LINK2 -鉄道座席メーカー関連- |
押しも押されぬ鉄道座席メーカーの雄。日本の近代鉄道座席はここから始まったと言っても過言ではない伝統と歴史ある会社。採用実績・納入数ともに数知れず、東戸塚から下り左側に見える同社のロゴがピンと来るでしょう。(おイタのニュースもありましたが)航空機座席についても世界有数のシェアを持ち、ファーストクラス座席の納入実績も多い。電光掲示板や交通信号など、灯火類を中心に都市インフラや交通機械類は2011年、事業継承子会社のコイト電工へ分割。それでも「小糸」のネームバリューは強く、そのスジの趣味人なら知らない人は居ないビッグネーム。自動車ライトで有名な小糸製作所は、ここの親会社。 座席の造り込みや細部デザイン・掛心地・フィーリングと言った、数値化できない官能的な観点では、どういう訳か小糸工業の製品は「しっとり」と言う言葉が似合うと思っている。Webサイトも適度に更新が掛かっているが、鉄道座席コンテンツの写真点数と仕上がりがちょっと貧弱に思える。納入先との兼ね合いがあろうと思われるが、もっと堂々と新しい採用実績を出してほしい。 |
バス座席については国内トップメーカーとして有名。路線バスから高速バスまで、かなりの確率で同社製の座席に座っていることになる。鉄道座席でもかなりのシェアを持っており、先の小糸工業と対比すれば、こちらは「はっきり・かっちり」とした言葉が似合う座席造りが見られる。 変わり種としては、近鉄との共同開発でその名を知られたデュアルシート(YM051)など、かねてから構想があったアイディアを現代的な技術と形で製品にする例が多いかも。Webサイトでの商品紹介がなかなかマニアックで面白いのだが、更新は止まったまま。これは工業系企業としては致命傷のように思えて、勿体ない。採用実績などを頻繁にアップデートすれば良いのに、と思っているのは多分にして私だけであると思われる。 |
東急系部品メーカーとして名を知られているが、その実、鉄道座席にもサクッと参入している会社。古くは新幹線100系4人用個室座席を筆頭に、JR東海373系(天龍と分け合い)やJR東日本E3系グリーン/普通席・253系個室座席など、なかなかマニアックな場所の座席を納めている。電動座席に強いらしく、噂ではJR東日本E993系の可変クロスシート席もここの製造だとか…。その他、奥多摩線201系展望車仕様の跳ね上げ座席などもここ。一説にはJR東日本115系リニューアルクロスシートもここだとか…。 回転台座に乗用車のノウハウが生きているのか、こだわりが見られる時も。シロキ工業が担当した分のJR東海700系普通席回転機構、スキマ設定のお陰か固定装置のガチンとしたロックの感触はなかなか秀逸。Webサイトもあるものの、写真と解説が合ってないとか、スキャンが荒いとか、その辺でちょっとやっつけ仕事的な難が見られる。 |
社名が長いので、当サイトでは失礼ながらJCASと略している。元は池田物産と言う日産系部品メーカー。JR九州787系の客席を担当し、鉄道座席メーカーとしてその名を知らしめたと言っても過言ではない。そういう意味では割と新規参入組。そのほか、JR東日本400系増備車で初めて登場した「座面スライド機構併用回転リクライニングシート」はここが最初に生み出したもの。そのほか、フランス・コンパン社パテントのカンチレバー座席も一部手掛ている。 Webサイトには鉄道座席関連のコンテンツが全く見当たらないが、現在でもJR東日本E2-1000番台などで引き続き製造と納入が行われているようだ。初期納入座席については、そのノウハウ蓄積の差からか、どうにも回転機構が重かったり、ペダル造り込みが頼りないなどあったが、今はそれもかなり落ち着いてきたように思える。 |
一時期、小糸工業と並んで座席納入を競った「日本リクライニングシート(株)≒ニッパツ」がここ。乗用車のバネや内装部品で広く知られる。国鉄時代のリクライニングシート、特にD21〜R71にかけて相当量の座席が納入されている。現在はリクライニングシートからは手を引いた模様。それでも、一部ロングシートやボックスシートでこの会社が製造を担当したものが見られる。限られたスペースに「日本リクライニングシート(株)」と詰め詰めのフォントで一気に記されたメーカープレートを見付ると思わずニヤリとしてしまうのは恐らく私だけであろうと思われる。この会社の座席の場合、「日本リクライニングシート(株)」「NHKニッパツ・日本発条株式会社」のプレートが目印。 |
広島ではデルタ工業と並んで、乗用車座席メーカーとして有名。最近、鉄道車両座席にも力を入れており、JR東日本E4系グリーン席やJR西日本281系グリーン席、113系N40更新車座席などに納入実績がある。歴史的には比較的新しい参入組となるが、乗用車シート製造のノウハウを注ぎ込んでの座席開発に今後が注目される。 |
JR東海系列会社であるが、車両の清掃・メンテナンスの他、座席製造なども行っている。JR東海700系普通席の一部はここの製造になっている。部品自体は小糸工業やシロキ工業から回ったものを組み立てるノックダウンのような気もしますが…。 |
JR西日本管内の特急車両普通席でよく見るメーカー。こちらも上の東海交通機械と似たような感じと思われるが。納入元に東洋シートなども加わっている模様。JRの他、北近畿タンゴ鉄道などの第3セクター車両にもよく見られる。 |
もともと日産系部品メーカーという側面があるようで…池田物産の関連会社ということもあったのか、古くはJR東日本E653系などの座席についても製造を行っていた模様。その他JR東日本205系6ドア車座席・阪急9300系などの納入歴がある。造りのセンスか、何となくフォルムに「潤い」が少ない雰囲気があるのは気のせいではないかも。いわば「乾いた」座席作りが得意なのかも知れない。 しかし、その一方でJR九州885系・800系、果てはTX等の日立A-Trainシリーズによく見られる、泣けてくるようなクオリティのシート製造など、黒歴史としか思えない製品が見られるのも確か。JR九州787系のDXグリーン席はどちらに傾くやら…。 |
日本国内の鉄道座席は勿論、バス・船舶・航空機のシートモケットや詰物については、この会社を抜きには語れない。歴史もかなり古く、現行車両の他、各地の保存車両などの復元工事で引っ張りだこの単色モケットも扱っている。会社のWebサイトを見ると最近の採用例を詳細に紹介している。やっぱりメーカーのサイトはこうでなくっちゃね。 一つ注文を挙げるなら、JR西日本700系B編成普通席全景写真、リバーサルフィルムで撮ってるような風合いを感じるが、スキャナに由来する横縞が無修正モロ見え。さすがに目立つので機材を換えるか読み直ししましょうよ…。 |
KIホールディングス(小糸工業)系列の座席メーカー、製品として車両に搭載される場合、小糸工業のメーカーロゴプレートがくっついちゃいますが、最近の小糸工業製だと概ねこっちで造っている模様。鉄道座席は工業製品の括りで見ると、少量多品種側だから小回りが利くって大事ですよね。 |
川重系の鉄道部品メーカーですが、社名自体はそこまで古くないですね。JR東日本E3系2000番台G席の他、E5系グランクラス席・普通席、在来線特急普通席でお目にかかれます。最近だとJR四国の新系列特急電車・気動車普通席もココ。 |
オフィスチェアではコクヨと並んで国内最大手、ああ、私の仕事場の席もココ製でした(笑)。鉄道座席では小田急のVSE・MSEで上物の設計製造をしていますね。あとは京成(新)AE形の普通席ですが…こちらの評価は本稿に譲ります(苦笑)。 |
台座・ソデ体・回転装置、小糸系と航空系(ジャムコ)のパーツサプライヤーの由。我々が車内であーでもないこーでもないと弄り倒してるパーツはココ製が多いってことですね、趣味的にお世話になってます(違)。 |
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