189系気動車 最終確認時期:2011年6月

山陰本線に颯爽とウルトラマン登場…と思ってしまう前面デザイン。「はまかぜ」向け181系の後継車が登場しました。オールモノクラス3連を基本として、例外的に中間車を抜いた2連でも走れるのだとか。

通常は3連ですが、冬のカニシーズンや夏の海水浴、団体利用が入ると6連に化ける由。乗車したこの日もそ〜んな運用の戻り道で、4〜6号車は和田山まで乗客が私だけだったというミステリー(笑)。

しかし、よく見ると随所に181系の配置の面影や、特急をイメージしたカラーリングが施されており、スッパリ切妻な187系などがどーんとデビューした頃に比べれば、洒落っ気というか色気が戻ってきたかな、と思います。

大阪発の3連で見ると、大阪側1〜2両が自由席、姫路方面が指定席となっています。実際問題では、姫路で方向転換するわけですが、そこから先の方が所要時間も長いんですから、そっちを軸に記述した方が現実的には親切だと思う今日この頃。

181系のような車体ドテッ腹にドーンとしたエンジンルームこそ消えましたが、代わりにドア数が増え、トイレが拡充され、シートピッチが拡大したりで、181系時代より着席定員は少なくなっています。

先頭車同士がゴッツンコした時、ライトが点灯しています。無駄に見えますが、車両間転落防止のため、カバーが取り付けられない部分では識別と警告の意味合いでライトを点灯させているそうです。

じゃ、車内へ行ってみましょうか。まずは1(4)号車。自由席がメインとなります。

座席のカラーこそ異なっていますが、681/683系「サンダーバード」で確立されたデザインコードにかなり近いですね。

続いて2(5)号車。こちらも輸送力上等な座席だらけのルーム。

空調などは、基本的にコンピュータで制御されているようですが、実際乗ってみると車両によって結構バラつきというか当たり外れがあるようです。

そして3(6)号車。車椅子対応座席があったり、車端部分に大形トイレや洗面台を備えていたりで、少々こぢんまりとしています。

座席を見ていきましょう、座席はJR西日本テクノス製、1人掛はWRK129形座席を設置。車端部デッキに近い側に配置されています。

1人掛席、ロンリーな方にも人気があるのですが、予約規制解除はやはり以前から知られたとあるタイミングで行われるようです。

全展開するとこんな感じ。ドリンクホルダー代わりの、ナイロン製天板+プラスチック製ヒンジによる回転収納小テーブルと、ABS樹脂製の少々安っぽい背面大型テーブルによる2面が使用できる辺り、普通席ユーティリティはおおむね満足といったところです。

ただ、この小テーブルは固定感が悪く、かなりの確率でグラグラします。そのグラグラが前後方向だからモノを置くには頼りない、というより設計部分から見直して欲しい。

この形式でも、通路側をクルリと向いた状態での固定が可能になっています。この機能、同じフレームを使っているだろう他社では、考え方に違いがあるようです。

座席のフレームや通路側のヒラタケの如き手摺りなど、その殆どがアルミとなっており、軽量化がかなり図られています。この世代では、鋼が使われているのはソデ体〜センターアームレストにかけてのメインフレーム部分のみです。

着座左側のアームレストは可動式となっており、ハネ上げができるようになっています。

ということは、本来の用途の方が予約した場合は、このハネ上げができる側が指定される、ということでしょうか?

車端部席については、既に見慣れた大型テーブルとACコンセントのコンボユニット。

スペース上、ある種仕方ないのかも知れませんが、非常用の連絡電話がテーブルの向こう側…。

使う機会があるのも困りものですが、使う時はテーブルをバクンと広げてからカバーを開けることになります。

でも、前席がリクライニングしていたりしたら…ああ、ダメだこりゃ。

2人掛席はWRK253となっています。マイナーチェンジを経ていますが、座席の基本的なシルエットは681系のWRK223を源流としたシリーズです。

従来、気動車と電車は同じような座席でも床面への設置や、配管処理などで型番が分けられることが多いように見受けられますが、この形式では683系4000番台のそれと同じになっています。表地の色や織り方で区別を付けているように思えますね。

座席そのものとしては、まず腰回りの包み込み具合に問題があるように思われます。見た目よりも平板気味で、長時間の着座では鬱血感が残ります。ヘッドレストから背ズリ部分も見ての通りで、手摺りへの支柱を通すためなのか、分厚くなってしまい、その分、座面着座感などが犠牲になっているように思われます。

大量導入でコストを削減した効果も大きいのでしょうが、ポリエステル表地のやや安っぽい生地の風合いと相まって、681系や683系初期次数車の頃の感激は感じられない座席です。

車端部には、やはり大形の耐荷重テーブルとACコンセントのコンボユニット。気動車故なのか、給電能力には限りがあるようで…。

3(6)号車のトイレや洗面台周り、色使いこそ187系気動車に近いのですが、動線の取り方などはかなり見直され、無理なく配置されたように思われます。

トイレ個室内は、前後こそ長いのですが、左右が少々他形式に比べると狭い印象を受けます。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普 通1WRK129970mm
普 通2WRK253970mm