鉄道総研 LH02(ハイ!トラム) 最終確認時期:2008年10月

都市政策ネタの課目を履修ないし専攻する人が交通系を囓ると、一度は出くわす路面電車。交通モードとしての性能は十分知られたところですが、街中に高圧架線が走り回る問題が残ります。

私が学生時分もゼミでこの問題が出まして、当時「停留所給電、停留所間は無架線走行」のアイディアは話したことがあります。私如きが案出するくらいですから、構想やアイディアとしては誰しも思いつくところ。その頃、公で知られた技術的課題は、短時間給電時の熱問題や、電池開発、無架線下の安定走行でした。

鉄道技術のびっくり箱、鉄道総研はNEDO委託研究で実用前提の研究開発を行っています。走行自体は元豊橋鉄道車を使った試作1号車で実績を積み、短時間給電や悪環境下の確認段階としてイマドキの車体に希望を詰め込んだLH02形が登場しています。現場実験では、すでに札幌市電で厳冬期に走行試験を行っているなど、着実な成果を上げています。

ロゴマークも運転台則窓下に。

走行性能云々は他所に譲るとして、車内は乗り込みの段差レスを意識した低床形、鹿児島市電や伊予鉄道に見られる「リトルダンサー」シリーズの車体であります。

窓枠・座席色・床板カラーリングなどは、伊予鉄道2100形そのもので、同車を経験しているとちょっと既視感が強く感じられます。違うことと言えば、中吊り広告が無いことと、ドア上に車両状態表示用のモニタが付いている位なモンです。

画像奥、運転台左脇のブロック状のものがその蓄電池。未だ研究開発途中とのことで、サイズ小型化と蓄電容量のアップが並行して研究されているとのこと。

と言うわけで、座席もごくごくよく見られるタイプのロングシートです。座面はしっかりしているのですが、背面は車体幅との両にらみで少々切り立った形状となっています。

ホンネを申せば、ストップ&ゴーが激しい路面電車。加速力もそこそこ強めです。一般投入されれば、高齢者が多く座るであろうシートですから、確実安定した着座形状の座席についても一緒にやって欲しいネ、と思うところです。

車椅子対応の跳ね上げ座席区画もあります。

そして、お空を見上げてみれば…ああ、本当にパンタが上がってない(笑)。ちなみに、急速充電は熱問題の関係もあり、専用区画で行うようになっています。

所在地交通座席特記事項
〒185-8540
東京都国分寺市
光町2-8-38
TEL 042-573-7212
国立駅から徒歩7〜8分----(一般)見学可能日・平兵衛まつり
開催時間 10:00-15:30
※留意点
・一般の人は「平兵衛まつり」開催日のみ見学可能です。
 なお、開催日・展示物は毎年異なります。見学できるかは運次第。
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