485系電車 最終確認時期:2003年5月

ずいぶんと昔の光景に見えてしまうのが何と言ってよいやら。青森駅で発車を待つかつての「白鳥」編成です。正月の臨時増結でいつもより長くお届けしております。

しかし、JR西日本のボンネット車両(雷鳥)も先日、引退運転を行い、いよいよもって見られなくなってしまう光景に…。

こんな角度で撮るとボンネットのイメージが膨らみます。

一方では、北陸特急の活性化策というか、アコモデーションインフレの中でグリーン車のグレードアップも盛んに行われました。先頭車改造工事を行い、ある時は「しらさぎ」として、こんなお顔で運用に付いていた頃も…。

しかしまぁ、我ながらよくぞこんなイロモノ先頭車を撮っていたモノだと感心します。そして、中間車化改造された車両も撮っていた、というオチ。

そして2011年3月、ついにこのグリーン車も国鉄色っぽい塗り分けで(…としか言いようがない)、ラストを迎えることとなりました。

早速車内へ入ります。JR西日本の485系は比較的古くから改座・改造が行われ、かなりのバリエーションを持っています。写真は「白鳥」運用時に撮影したものです。仕切扉が交換されているのが判るかと思います。

回転油圧リクライニングシートの王道とも言えるR55Cです。背面のアンコ(詰物)は少々薄めです。「疑わしきはR55にしとけ」と言った改座鉄則を地で行く見本です。

そして、色違い(笑)。一連のR55改座大会については、法則性や施工時期による違いがあるらしいですが、そんな難しいことは私に聞かないでください。

んで、こちらは「しらさぎ」に入っていた頃のR55C。リネンが掛かっていないことでピンと来るかもしれませんが、この座席の撮影場所は青海です…つまりは開放サロ運用なのですがここへのアプローチのクソ寒いの何のって…凍死しかけました。

特筆すべきはこのリクライニング角度。「かがやき・きらめき」にはハイデッキ化した上でこの角度に拡大した編成は居ます。しかし、その場合シートピッチが1010mmまで拡大されています。いきさつ・詳細は不明ですが、何がここまでリクライニングを大きくさせたのか…教えて、偉い人(笑)。

勿論、ご多分に漏れずR51改もひっそりと生きています。焦げ茶のモケットになぜだかカバーが掛られて、その上からリネンと何とも過剰包装な出で立ちです。

489系の項で書いてますが、このR51改に設置されたシートバックテーブルだけはその構造を理解するのにアタマを焼き焦がしました…ああ、アタマ弱いですね、私(笑)。

「しらさぎ」に紛れ込んだ元スーパー雷鳥編成の車両です。モケット・座席背面カバーが取り替えられておりちょっと固めのモケットと相まってスタイリッシュです。床部分のかさ上げは70mm、シートピッチは1010mmに拡大されており、リクライニング角度も大きめになっています。

そして、またしてもR51改です。こちらは「白鳥」時代に紛れ込んでいたものです。座面がちょっと掬い上げるような「なんちゃってバケット」構造になっているところが萌えポイントですね。

いよいよグリーン席です。この形式のグリーン席もJR東日本の183系よろしく変幻自在、パターン多数のグリーン無間地獄でした。私も全種類集めている自信は毛頭ありません。とりあえず、かなり後期(というかおそらく引退まで)残ったモケットパターンの全景です。

座席自体はR27改となります。座席の機構自体はそのままに、座ブトン・背ズリをバケット形状に仕上げています。肉厚で重厚感はあるのですが、どうにも元型に引っ張られるので何とも「リンゴっ腹」なイメージがあります。

こちら、国鉄型グリーン席としてもリフレッシュ初期に属するモケット変更・バケット改良パターンです。このカラーデザインについては、ラフスケッチも趣味誌に登場しており歴史の古さを感じさせます(矛盾)。

仕様としては、先程のものとそう変わってないのですが、ヘッドレスト部分の張り上げを強調し全体的にバケットを志向したものとしての評価が残ります。

改造当初はサイドアームテーブルの裏面などに元のフレーム色であるグレーが残ったままなど、カラーコーディネートに問題が残っていたのですが、その後修正され、今は単体のデザインとすれば割とまとまったモノになっています。

こちら、485系の方に入れてますがひょっとすると489系1000番台の改造パターンではないか…とも思えます。同類項のように改造されたケースもあり、微妙なところですがこの妙にふくれた詰物改造は489系のリフレッシュグリーン席で多く見られます。

さて、登場時は型破りのグレードアップとサービスで話題をさらった(記憶がある)「スーパー雷鳥」用グリーン席です。2&1配列・パノラマ仕様のグリーン席は今なお国鉄タイプの塗色になっても存在感を際だたせています。

写真はWRK-210の初期の頃です。センターアームレストは固定式となっており、オーディオユニットが付属していました。このソデ体、当サイトでもあちこちで登場しているソデ体です。

さて、この座席の背ズリからヘッドレストにかけては非常に特徴ある形になっています。これはほかでもなく、後ろの席の人が前方を眺められるようにするため…嘘のような本当の話です。

フリースペースだったラウンジと半室を分け合って存在していたグリーン席で、展望が望めない代わりにWRK-209によるハイバック仕様となっています。ちょっと前まで、この座席は「加越」のグリーン席に装備されていましたが…。

先のWRK-210も然りですが、昨今のリクライニングシートと(ある意味)決定的に異なるのは、背ズリがデフォルトでもややリクライニング気味になっていることです。座ったときから安楽を志向する、古式ゆかしきグリーン座席の血を残しています。

その「加越」グリーン車全景です。

681/683系の台頭により、パノラマグリーン席は「しらさぎ」で走るようになりました。このときはグリーン車も先頭1両のみとなり、併せてオーディオユニットも撤去されてしまいました。座席の座り心地自体はグリーン席らしいものなのですが、どうにも展望優先のデザインは華奢な印象を持ちます。

この座席のフットレストは少々凝っており、裏面の土足禁止側について角度調節が2段階で可能になっています。

1人掛のWRK-105です。

その全展開状態。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2R51改910mm
普通2R55C910mm
普通2R55C(WRK-211・212)1010mm
グリーン2R27改1160mm
グリーン(パノラマグリーン)1WRK-1051160mm
グリーン(パノラマグリーン)2WRK-2101160mm
グリーン(加越)1WRK-1041160mm
グリーン(加越)2WRK-2091160mm