現金輸送車・マニ30(2) 最終確認時期:2004年9月

中に入っていきます。まず、車掌室側。警備職員用の居住スペースとは峻別されており、勿論荷物室と繋がっていません。長時間滞留は想定にない設計で、車庫内の入替時に使われていた程度ではないかと推察するに留まります。

テーブルと座席を展開。ちなみに、この空間は後に紹介する警備職員用の居住スペースから監視カメラを通して常時監視されるスペースです。

セッティングされているのは、極めてシンプルな配電盤やエア関連の計器類のみ。

ここは一般公開エリア、荷物室(=現金置場)です。パレット敷の上に現金(紙幣)を輸送するための箱、そして硬貨輸送用の袋などが置かれています。

実際の運用時は、複数の日銀支店最寄駅を経由しながらだったためか、床にある仕切番号によって「○○支店には第*荷物室の×番区画を…」と言う感じでやり取りしていたんでしょうね。

現役運用当時、まことしやかな噂があり「施錠中に開けると電気が流れる」だの「防爆構造で見かけよりとても重い」と言われていたとか。実際の所、多少は頑丈な気もしますが、一般的な車両の壁面とそう変わったところは無いように思えます。同時期に製造されていた50系客車と車両各部は似通っていますが、車体はアルミ製とのこと。

反対側区画では、鉄道現金輸送車の歴史や紹介のパネル展示が行われています。小樽には日銀金融資料館もあり、パンフレットも一緒に置かれています。併せて見学するといっそう美味しく召し上がること請け合い。

尚、正式にはのっぺらぼうなエンド側が第1荷物室、車掌室側が第2荷物室と呼ばれます。

それでは再度、現金(模型)が置かれている第1荷物室へ。この現金を入れる箱は「容箱(ようばこ)」と呼ばれ、これ1個で福沢諭吉先生を2万人分詰め込めるようになっています(笑)。

過去、ピーク時には両サイドの荷物室で数百億円を輸送したこともあったとか…(単なるスペック上の話で、実際はもっと少額で輸送したと思われますが、積載スペースから見て無理はない話)。

ここにあるお金は勿論イミテーション、大丈夫です。持って行きやしませんから(笑)。

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