117系電車 最終確認時期:2011年06月

2ドア・転換クロスシートのフォーマット的車両といえば、九州の66/67系気動車とともにこの車両は外せません。

しかしながら、東海地区ではすでに引退車両、京阪神エリアでも多くがロングシート混成のセミクロス改造を受け、0番台のオリジナルとも言える車内が残るのはかなり限られてしまいました。

まだ「(おっ)サンライナー」塗色が残っていた同車を、偶然撮ることができたのは今に思えばラッキーだったのかもしれません。

車内は一部の固定ブロックを除き、転換クロスシートが整然と並びます。

企画された当時の「私鉄各線に負けたくない」という思い、特急・急行との兼ね合いを睨みつつも頻繁な乗降に対応できるようデッキを省略し、座席定員を稼ぎつつも精一杯のアコモデーションサーヴィスを提供しよう、という欲張りにして地域ニーズへの思いが詰まった車内に思いを致す今日この頃です。

吊り手は後付け改造のもの。ドア脇の1列分のみ、国鉄的デザインコードであれば、吊り手はロングシート部分にあるもので、クロスシート部分に取り付ける苦肉の策ですね。手摺りもJR西日本の新世代車両で見られるタイプに交換されています。

一部車端は優先席区画になっており、ヘッドレストリネンカバーが目立つカラーリングとアイコンで示されています。

座席はR16、九州のキハ66/67で設置されたR15を改良したものとなっています。

改良型のR16Bと比べると、座面角度がハッキリ目になっており、形状も旧来のコイルスプリングにより中央が山となるタイプです。

背ズリもR16Bに比べ、ランバー部分がやや厚めになるよう作られています。逆に考えれば、R16Bはバケット形状を指向することで、背面はやや薄め、座面角度もフラット目で着座感を持たせようとしたということです。

国鉄のクロスシートデザインの観念で行けば、窓側にアームレストがある、というのは普通列車向けとしては格上の扱いで作られている、というメッセージであろうと感じています。

ドア脇は固定クロスですが、それ故に背ズリ角度などは理想値に近い形状で作られているのですが、座面にやや高いケがあり、腰回りでやや押し出される感が残るのは残念というか、この頃の座席設計では仕方ないか、みたいな。

戸袋窓で眺望には難が出ますが、割と早々とここが埋まっている感じはします。人気席の扱いでしょうね。

他線、またプロトタイプに当たるであろうキハ66/67ではドア脇をロングシート化していますが、経年や今後の車両計画的に今更そこまで手を入れるのもと思われたのか、転換席を1列潰してまで戸袋窓部分をロングシートにはできなかったというところでしょうか。

転換席と固定席を向き合いで撮ってみると一目瞭然というか、座面高や微妙な角度の違いなどがよく判ります。

各車両で一番人気だろうポジションがたぶんここ。

車端でやや揺れますが、固定席で最後尾、そして通常の側窓という構成。ただ通路幅の軛で、横幅が少し切り詰められているのは他の近郊形車両のクロスシート設計に準えられています。

この辺の柔軟な考え方は普通列車向けの思考が生きてるんだな、と言うところです。

壁面は木目調で、ぱっと見た目の落ち着き感というか格上感があります。

車端3列については、先の説明通りで、中央の転換席と他の固定席で横幅が異なるので、転換席の通路側アームレストだけが飛び出ているように見えますね。

ドアは両開きですが、113/115系のそれより新しい雰囲気はありますね。

車両選択に戻る>>
座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2W16910mm