213系電車 最終確認時期:2002年10月

瀬戸大橋線の開通と共に走り出し、新幹線連絡の使命も持つ典型的な都市間快速のマリンライナーとして活躍しました。高松方先頭にはグリーン車が連結され、日中の次号車は指定席となって限りなく特急に近い性格を持っています。時間2本の運行がなされていました、朝晩に限らず日中でも割と人が乗っていたように思えます。

今はマリンライナー運用を全て後継の223系5000番台と5000系に譲り、普通車は山陽本線の快速・普通などで活躍しています。グリーン車はそのあまりの特殊性からか転用先は未だ決まらず、このまま廃車の観測濃厚です。

つい先日、再訪した際には桃太郎塗装の車両がおりました。いや…そのどっピンクは凄まじいことで…。

上の写真とは撮影年月が異なるのですが、何気なく見ると変わってますね…停車位置(笑)。

近寄ってみるとこんな感じ。

普通車車内です。2扉転換クロスシートと、117系に範を取ったような内装になっていますが、ドア際や壁際も転換クロスシートになっており、ローカルローカルしていないちょっとおすましした印象もあります。

その代わり、と言ってはナンですが…ドア際のような人の目が付く場所でも簡単なパイプによる仕切となっています。

普通席はW16Bと呼ばれる転換クロスシートです。一見、185系のW17と殆ど差異はありません。近縁に117系100番台のW16Aというものがあります。

座面やランバー部分はバケット状になっており、転換クロスシートなりの座り心地の向上を意識すると共に、プライバシー性を意識した物になっていると考えられます。さりげなく洒落たビニルリネンが被さっていますね。

こちら、ちょいとバージョン違いのW16B。何が違うって、ソデ体に座席と同じモケットが貼られており、背もたれの厚みが薄くなっています。そのモケットも少々地がソフトな感じになっていますね。

え?窓の向こうに写っているのは何だって?そりゃぁ勿論(略)。

いよいよグリーン席です。座席自体は2&2の配列ですが、瀬戸大橋からの眺望を意識した天地方向に大きな窓とスポットライトによるライトワークが目に付きます。1時間足らずの普通列車による移動空間ながら、バブリーな中にも安らぎを感じます。

開通当初から、つい最近まではドアデッキへのアプローチ部分(戸袋部分)にホットウォーマーが置いてあり、おしぼりが使えたのですが今はありません。

座席自体は一見、平凡な回転油圧リクライニングシートとなっています。座席ピッチが前後のブッ飛んで長いのでテーブルはインアーム式となっており、リクライニング角度についても大した物と言えるでしょう。

ちょっと前なら冗談抜きで特急のグリーン席と言ってもそのまま通用しかねないクラスの豪勢なものに部類します。

さて、普通列車用ながらこんなにシートピッチが広いのは瀬戸大橋区間を意識してのことです。座席真ん中の座面下には引き起こし式のレバーがあり、これを引くことで座席は回転し、真横に固定することが可能です。

さらに隠れ機能として、センターアームレストの先端に少し目立つ色のレバーがあり、窓に対向する状態でこれを引くと通路方向に5〜10cmほどずらすことができます。これによって、足下の狭さを解消させるというものでした。

マリンライナー運用当初、座席はこの海側を向いていたのですが、今は進行方向向きがデフォルトとなり、この向きを楽しむためには前後の席のリクライニングを伺わなければちょっと試せません。

この座席は斜め固定も可能となっており、そのシートアレンジメントの変幻自在っぷりはヘタなジョイフルトレインに匹敵する物があります。

グリーン席は全席指定となっているので、マルスで運転席直後の席を指定すれば大展望が楽しめます。

2003年秋、ついにマリンライナーには新型車両が入りました。グリーン車については東海道本線で活躍している2階建て近郊形サロをベースに1000mmピッチで座席を配置するものと言われています。アコモデーションのスペック上からは事実上のダウンとなるわけですが、こちらについては現物を待つとしましょう。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2W16B910mm
グリーン2---1300mm