N700系電車(S,R編成) 最終確認時期:2011年6月

いよいよ全線開通した九州新幹線。山陽新幹線との直通には、N700系ベースの7000/8000番台がS,R編成としてデビューしました。

青磁をイメージした車体カラーが、これまた撮りづらい絶妙さですこと…。

新大阪以西でしか拝めない、という点では「ウエストひかり・ひかりレールスター」と同様の扱いですし、編成内の設備構成もこれまた「ウエストひかり」を思い起こさせます。

いざ乗るとなれば「わざわざ乗りに行く」という奴でしょうか。ただ、営業的には熊本を軸にかなりの利用掘り起こしがあったようで…え?博多〜熊本間?うーん、まぁ、ガンバレ(笑)。

山陽新幹線への直通運用のみならず、九州新幹線完結の運用にも入ってますし、果ては博多南始発の山陽新幹線のみ運用にも早々登場するなど、結構都合よく使われている見たいですね。

九州新幹線内のみの運用は、基本800系みたいですが、編成数の関係やら色々な遣り繰りがあるらしく、時刻表を見ると…あらら。

さて、この車両…山陽新幹線の方に行かないとなかなか撮りづらいですね。

安全上の問題で致し方なしとはいえ、九州新幹線内はホームドアでガチガチ、子供と新幹線を一緒に撮ろうと、ホームの端からオトーサンが難渋している光景をよく見ます。

九州と西日本を繋ぐ意思表示は、このロゴマークに表れてますね。

ラインは腰元に、瑠璃と金色をあしらってますね。

行先表示装置は、すっかりおなじみとなった小糸工業のマルチカラー表示装置が載っかってます。

外観上、車両間は本家のN700系よろしく白い外周ホロで覆われるのが通常ですが、編成によっては、このように外周ホロの内側にある防音とクッションを兼ねた、真っ黒の連結ホロが見えることがあります。

彼の地へ行くたびに、ちょくちょく見るのですが、何かしらの長期試験なのか、単にメンテナンスが追いついていないのか…。

それでは、座席に行ってみましょう。1〜3号車は自由席区画。伝統的な2&3の5アブレスト座席が並んでいます。3人掛と2人掛で座席のベースカラーを変え、変化を付けています。

荷物棚については、端部が木目調のブラウンとなっており、視覚上のアクセントになっています。照明は電球色蛍光灯によるカバー付直接照明。

2号車だとさらに奥行きを感じます。元のN700普通席が凄まじいまでの無機質配色ぶりなので、ちょこっと反動的に色を差すだけで、こんなにイメージが変わるか、と思わされます。

自由席2人掛はWRK248。元のN700編成にあったWRK245(TR64)をベースにしていますが、座席表地の織り具合が水平方向を強く出しており、上下前後の動きに対して噛み合うような座り心地を感じます。ともすれば、ちょっとザラついたタッチとも言うべきでしょうか。

ACコンセントは窓側席と端部各席に備え付けられており、この辺はあまり変わってません。つくづく、窓側の余寸がもう少しあれば、これはこれで充分だと思うのですが…。

自由席3人掛はWRK310。これまたWRK309(TR77)をベースにしています。通路側のグリップが木製だったりと、オリジナリティをチラチラと見せる辺り、うい奴じゃ(笑)。肝心の座り心地は元のN700のそれと大きく変わることはアリマセン。残念ながら、座り心地の安っぽさを拭うことは難しいでしょう。

ささやかに偉い、と思うのは先頭車がどっかの妥協作と違って、1列分殺してでもキッチリ1040mmを確保したこと。先頭車車内で、一瞬「あれ?」と思ってササッと計ったらそんなんだったから、ちょっと感激。

壁面には、耐荷重仕様の大形テーブルとACコンセント。通路側席もここなら電源利用が可能です。

3人掛側だと、これが3席分。板面がクリーム色になって、あえて壁面とミスマッチさせているのは、指定席・グリーン席との格差的な意図も見えますが、テーブルが展開していることを一目で判るためですね。

回転でも難が出ますし、なにより座席数が多い自由席、急いで廻る時に清掃局面で気付かないと困る。

指定席区画。この編成の本当の「顔」は、ある意味でここかも。ウエストひかり→ひかりレールスターで定着した普通席2&2配置をさらに煮詰めて登場、みたいな。

荷棚先端の木目部分の濃さが自由席と異なっている点、アームレストのカラーと合わせている点など、空間的な統一感を志向したものと解釈します。

新幹線車体幅で、2&2によるシンメトリーぶりと共に、ヘッドレストリネンの大きさ等が程よく絡み合うイメージ出しています。この辺、後述のグリーン席は少々バランスを失しており、視覚的な(≠ビジュアル的な)落ち着き方の点ではこちらの方が上回っていると思います。

7号車は車椅子対応座席が設置されています。

座席はWRK249、ひかりレールスターで得られたノウハウを詰め込み、各部がブラッシュアップされています。パッと見で、ソデ体前方がスマートさんになっていますね。付帯設備として背面大形テーブルや、アームレストにあるスライドロックタイプのドリンクホルダーなどは健在です。通路側手摺りには、指定席故の気配りで点字による座席位置表示もあります。

そして、この座席のポイントはリクライニング機構。リクライニングさせると、座面が1cm程度後ろ側に引き込まれるよう連動します。これで腰回りがグッと締め込まれるように安定するんですね。ゆりかご形は「落とし込む」のですが、これは「締め込む」という所作表現が適切であろうと思います。JR東日本にかつてあったR7/R37座席を思い出しました。

その他、座席幅や背ズリの角度やクッション性など、自由席から比べれば天地の違い。ややもするとレールスターのWRK236で感じられた座面のすっぽ抜け感もなく、そのゆとりの幅と共に、差額を惜しむ気が全く起こらない優れた座席であると思います。

1人掛のWRK251。回転ペダルが大形のモノになっているのが判ります。

全展開させるとこんな感じ。これまた人気席のように見受けられますが、指定できるのは一定のタイミングからとなっているようです。

客室外設備を見ると、自由席区画の壁面木目は明るめのタイプとなっています。携帯電話が普及した昨今でも、やはり設置されている車内電話。

天井は元のN700っぽさが残りますが、壁面は普通車も木目調になっています。

車椅子対応トイレも、別稿のものと見比べて貰えれば形状は変わらないモノの、カラーリングで今夏にイメージが変わるか、と思わされます。

喫煙室もちゃんと設置されています。指定席を席番指定で購入する場合、喫煙室近くって別枠表示になるんですね。

洗面台は、個別タイプとなっています。JR東海のそれとは異なって、部屋然としているのは意識の違いでしょうね。

ドアデッキ部分。指定席は、やや濃いめの壁面が目に入ります。

自由席、運転席直後の部分。このメカメカした入口の造作、ちょっとカッコイイと思う。

客室部分と業務部分は分けられて、パッケージされているのが殆どなのですが、この部分はその辺が少し曖昧な感覚を持ちます。

いよいよグリーン席。山陽−九州直通に合わせ、「らしい」設備として復活した感があります。

少々面倒くさい上に、気になるのは直通利用時の料金算出。要は、博多で打ち切りして別レートで計算するハメになっちゃってるんですね。

グリーン料金も同様。九州島内のグリーン料金は別レートなのですが、通算の方が安いケースなどではなんだかなぁ、と思うこともあります。グリーンを使う人にとっては微々たる額、と思っているかも知れませんが…。

自由席・指定席と打って変わって、重厚なカラーリングをイメージした配色になっています。ちょっとアラベスク風味の入った柄付カーペットとか、ホテルをイメージさせるかもしれませんね。

何より、座席のカラーが浮き上がる位とすればなにをか況んや。

座席はWRK250、フレームやリクライニング動作はWRK247をベースにしていますが、ヘッドレストが可動枕になっていたり、フットレストの形状がやや小振りに替えられているほか、レッグレストが設置されているのは大きな違いでしょう。

WRK247の時に、サイドアームレスト先端に1つのリクライニング動作なのに2つ分のクリックレバーがあったところ、つまりレッグレストの上げ下ろしができるように仕込まれていたんですね。その点では、これが完成形。

レッグレストは、自動展開・自動収納のスグレモノ。正直、フットレストはもう少し大きいモノであれば、頭からつま先まで完全にホールドできるハズだったのに、と、ちょっと残念です。

座席表地は張りが少し強めで、ちょっと滑り気味のものになっています。レッグレストも板の硬さが強く出過ぎとなっており、落ち着くべきグリーン席にして、よそよそしさが強く感じられるのはマイナスでしょう。ホールド感は悪くないのですが、フィッティング感ではWRK247の方が良かったなぁ、と。

こちらの画像では、背面テーブルを手前に引き出している次第。この仕込み、東海道新幹線でも意外と気付かれていない気がする…。

端部の座席では、壁面のテーブルがかなり大形になっています。フットレストは、従来型の壁面タイプを設置しており、板面が少し大きめになっているのが判ります。

ちょっとナナメ後ろから。

ストロボオフで撮ってみるとこんな感じ。実際の視覚上は、もっと暗く感じると思います。

通路部分。手前、グリーン席側で向こうが普通席側。グリーン席側のみカーペットが敷かれているのが判ります。なんとも理解しやすい格差構造。

こう撮ってみると、床面への光の当たり方でその違いは歴然。

壁面下部には、足下の誘導灯というわけではありませんがライティングが施されています。

濃いブラウンの壁面にして、LED由来の青白い光がちょっと蠱惑的かしら?

ドアデッキ部分。普通席より濃いめ、というか暗めの化粧シートが貼られています。

で、これ、ストロボオフで撮ってみると…。

あら、雰囲気がこれまた変わった。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通(S編成自由席)2WRK2481040mm
普通(S編成自由席)3WRK3101040mm
普通(S編成指定席)1WRK2511040mm
普通(S編成指定席)2WRK2491040mm
普通(R編成自由席)2KWRK2481040mm
普通(R編成自由席)3KWRK3101040mm
普通(R編成指定席)1KWRK2511040mm
普通(R編成指定席)2KWRK2491040mm
グリーン(S編成)2WRK2501160mm
グリーン(R編成)2KWRK2501160mm