若桜鉄道WT3300形 最終確認時期:2011年6月

鳥取行ってチョイと南下。第3セクター鉄道の中でも、話題が何かと多い気がする若桜鉄道。ここに他のWT3000と、ちと変わった風貌、1両だけの虎の子車両。宝くじ収益金還元車両だったりします…ん?誰ですか、地元選出の鉄ヲタ議員のせいとか言ってる人は(笑)。

SL列車を走らせてみたり、途中の隼駅は同名バイクとリンクしたイベントも行われるなど、継続的に地域を盛り上げようとするスタイル。それでも、最大のお客様は地元の中高生なので、ダイヤも運賃も実にそれっぽい組み方をしてるんですね。

車内は転換クロスシートが並ぶ、地方線区ではそこそこ見掛けるタイプです。イベント対応車両ということで、荷物棚の上に所々スピーカーが見えますね。カラオケ装置も積んでいるとか。

ヘッドレスト部には所々ビニルカバーが掛かっていますが、痛んで取り払われたトコロもチラホラ。その後、座席表地はリフレッシュを機に、カラーリングも一新された由。

さて、座席自体はJR西日本221系にあるWWK201近縁のフレームフェイスですが、アームレストのカバー形状が少しのっぺりさんとなっているほか、背もたれのランバー部分が少し張り出した形状となっています。

さらに言えば、ヘッドレスト部の掴手形状も少々異なっており、実質的にはオリジナル品となっていることが見て取れます。シートピッチは910mm、転換クロスシートとしては実にオーソドックスなものとなっています。

中間列のもの。窓側席はヒーターの関係で足下が1列おきに少々狭くなっていることと、窓配置と座席配列は全くリンクしていないことで、向きによっては眺望が全く利かない席があります。

窓側の小テーブルがせめてもの付帯設備と言ったところでしょうか。勿論、所要時間的には必須となるものではありません。

さて、歩を進めていくとなんだか無性にシートピッチが広い区画が存在します。

よく見りゃ、前列は座席台座がなんだか変。

その前列部を撮ってみると…変。窓側にもアームレストがあり、さらに前列との感覚もびよーんと間延びしています。

この区画の座席の正体はコレ。

90度の回転機能を持った転換クロスシートとなっており、こんな感じにできるんです。

夜運用だったこともあり、若桜からは誰も乗って来ない上、乗務員さんも面白がってお許しを頂戴したので両サイド向き合いにして撮ってみました。コレの操作はちょっと難しい、というかクセがあるんですヨ。

通路中央に見えるフタらしき形跡は、ココにテーブルが固定できるようになっているというもの。イベント対応車両の片鱗ですね。この機能を使ったのが2009年8月、沿線4市町村長が集まって沿線利用促進に関する協定を車内で結んだというもの。

通常は進行方向に向いて鎮座しており、広いシートピッチでささやかなボーナス区画…と思うでしょ、台座がちょっとヤワでグラつく傾向があります。うーん、ちょっと上物が重いというか台座がアレ過ぎませんかネ?

若桜側のドア脇には車いすスペースもキチンと備わっています。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通(一般列)2不詳910mm
普通(回転列)2不詳1230/1270mm