京都丹後鉄道KTR001形 最終確認時期:2002年10月

丹後半島公共交通の柱、京都丹後鉄道は日本三景・天橋立といった観光資源に恵まれた路線です。設立後しばらくはJRからの移籍車両を塗り替え・改造していましたが、遂に新製車両を導入しました。栄えある特急第一弾がこの「タンゴエクスプローラー」です。大出力エンジンと展望重視のハイデッキ構造・そのボディ塗色はバブルを彷彿とさせます。

運用の絡みで、新大阪発は午後手前と夕刻と観光需要としてはあまりピンと来ないダイヤですね。

室内全景です。天井まで窓ガラスをはめ込み、その開放感はかなりのものになります。照明は通路中央に設置した蛍光灯1列と座席下のステップに仕込まれた足下灯がデフォルトとなり、あとは客席毎に割り当てられた読書灯があります。窓ガラスは熱線吸収を意識したガラスになっています。

エンジンの排気ダクト部分は窓も確保できず、客席が狭くなる為に座席が省略されています。そのため、前席と空間が空く部分には折り畳み式のテーブルがあります。イレギュラーの参考記録ながら、シートピッチとしては並み居るグリーン席を凌いでダントツの広さになります。あまりに広すぎて落ち着きませんが…。

列車自体はモノクラスとなっており、980mmピッチでR55Eに類似した回転油圧リクライニングシートが並んでいます。リクライニング角度が少々大きめに取られていることと、跳ね上げ式ながら本格的なサイズのフットレスト(但し、荷物置き兼用)が備わっており、普通席としてはかなり格上と言えます。

通常、第3セクター優等車両のアコモデーションレヴェルがJR車両を凌ぐ、と言うことは余り例がない(土佐くろしお鉄道など、程度が並ぶ例が基本)のですが、独自設計・オリジナル規格にして同地域の特急車両のそれをスペック上でも上回っている数少ない例と言えます。

少々苦言とすれば、座席フレームの色がプラの安っぽさ全開となっており、ここら辺を少し弄ればかなり雰囲気は変わるだろうな、と言うところでしょうか。

こちら車端部。大形の折り畳みテーブルも設置され、利用上の格差はありません。客席上のモニターで前方風景や沿線案内などを見ることができます。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2不詳(R55E類似・小糸工業製)980mm