京王9000系 最終確認時期:2003年2月

京王電鉄の新世代車、9000系です。いわゆるローコスト車両のシリーズに含まれるのですが、JRの209系系統とはまた少し異なるコンセプトだそうで…。

8000系と比べると、かなりさっぱりした印象を受けます。前面の造形については、私は8000系の方がお気に入りです。

車内全景です。典型的なロングシート配置が広がっています。中央の通路部分とその他の色分けや、袖仕切など、色の違いを除けば首都圏では既にポピュラーな見付ですね。

ロングシートです。7人掛で3人目と4人目の境目にスタンションバーが設置されています。いわゆる新世代車の座席に共通した感触として、非常に硬め基調に仕上がっています。

ヒーターは座席下にピタッと設置されるスタイルで、JR209/E217系と同一です。故に、その暖房事情の酷さを知っている側からすれば、その惨憺たる結果が目に見えるようです…というか、この車両の暖房についてはあまり誉められたモノではありません。形状の再検討を!

こちら、優先席区画。座席自体は色がライトパープルになっている他は一般席と差異がありません。

カーテン部分に優先席マークが染め付けられています。東急の優先席マーク座席ほど露骨ではありませんが、そこが特定の区画であることを明示しています…カーテンを下ろさないと意味はないのですが…。

一部車端部には車椅子用区画もあります。車端です、揺れます。あ、それまでは恒例だった固定金具がありませんね…。

今時の車椅子は自車のブレーキ装置も充実していますが、乗車時間を勘案しても、まだ固定金具を取り付けないスタイルは時期尚早な気がします。

ドアを境に一般席と優先席を比べてみると、荷棚の高さと吊革の高さが異なっているのが判ります。優先席の方が低めになっているわけです。但し、座席はどちらも同じ高さです。

少し座席の形状にスポットを当ててみると、背面形状はJRE231系に準じたもので、そのフィット感やホールド感はかなり向上しています…が、この座席は座面部分に明らかな設計上の失敗と言われかねない部分があります。

座面壁側がせり上がっているのですが、これは座面を壁面に固定するための金具が下に隠れているためです。しかし、これが痛い痛い。本家(?)のJR東日本の車両でもここまで露骨に尾てい骨を痛撃するモノはありません。この手の座席は奥までしっかり腰掛なければパフォーマンスを発揮しませんが、この部分のお陰で奥までしっかり座れないブラックユーモアのような座席になっています。

医学上の観点では、臀部後方に少しまとまった塊を挟み込んだ感じでクッションを置いて座ると、背筋が伸びる好ましい姿勢になるそうです。しかし、それは一般的な安楽座席での話。常時上下動が掛かる鉄道車両でその理屈を持ち込むと、それはただの拷問用座席になることを気に留めておかなくてはなりません。

ましてや表地で隠しているものの、この部分は事実上のクッションレス部分。構造上の問題とはいえ、何とかならなかったのでしょうか?地元のひいき目ではありませんが、京成新3000形は背面こそアレですが、座面形状については思い切った厚みを以てこの状況を回避しています。

そのため、私はこの座席については決して良い印象を持っていません。どちらかと言えば、退場願いたい品と考えます。無論、私の方が先にレッドカードということもなきにしもあらず(笑)。

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