三笠・クロフォード公園 最終確認時期:2002年7月

札幌近郊には小樽に代表されるように、比較的まとまった数の実物保存車両があります。これは三笠にあるクロフォード公園保存の82系編成です。食堂車入りの堂々とした編成です。某大手鉄道模型メーカーのHOゲージキハ82採寸はこの編成によってなされたそうです。

一頃、鉄道部品の盗難が流行した悲しい時期があり、美しい姿で保存されていたこの編成もターゲットに…ゴソッと貫通扉が持ち去られました。後日、犯人は逮捕され部品は無事戻っています。

なお、冬季は車体保護のためにブルーシートですっぽりカバーされてしまいます。そのため見られるのは春〜秋のみ、間違っても「雪まつり」と絡めて…なんて考えてはいけません。

車内に入っていきます。この保存編成は公園事務所側の普通車2両について一般公開となっています。ここより下の写真は事前に申し込み、許可を戴いた上で保存区画(通常立入禁止区画)にて撮らせていただいたものです。

これぞ国鉄特急!と言う雰囲気を随所に残した車内です。清掃から手入れまで割と行われているようで、車内は思いの外キレイです。

T19回転クロスシートです。回転クロスシート(ロマンスシート)は、T17・T21と並んでどこにでもあった座席です。その姿はビジネス特急のイメージリーダーであり、特別な世界を醸し出すに充分な役者でもありました。

全国的にリクライニングシートへの改座が精力的に進み、ここ数年来であれよあれよと言う間に「超」が4つくらい付くほどのマイノリティに転落しました。現在、JR線で定期的に拝めるの九州の485系1両ぽっきり、それも目にするチャンスはほぼ皆無になっています。

シートピッチは910mm、背面の小さいテーブルが非常にキュートです。これに糊がパリッと効いた白いリネンが被さると…ノスタルジー満点ですね。

いよいよグリーン車内に入ります。リノリウムの沈んだ色に対比して美しい臙脂色のシートモケットが印象的な室内です。

そして、これが80系気動車のアコモデーションアイデンティティとも呼べるR23です。フレーム自体はR21以来の極々伝統的なものですが、ヘッドレスト部分が上下に動きます。現在のグリーン席では軒並み可動式枕が備え付けられており、その先鞭を果たした…訳では無さそうですが、亜幹線で特急運用に就くことが多かったためか、せめてヘッドレストが着座する各人に会わせられるようにこうなった、と言われています。ちなみに、枕は大変固い物で頭を乗せると違和感というかごつさを感じます。

引きだし式テーブルは肘掛に腕を置くことを考慮して、三角形になっています。このテーブルスタイルはサロ165(中期形)のR26まで継がれました。

かつては、このグリーン席部分も一般公開セクションだったのですが、盗難・破損が多く見られたため、非公開になった経緯があります。そのため、灰皿やテーブルについては部品調達の関係で様々な形の物を追加追加で差し替えて来たとのことです。手前は良く判りませんが、奥のテーブルはR27に付けられているタイプのテーブルです。

端用部分です。この辺はR27を装備した特急車両と大差ありません。

意外と知られていませんが、この保存編成の脇の斜面にはニセタンポポの一大群落があります。夏の午前中、この斜面はさながら真っ黄色の絨毯となり、札幌近郊では隠れた花の名所でもあります。

今回の撮影に際し、公園と展示車両の管理をなさっている三笠鉄道記念館の皆様には大変お世話になりました。車両の展示には費用も手間も掛かります。近くを通られた方、お近くの方は是非三笠鉄道記念館への見学も併せて下さい。

小樽〜三笠(幌内)は北海道最初の鉄道路線があった区間です。今でもクロフォード公園〜三笠鉄道村間の約3km、道路沿いに線路が残されています。線路は放置するとすぐ土に還りますが、ここは線路・路盤共にスタッフの手によって美しく整備されて残されています。

座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2T19910mm
グリーン2R231160mm

所在地交通座席特記事項
〒068-2141
三笠市本町971-1
TEL 01267-3-1240
(三笠市商工観光課)
岩見沢駅から北海道中央バス三笠線
三笠BTから徒歩10分
T19
R23
休館期・11〜4月
(冬季休館)
開館時間・管理施設は要確認
※留意点
1・バス本数はかなり限られます。周到な時刻チェックを。
2・グリーン車・食堂車部分は通常立入できません。
3・三笠鉄道村含めて、レンタカーが一番便利かも…
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