北総鉄道9100形「C-Flyer」 最終確認時期:2003年5月

京成・都営・京急線方面への相互直通運転が開始され、千葉ニュータウン中央から印西牧の原への延伸を控えた頃、車両増強とイメージリーダーとなる車両をということで登場したのが9100形です。

車体やフォルムこそインパクト満点の唯一無二な顔をしていますが、足まわりは検査の関係で京成3700形とほぼ同じものが使われています。

2004年7月から、車両は「都市公団」から「千葉ニュータウン鉄道」へと所有が移りましたが、実質的な運行・営業は北総鉄道が持つので、表記については便宜的に北総鉄道扱いにしています。

この車両、通勤形車両と近郊形車両が微妙に被ってるので順を追って…まずは先頭車です。1両まるまるロングシートの平凡な車内です。

モノトーン命、と言う趣ですがワタシはこのカラーリング、落ち着いていて好きです。勿論、メンテされないとなかなか悲劇な配色ではあります。

中間車部分です。向こうの方に(笑)クロスシートが見えます。こんな感じで車端部の片側にクロスシートが設置されています。これが、通勤形と近郊形を微妙に被らせている所以であり、またこの形式にしか見られない何ともユニークなアコモデーション配置です。

手前にクロスシートを置いて撮ってみました。クロスシートは中間車6両に設置され、1両当たり片側3面あるドアの中で、ドアが黄色になっている方にクロスシートが設置されています。

両端の先頭車を除き、印旛日本医大方向から3両は印旛日本医大側、あとの3両は京成・都営線側にクロスシートが設置されています。乗るときのご参考までに。

ロングシートはバケットシートになっており、柔らかめながら詰物を奢った雰囲気でなかなか良い座り心地です。袖仕切回りの形状は経営3700形のそれとほぼ同じと捉えて差し支えありません。

車端部の優先席です。一般席がブルーの入ったグレーでしたが、こちらは純然たるシルバーグレー。モノトーンな中にも判りやすさが垣間見えます。

この車両、乗ってみると割と質感がバブリーな気がするのですが、車両間の貫通扉も営団地下鉄よろしく開けたら自動的に閉まる機構が仕込まれています。その辺、無頓着な京成線が生活基盤のワタシにとって新鮮でちょっと羨ましい気遣いです(笑)。

先頭車には勿論車椅子スペースも完備。

クロスシート部分です。この形式、初期投入の2編成と追加投入の1編成でクロスシートの配置に差があります。今回は初期投入分を出しております。

クロスシートの配置は2種類あり、これがその1つ目の一方向配置です。カンチレバー式のクロスシートは前後対象、取って付けたような肘掛はともかくとして座席自体は堅めの座席です。

バケット形状で堅めと言えば、割と人気のある風合いですが、このクロスシートの場合、薄い・硬い・なんか身体に合わない…と悲惨な三拍子が揃ったシロモノです。シートピッチ自体は990mm、固定クロスとしては結構恵まれた寸法といえます。

一番車端部寄りだと、目の前はまさに壁。修行用の席とも言えます(大嘘)。

その後側ですと、前の席の下が空間なので足をゆっくり伸ばせます。しかし、混んでくると自分の背中側に人が積み重なって行くという罠も待ちかまえています。

クロスシートにはこのようにボックス配置になった区画もあります。かなりゆとりあるボックス間ピッチはグループで乗ると楽しいモノですが、そもそも、そんな需要に対してこの列車が見事ブチ当たる可能性は思いっきり低いモノと思います。

さて、ボックス席の後側には、元・カード式公衆電話のスペースがあります。ニュータウンへの帰り道、自宅にカエルコール(うっ懐かしい、歳がバレるぞ)をして駅前で奥さんが…というのもアリなのでしょうが、混み合った下り電車でここまでたどり着くのは至難の業、朝の上り電車で会社に遅刻の言い訳をしようにもたどり着くのも難しければ、折角着いてもトンネル内は通話不可能というオチでその使いではそう無かったモノと容易に推察されます。

そして、携帯電話の予想以上の普及を受けて、絶対的な需要が減少したことに加え、車内で携帯電話は控えて貰うのに、この電話だけOKというのも整合性が…と言うことであえなく撤去。今はその跡地だけが夢の跡の如く佇んでいます。

ドアも特色あります。ガラスが中央部分に寄った感じの設置になっており、ちょっとだけサイバーな雰囲気を醸し出しています。

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