415系電車 最終確認時期:2003年5月

最近、各地の土産物屋では当地限定の巨大お菓子がおみやげとしてすっかり定着していますが、実のところ鉄道車両もそういう意味で当地限定の楽しみがあります。さすがに持って帰れませんが…。

七尾線電化に備え、投入された415系800番台です。車両の来歴的なアヤしさもさることながら、車内のあまりにも面白すぎる改造の数々は座席的に変幻自在の趣を見せています。

車内は一見、タネ車の意匠を活かしているようで、その実、微妙に全く活かされていないセミクロスシートです。遠目にはちょっと判らないかも知れませんね。

クロスシート部分で全景ショット。よく見ると、まずドア戸袋部分のロングシートが有りません。次に独特の形状をした背面が特徴です。広島地区のディープな115系にも似たような見付を持つ車両が居ますね。

クロスシート部分。ピッチは従来のそれより大幅に広がっており、座席自体も新規設計品の個別着座を意識したバケット形状となっています。しかし、横幅が旧態依然なので座面形状が合わないとちょっと悲惨です。それでも着座感を意識した作り込みに努力を感じます。個人的にはランバー部分の弾力がもう少しあれば、これはこれでかなり楽しめる座席になるように思えます。ヘッドレストもしっかりしており、普通列車なら納得の装備です。

しかし、この車両がかつて急行として走っていたとなれば、話は別になると思われます。七尾線はディーゼル急行「能登路」が走っていましたが、その末期、わずかですが電化部分のみの運用にこの車両が入っていました。冷房こそ入っていましたが「3ドア・デッキ無し・普通運用の方が圧倒的運用数」な車両で急行料金では…ねぇ。今は特急が和倉温泉までガンガン入っており、ローカル輸送に特化しています。

車端はロングシート。ちょっと古いタイプのロングシートなので、座面角度が急になっている点を除けば何の変哲もありません。でも、昔はここに座っても急行…(笑)。

ドア側のソデ部には417系と同様にアクリルカバーによる風除けが付いています。結果的に、これがJR東日本209系シリーズの座席と同様、立客と着座客の暗黙の境界線としても機能しています。

金沢方先頭車にはトイレがあり、その対面については、スペースの関係で本来のフレームによるボックスシートが取り残されています。奥のアームレストが白いのは、ここが優先席だからとか…。ここに新座席が取り付けられなかったことが微妙にハズレ席感を際立たせ、さらに悲哀を感じます。

ゴミ箱は基本的に車両中央部にセットされています。サクッと消火器もセット済。

寒冷地になるので半自動機構が後付けされています。

そして、金沢方先頭車のエンドクロスシートの背面にのみ、どういう訳か小型ファンが付いています。車両のメカニズム的な部分についてはとんと知らないのですが…ヒーターなどの関係であれば全ての座席背面にあるわけで…う〜む。

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