221系電車 最終確認時期:2007年6月

関西急電の正当後継ここにあり。JR西日本アーバンネットワークのコアとなる新快速を、文字通り「(並行各線と)闘う列車」にしてしまった凄い形式、という印象です。今でこそ新快速からは身を引いていますが、正直、今でも私の新快速のイメージはこれ。

経済性・編成柔軟性・デザイン・居住性…JR他社でも勃興した「転換クロス主体・近郊形3ドア車」において、激戦を押さえてのローレル賞。確かに、パッと見て近郊形なのに華があるよね〜と。

座席は新開発のWWK201形座席を910mmピッチで配置しています。この座席の基本的なデザインとスタイルは最近の新鋭車両にも引き継がれていますが、やはり良くも悪くもパイオニアの座席。

WWK203以降と比すれば、背面のランバー上部は若干スカスカの気が残念。カーブ形状が背中にしっくり来るはずなので、そこら辺が惜しいと言えば惜しい。座面はイマドキのより着座感が上です。こっちの方がヒップポイントが安定しているので良い座席だと思いますよ。

通路側・窓側両方にアームレストが設置され、通路側のソデ体デザインには、W16の血を色濃く感じます。窓側はW16に見られた支持枠が台形に形状変更されています。

ドア間戸袋窓と、車端部分には固定座席が設置されています。背ズリについては、転換クロスシートのような両面使用を考えなくて良い分、しっかりと造り込まれています。 座面角度との食い合わせも良好で、近郊形らしからぬ重量感ある着座感に感涙。惜しむらくは、なぁんで戸袋窓なんだかなぁ〜って位。

そして、窓側のアームレスト形状がまたイイんだな。113系辺りの近郊形ボックス座席にあったアームレストのシルエットと、特急向けのR51のアームレストを融合させ、さらにソリッドにしてシャープなライン取りでボッテリ感を見せないエロスを感じます。

過去、撮ってるなぁと思って探してみたらありました。確か1997年頃の撮影でしたっけ。この、窓側はW16の佇まいでいて、通路側のソデ体は専用設計になっている得も言われぬ空間に惹かれたものです。

無論、このトーンをして「たまらんです」と思うのは多分に座席趣味者だけと思うところではあります。よい子はマネしてはいけません。

3ドアだけど、中間車の座席定員は117系と同じ。無駄をギュッと削ったらこうなった、みたいな見本です。

ドア脇の立席にも配慮。寄りかかるなり軽く腰掛けるなり、117系だと単なる手摺りだったところに布当てが設えられています。これに近いのは、同系のモデルとも言われる近鉄5200系。ドア脇の収納座席ヘッドレスト部分が露出して、やはり当て布のような効果を演出しています。

トイレは、211系辺りから見られる近郊形によく見られるタイプ。まだまだ設計にバリアフリーの発想がおよびきってない頃のものなので、車椅子利用は対応していません。

そして、壁面には利用知らせ灯のみならず、LEDによる情報表示装置が設置され、時刻と共に沿線案内や停車駅案内、旅行商品の宣伝などなかなかイイ感じで使われているようです。

今でこそ車内での情報表示装置は、リアルタイムで動的に得られるようになりましたが、この頃は…そうですね、これがいかにも「情報化に対応した」って奴だったですね。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2WWK201910mm