105系電車(0番台・ヤタガラス・3扉) 最終確認時期:2009年7月

私が学生時分に南紀へ遊び(2・3週間ドップリとか、そーゆー道楽者的な)に行った折、紀勢本線の普通列車と言えば165系3連が基本でした。紀伊田辺辺りであればまだ113系もチラチラしてましたが…。

しかし、同形式の引退によって、同線には2両で3両分の輸送力(いや、朝晩を除けば単に絶対輸送密度が…)と言わんばかりに105系が投入されました。一時期、白浜アドベンチャーワールド絡みで113系と共にパンダ塗装とか…もの凄い勢いでサイケデリックだったのが印象的です。

そんな熊野地域はめでたく世界遺産入り。利用者の輸送環境を改善する意図から、岡山方面から転属してきた105系0番台をリニューアルしています。

写真は貫通扉に八咫烏(ヤタガラス)が描かれています。神武東征神話で有名ですが、数あまたの観光客に一々先導してくれるかどうかは甚だ疑問であります(斬)。せいぜい古道を歩く時に迷わないようお願いしておく位にしておきましょう。

生きて戻れますように…(殴)。

車内連結面から運転席側を。カメラ・レンズのせいではなく、素でコントラストの乏しい車内です。明るいと言えば明るいんですが…。天井のちょっと変わった形状のクーラー吹出口が印象的です。

運転席側から連結面を。手前にワンマン整理券発行機・優先席区画が見える以外はあまりパッとしません。

天井には扇風機がしっかり残っています。最近の新型車両はともかくとして、在来車両においてリニューアル時に扇風機が消えているケース、風力が落ちているのは「髪の毛が乱れる」と言うクレームと聞き及んでいます。しかし、冷風を効率よく循環させるには、鉄道車両に限っては扇風機最強説を穏やかに唱えてみます。

ドア間区画のロングシート。従来のスタイルをそのまま忠実に受け継いでいます。着席区分も特になし。平凡と言えばあまりにも平凡です。

座席下、ドア側の非常用ドアコック横に換気用と思われるファンが見えます。そういえば、七尾線415系のクロスシート背面にもこのようなブツがありましたね…。

ラッシュピーク(あるのかどうかは別として)の詰め具合ではロングシートに分がありますが、この路線については観光客も乗ることですし、やはり一部分はクロスシートがあれば…と思う今日この頃です。特に橋杭岩などの名所を通るにつけその思いは一層…113系などでボチボチ廃車も出てますし…パーツ的不自由はないと思いますが?ダメ?

車端部の座席、まさに没個性の極み。だが、それがイイ。

貫通扉は分不相応(?)にガラスが下まで伸びたハイソでアーバンなタイプです。凝ってるというか何というか…。

新宮から見て串本・和歌山側には車椅子スペースが設定されました。以前のロングシート座面下のヒーターも潰さず、活用する方向性が好ましく見えます。

運転席後方の運賃箱・整理券番号表示装置周辺。元々の乗務員室を潰さず、かつドア位置を動かさずに機能させる為、このように「にょ〜ん」と延びた乗務員取り回しスペースが確保されています。

整理券発行装置。それぞれの乗務員室直後のドアに設置されています。

半自動モード時のドア開閉ボタン。夏も冬も活用するようです(この地域的には夏の方が使いでがあるんでしょうね)。

そして、先程紹介した扇風機は元々の仕様通りキッチリ残って「手動(ボタン操作式)」と相成りました。良くも悪くもセルフサービスです。

さて、このリニューアル最大の見所はN40的窓枠でもその妙な形状のクーラーでもなく、アコモデーション的にトイレ。ええ、決して500番台のアレや、岡山・広島・山口地区裏名物のフェイントトイレ(冷房装置ユニット)じゃありません。

ちゃんとドアがあります。取っ手もあります。車椅子対応です。コレを快挙と呼ばず何といえば良いのでしょう。

車両選択に戻る>>