京成AE100形 最終確認時期:2005年9月

生まれも育ちも葛飾区の私にとって京成電車とは生活そのもの、うっかりしたら生命線です。スカイライナーと言えば空港特急のパイオニア、乗りたくないわけはありません。しかし地元の人間にすれば、これがなかなか使いにくいシロモノでもあります。

2010年7月、成田スカイアクセス線開通によって、スカイライナーの任を解かれ、本線をデータイムに走り抜けるシティライナーとして、スカイライナーの補完的列車・沿線主要駅間の有料特急列車として、実験的な位置づけで走るようになりました。左の写真は、許可を得て撮影したものです。念のため。

車内ですが、色遣いはともかくとして何となく新幹線100系をイメージさせるものがあります。このせいかどうか、しばしば新幹線をフィーチャーしたロケがこの車両で行われています。

写真は喫煙車。荷物棚のそこかしこに空気清浄機がドドンと置かれています。

AE100形が登場した頃の鉄道座席と言えば、国鉄からの脱却を旗印とした"アコモデーションインフレ"の真っ直中。新幹線100系G編成における「普通席でもフットレスト」が定着した完成期でした。AE100もご多分に漏れず、シートピッチ1040mm・跳ね上げフットレストを装備した回転油圧リクライニングシート(KDK319)を装備し登場しました。

座席自体は横幅435mmという標準的な座面幅ですが、シートピッチを伸ばすひきかえに標準より長めの車体故、横幅が多少犠牲になっています。そこで、回転時に窓下部分がぶつからないようへこんで成形されています。残念なことに、窓キセは窓ユニットの関係で張り出したまま、窓側の居住性は必ずしも良いとは言えません。KDK319は折り返し時の座席回転労力+時間を軽減するため、エアによる一斉回転機構を持っています。

登場から12年が経過、車内のあちこちがかなり痛んできたと同時に陳腐化してきたと言うことで、2001年後半からリフレッシュ工事が始まりました。

主な変更点は、車内内装の張り替えと座席のリフレッシュ、車いす対応座席設置など。それまでの薄いベージュを基調としたものから、全般的に白〜青といった色温度の高いカラーコードに変えられています。

こちらがリフレッシュされたKDK319。座席はそのまま、表地をブルー系統に替えただけです。勿論、各可動部のメンテナンスも行われていますが、登場当初より安っぽく仕上がって出てくるのはAE車時代のリニューアルの頃と全く変わって居らず、この辺が京成らしいと言えば京成らしいのかも知れません。

しかも以前は肘掛部が詰物を入れたそれなりに良い物だったのですが、リフレッシュ後はカバーが単なるFRP、それも最も安めと思われるカチカチのシロモノです。

4号車の12番に車いす対応座席が設置されています。座席としては小田急30000系(EXE)の1人掛席とほぼ同じモノとなっています。座面幅が広いので、可能であればここを指名買いするのも悪くはないでしょう。ただし、リクライニング角度はKDK319ほどではありません。

全展開時の状態。座席横幅は広いのですが、設備の仇で前席のフットレストの使い勝手についてあまり考慮はなされていません。

第3編成以降のリフレッシュ座席。フットレストの形状が異なっていることがお判りになりますでしょうか?

車椅子対応座席。しかし、こうしてみると11番B・C列に宛がわれた人は何だか不憫です。そういえば、座面下に第1・2編成のような支持金具が見えません。地味に改良?

全展開時の様子。

日本初の「空港アクセス列車」と言う栄誉(?)は京成が持っているワケですが、初代AE0形では荷物棚が無く、利用者は難儀したそうです(まぁ、難儀するほど混まなかったと思いますけど…)。そこで、各車両1カ所4席を潰して荷物スペースを付けた経緯があります。

AE100形ではそこの所ぬからず対応しています。ドア戸袋部分を有効利用して3段(実質2段)の棚を両サイドに…。しかし混雑期にはおおよそ足りず、ドア近くの設置故、乗り込む人がここに荷物を置いてから自席に向かうため、その狭々した通路などが隘路になって乗降遅延の急所となってしまっています。

5号車にあるフリースペース。喫煙可だったのですが、喫煙車の移動と共に禁煙となりました。ちなみに、コチラは登場当初のタイプ。

こちら、リニューアル後のタイプ。ジュースの自販機が置いてあります。計画ではここに売店を設置すると言う話もあったそうですが…当面実現は無さそうです。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通1不詳1040mm
普通2KDK3191040mm