従来の標準ピッチをわずかに10mm上回っていますが…しかし、普通車・グリーン車共に微妙にピッチが異なっているところは国鉄とは違うことをアピールしたいJRとしての意地なのでしょうか…?(んなアホな)。

こちらが2人掛席。センターアームレストは固定式になっており、1人毎の着席スペースが明確に確保されています。JR四国の特急グリーン席では、付帯サービスらしいものは無く(かつて、車掌が検札時におしぼりを持ってきてくれた程度)です。床もカーペット敷き(タイルカーペット)を取りやめてしまいました。ここは合理的と言えば極めて合理的ですが、決して安くはないグリーン料金を払う側からしたら決していい感じではないでしょうね…。

グリーン席は通り抜けによる煩わしさを考慮し、車両端部の運転席後ろに設置されていますが、運転席と客室の間には出入扉(デッキ)があります。せっかくの前面展望がダメになってしまわないように、デッキを突き抜ける感じで大きなガラス窓がはめられていますが、通勤・通学時間帯の列車ですとデッキに入ってくる人と目線が合ってしまい、なかなか気まずい物がありました。

車両選択に戻る>>
座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通(量産車)2付番無し(小糸工業製)980mm
グリーン1付番無し(日本発条製)1170mm
グリーン2付番無し(日本発条製)1170mm