700系電車(レールスター) 最終確認時期:2009年3月

「ウエストひかり」の正統後継と位置づけても差し支えない(であろう)700系「レールスター」編成です。営業最高速度は285km/hで「700系のぞみの立場って何?」と言わんばかりの盛況ぶりは今も相変わらずのようです。

自由席は収容力を重視し、500系と同様の座席を採用、従来通り5アブレスト・2&3配列が展開されています。

座り心地自体は、500系のそれと何ら変わるところがありません。逆に窓側は500系より広々しているのは良いことではないでしょうか?

JR東海700系で問題になっている(と勝手に定義している)窓際席の問題も、座席の形状と横幅の再検討がなされているようで、随分マシになっています。この辺の心配りについてJR西日本を支持したいと思います。

ってなわけで、こちら3人掛席です。独特の大きめアームレストは掛たときの掛心地を重視した結果といえるでしょう。

レールスターの目玉設備は指定席です。「サルーンシート」と命名された4アブレスト・2&2配列の空間は電球色の照明と相まって独自の時間を提供してくれます。

グリーン席は新幹線に於いてその距離対料金負担故、イマイチ集まりが悪い。そこで、普通車自体のレベルをグッと引き上げ、その上で複数のユースケースアサインを行うことで多様な目的に合致した列車としています。

WRK236はグリーン席に比肩するセンターアームレストと幅広い座面・背面と、在来線であれば間違いなくグリーン席カテゴリに属するクラスの座席といえます。フットレストやカーペットなどは特にありませんが、2時間少々を過ごすのであればこれで充分でしょう。

車端部の座席には「オフィスシート」なる区画があり、ACコンセントと大荷重対応のテーブルがセットされたエリアがあります。ノートパソコンなどを利用する際に便利です…しかし、部分的に500系アーキテクチャを導入しているこの車両でも車端はそれなりに揺れます。あくまでも利用は自己責任で…ね。

4号車は指定席運用時に限り「サイレントシート」として、始終点と非常時以外の車内放送がカットされ、車内販売も無言で通り抜ける「落ち着いた移動をしたい」人向けの設備です。ヘッドレスト背面にはチケットホルダーもあり、指定券をここに入れておけば車掌が勝手に検札してゆく仕組みです。

今までのWRK236に共通ですが、アームレスト先端には折り畳み式のドリンクホルダーがセットされており、内側から外向きに引き起こすと、中の仕込みバネによってホルダーが倒れないようなステーが飛び出てセットされる仕組みです。しかし、このステーだけが金属でそれ以外はFRP…静電気持ちの方はどこかで充分に放電してから使ってくださいね(笑)。

こちら、WRK236ですが、よく見るとドリンクホルダーの形状が変更されているものです。後期投入車に多く見られ、初期投入車へも交換が進行しています。ホルダーを外側から引き起こし、アームレスト内側のガイドレールをスライドさせて固定する方式です。

仕込みバネなどを使わないので、耐久性やメンテナンス性能は向上していますが、なぜこれを内側から引き起こすようにしなかったのかは謎です。着座時の操作動線から考えると、カバーが外側にあった方が操作性の点では圧倒的に有利のはずです。この向きのメリットは万が一、カンを倒してしまったときに通路向きに倒れるので自席は汚れる危険性が低くなるという部分だけです。機能のトレードオフ…さてどちらがお好みですか?

2009年3月現在の4号車「サイレントシート」です。チケットホルダーが無くなっていますね。話によれば、検札後に券を取り忘れる人が多かったことと、車掌の携帯端末で着席確認ができるようになったことで必要が無くなったため、取り払われたようです。

8号車の大阪寄りにはセミコンパートメント区画があります。グループ客はこちらの方が楽しいかも知れません。しかし、外から見ても窓間隔には全く違いがありません。コンパートメントの仕切も天井部が開いており、空調は一般開放席と同様というところから、いざとなったらWRK236に換装できるような設計になっているのかも知れません。

この辺りのフットワークの良さと割り切りは、普通車同士だからできる芸当かも知れません。グリーン席なら間違いなくお叱りがくるようなものですからね。

コンパートメント席の真ん中には大きいテーブルと電気スタンド・ACコンセントがセットされています。夕方なんかは、ムードある空間かも知れませんね。と言うか、西日本の車内作りはそういうのが得意なようです。

このセミコンパート席はリクライニング機能がありますが、なにぶん狭い空間なので撮影は不可能。ちょうど、大阪の交通科学博物館に実物展示がありましたので、こちらで代用します。アームレスと下のレバーを引いて、座面をスライドさせるとリクライニングするスタイルです。メーカーは小糸工業だそうです。

その他、3・7号車には乗り換え列車や沿線名所の案内を出してくれる「旅指南」が備えられています。暇つぶしにも有効です(笑)。

ここまで重厚で充実した設備だと、東海の新幹線車両の立場って一体…(笑)。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通(自由席)2WRK2351040mm
普通(自由席)3WRK3071040mm
普通(指定席)1WRK1171040mm
普通(指定席)2WRK2361040mm