三陸鉄道36形(400番台) 最終確認時期:2000年9月

三陸鉄道と言えば、全国初の第3セクター鉄道として知られています。途中にJR山田線を挟んで南と北に分かれていますが、実際は山田線との直通列車も多く、事実上一心同体状態の今日この頃。在来車を冷房化したりリクライニングシートを装備したイベント用特装車がいたり、通し乗り向けの特別割引券を出したりと地道ながら努力を惜しまない姿勢が窺えます。

久慈駅で名物のウニ飯弁当を買い込んだら待っていたのがこのレトロ調気動車36形です。昔々、横浜博なる博覧会が催されたとき、会場までのアクセス列車として営業した珍奇な経緯を持っており、ここは博覧会終了後の安住の地でもあり転職先なのです。

車内は登場時の面影を良く残したレトロ調です。シャンデリアはトンネルに入ると何とも言えない雰囲気を醸し出します。しかし、エンジン音がなかなか凄まじく、雰囲気の相殺で差し引きあいこと言ったところでしょうか。

それでも、もの凄い凝りようだな、と思わされたのは荷棚の奥に蛍光灯が設えられており、不足しがちの照度を補っています。一見気づきませんが、実は交換の面倒くささや破損の危険性を考えると凄いことかも。

座席自体はオールクロスシート、元々が元々だけにあまり長時間運用を念頭に置いてないボックスシートは柔らかめを基調としたボックスシートです。いや、結構この座席はバウンドがキツイです。

テーブルも窓側に小さいものがあるだけでしたが、その後大型のテーブルが増設されています。

このほか、出自がイベント向け車両だったためか運転席が真ん中にあります。そのため、デッキ両脇からはド迫力の前面展望も楽しめます。

車端部は通路幅の関係でアームレストが端折られています。

運用時間もありますし、他形式車両との運用の絡みからかトイレが据え付けられています。そのフォントもなかなかレトロ調…ま、いいか。

車端部には営業促進の一環として設えられたカラオケセットが光ります。座席定員分で貸し切ればこの中で宴会も可、忘年会・新年会は勿論よろず「大歓迎で手配します」(当時の宣伝ポスターより)とのことです。

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