500系電車 最終確認時期:2001年3月

鉄道に詳しくなくとも、「500系」の名は広く知られるところ。某ノーベル賞主任さんをして「最新」(笑)の名誉を賜ったパワーテクノロジの申し子とも言える存在です。V編成への改造が進むものの、まだまだ日本最速特急を守っています。

デザインやメカニズムに動物のヒントを入れ、他を圧倒する近未来的エクステリアデザインは美しいの一言です。機能美とは別次元で「麗作」と呼べる最後の形式になってしまうかもしれません。一方では、超高速運転を行うに当たってメンテナンスや防振の点で様々なパーツが実車実験の如く試みられていたことは記録されて然るべきことではないかと思います。

後発の700系やN700系に比するところ、振動や騒音では色々言われますが、登場当時の技術水準とムチャぶり(違)を差し引いて判断されるのが感じ方ではないかと思います。いいんです。スポーツカーに乗るようなものだと思えばワクワクするでしょ?

車内ですが、アルミ缶を長く伸ばした格好になるボディ故、居住空間はどうしても狭くなってしまっています。

それでも、天井高さなどは高く採られており、出るところは出て引っ込むところが引っ込むと思えばこれまたメリハリのある車体と評されるべきではないかと思います。

普通席2人掛は、窓側が狭めのWRK229です。軽量化と座り心地の両立を目指した、JR西日本新幹線座席の標準形とも言えます(背ズリが少し低いのは仕方ない…のか)。

テーブル類は定番のシートバックテーブルのみ、車体断面のあおりで荷棚が少々狭いのは仕方ないところでしょうか。窓脇の三角形が連続した内装パネルはマジックテープで脱着できるようになっています。

こちら、3人掛のWRK306です。例によって例の如く、B席はA・C席より3cmほど広くなっています。

普通席シートピッチは、先頭形状に起因する定員減をカバーするために1020mm。編成全体の定員で見ると300・700・N700系より多いのも地味に有名な話です。仕方ないとはいえ、各車両の定員配置が異なるために異常時の運用乱れで弱みを見せてしまうのが東海道新幹線では嫌われるようです。

グリーン席は2&2配列で大型リクライニングシートが並びます。JR西日本お約束、夕暮れ〜夜で威力を発揮する照明とムード作りのバランスはいつものクオリティです。

グリーン席はWRK228と付番される2人掛の回転油圧リクライニングシートです。グランドひかり(100系V編成)ほどの座席付帯設備は盛り込まれておらず、荷棚・読書灯があり、センターアームレストにオーディオユニットが仕込まれている程度です。

そのほか、ヘッドレスト部分には681系で定着した可動ピローが備え付けられています。これの評判はすこぶる良かったようで、その後のJR西日本車両では定番装備となりました。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2WRK2291020mm
普通3WRK3061020mm
グリーン2WRK2281160mm