京成(新)3000形 最終確認時期:2003年3月

名車(と、勝手に思っている)3700形の後継車両は、これまた京成の青電〜相互直通時代以来の語り部となっていた3000形の形式を再踏襲した新3000形です。

賛否はあるらしいのですが…3700形後期増備車の、京成らしい熟成された顔を見た後ですと、やはり…ノーコメントなフェイスデザインです。しかし、その実は3700形初期のお顔が一番落ち着いていてステキと思う下町庶民でございます(笑)。

車内は完全カンチレバー式となり、JR東日本の新系列に準拠した袖仕切や座席間に無遠慮に立つ握り棒が目に付きます。

化粧版は白をベースにした明るい物になったせいか、車内は非常に明るいモノになっています。

そのロングシート部分です。この手の座席ではヒーターがウィークポイントになっていたのですが、ヒーターを斜めに設置することで足への照射面積を広げています。しかし、残念ながら従来型のモノに比べ、暖房のパフォーマンスは低下しているように感じられます。

肝心の座席の座り心地ですが、この手の座席にしては厚め基調の座布団に好感が持てます。ややもすると加減速時に基部と座布団部分の間で、横滑りするような感触が不協和音と言う形で感じられるかも知れません。

背面形状は、残念ながら今一歩としか言えません。ランバーの出っ張る部分が高すぎるような気がします。もう少し下の部分にした方が良かったのではないかな…?と思いますし、また出っ張りを境として上の角度が少々のけぞり気味に思われます。せめてもの救いは1人辺りの着座横幅が広がっていることでしょうか?

優先席部分です。荷棚と吊革が他のブロックより低めに設置されているのは京王9000形と同様です。車端ブロックのロングシートには通常握り棒が設置されておらず、この辺には京成らしい気配りの片鱗が感じられます。

運転台後の席です。3500形更新形と同様の2人掛になっています。

仕切扉は1両おきの設置となりました。吹き抜けを防ぐ意味では各車両に設置していただけると有り難いのですが、半自動構造になっているのがせめてもの救いでしょう。

先頭車には車椅子用スペースが有ります。ここまでの写真で気付かれていると思いますが、他社のいわゆる「走ルンです」シリーズの場合、多くの非常ドアコックがドア上に設置されています。しかし、京成は相互直通の規定からか、従来車と同様に座席下と戸袋窓部分にドアコックのユニットが設置されています。

「**と煙は高きに上る」(あ、俺もか…^^; )とは言いますが、先日の韓国地下鉄火災のニュースを耳にするにつき、固定窓車両において、高い位置にある非常ドアコックはともすれば脱出手段を奪いかねない危険性を持っているとも考えられます。

有毒ガスや煙が天井部分に充満した状態で、わざわざ立ち上がらなければドアコックが操作できないとなれば、それは脱出を試みる操作者を行動不能の状態に陥らせる危険性が残るように思えます。あの位置では子供や高齢者はコックを操作できません。万が一の事態は、万が一な客層の時に往々にして起こります。

より安全な操作と脱出、と言う意味では新3000形の煙の溜まらない座席下と目に付きやすいドア戸袋近辺へのドアコック設置というのはファインではないでしょうか?

扉はJR東日本209系のようなスタイルになりました。しかし、京成にドアチャイム…それも左右で異なってるって…似合わねェ(笑)。

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